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電波時計の電波が部屋に届かない…なら発信機を作ってみよう

2025/02/09に公開

最近、部屋で使っている電波時計がJJYの電波を受信しにくくて困っていました。引っ越し前は窓際などに置けばそれなりに電波を拾ってくれたのですが、部屋の立地やコンクリートの壁の影響なのか、全く受信できなくなってしまったのです。正確な時刻を常に表示してくれる電波時計のはずが、しょっちゅうズレては手動で時刻合わせをするのは面倒ですよね。気付いたら1分半とかズレてますし。

そこで、最初は市販の機器を探してみました。すると、NTPサーバーから正しい時刻を取得し、JJYに似た電波を発信して電波時計を合わせてくれる装置が見つかったのですが、値段がざっと2万円ほど。時刻合わせのためだけにこれを買うのは正直ハードルが高いし、利用頻度を考えるとコスパ的にも微妙と感じました。
(他にはWi-FiやBluetoothで時刻合わせする時計もありますが、時計のバリエーションの多さやコスパや省電力性では電波のが上です)

もっと手軽な方法はないかなと調べていたところ、なんと自作でJJY(日本の電波時計の電波みたいなもの)の電波を発信できるキットを紹介している記事を発見しました(参考: https://scrapbox.io/denpa/疑似JJYで電波時計を合わせよう! )。しかもそれほど大掛かりな電子工作が必要というわけでもなく、部品も比較的容易に手に入るとのこと。

実際に作ってみると、はんだ付けなどの作業はなく、2つのパーツを組み合わせるだけ。ソフトウェアのビルド等もほぼ記事どおりに進めるだけ。いくらか依存先のバージョンが上記記事より上がってますが、新しいので大丈夫でした。思っていたほど難しくはありませんでした。
完成後はUSB Type-Cケーブルを使って給電してみましたが、スマホと同じケーブルが使え、モバイルバッテリーからも給電できるので、使うときだけ給電と、場所の自由度も高いです。

電源を入れると、このデバイスは一時的にWi-Fiアクセスポイントのように振る舞うので、まずスマホやPCをそのネットワークに接続して設定画面を開きます。そこから自宅やオフィスのWi-Fi情報を登録すると、デバイスがインターネットに接続し、自動的にNTPサーバーから時刻を取得してくれる仕組みになっています。

あとは、そのデバイスを電波時計のそばに置き、電波時計の受信ボタンを押してしばらく待つだけ。時計が電波時計の信号をキャッチし、数分ほどで正確な時刻に合わせてくれます。自作だからといって不安定かと思いきや、今のところしっかり動作しており、時刻がキッチリ同期してくれるのでとても助かっています。

電波状況が悪くても、大掛かりな高価な装置を買わずに済むのがうれしいポイント。部屋の奥まった場所に電波時計を置きたいけれど、電波が届かず諦めていた方にはおすすめの方法かもしれません。もちろん電子工作のハードルは多少ありますが、少し調べながら進めれば、わりと簡単に完成できると思います。これで正確な時刻をいつでもチェックできるようになり、時計の電波時計同期インジケータを確認するたびにちょっとした満足感を得られるようになりました。

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