Google WorkspaceのAIアドオンが廃止されて基本プランに組み込まれたので変更点を解説します
※ 2025.1.21 Enterprise プランの価格を反映しました
※ 本記事は主に情シス向け(Google Workspaceの管理者向け)に書いています
2025年1月に Google Workspace のAI関連機能(Gemini for Google Workspace)の課金形態の大幅変更が発表されました。
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ざっくり解説
- 有料アドオンであった Gemini for Google WorkSpace は廃止
- Gemini for Google WorkSpace 提供の各機能は通常のプラン(StandardプランとEnterpriseプラン)に振り分けられる形に変更
- AI機能が増えた分、基本プラン(StandardプランとEnterpriseプラン)は若干の値上げ
有料アドオンであった Gemini for Google WorkSpace は廃止
まず元の有料アドオンを使っていなかった方が多いと思うので前提の部分を解説します。
もともと Gemini for Google WorkSpace は4種類のアドオンとして提供されていました。
- Gemini Business
- AI Meetings and Messaging
- AI Security
- Gemini Enterprise
Gemini Business | AI Meetings and Messaging | AI Security | Gemini Enterprise | |
---|---|---|---|---|
価格(※年契約の場合の月額ユーザー費用) | ¥2,260 | ¥1,130 | ¥1,130 | ¥3,400 |
Gmail, DocsなどのアプリAI機能 | ◯ | - | - | ◯ |
MeetのAI機能 | - | ◯ | - | ◯ |
セキュリティのAI機能 | - | - | ◯ | ◯ |
機能ごとにアドオンがあって、Gemini Enterprise はすべてのアドオンのパッケージ製品と思っていただければ大丈夫です。
また、Gemini for Google Workspace とは別に NotebookLM Plus のライセンスがあったようです(NotebookLM Plus は出たばかりで詳細わからず)
Gemini for Google WorkSpace 提供の各機能は通常のプラン(StandardプランとEnterpriseプラン)に振り分けられる形に変更
Gemini for Google WorkSpace がなくなったらどうなるかというと、通常の Google Workspace のプランに振り分けられる形になりました。
どの機能がどのプランに振り分けられたのかの詳細は機能比較表を見るのがわかりやすいです。
Google Workspace Business エディションの AI 機能と料金改定
ざっくりまとめるとこんな感じになるようです。
セキュリティ > ドライブでの AI 分類
機能がどのBusinessプランにも属していないのでこれはEnterpriseプラン限定提供になると思われます。
つまり、Businessプランを契約していてAIセキュリティアドオンを使っていた場合、Enterpriseプランにあげないと機能が利用できなくなるはずです。移行期間中は大丈夫なようですが、そのような買い方をしていた組織は続報を待ちましょう
※ Gemini アドオンのサブスクリプションはどうなりますか?
AI機能が増えた分、基本プラン(StandardプランとEnterpriseプラン)は若干の値上げ
AI機能が増えた分、既存プランに値上げが入ります。
Enterpriseプランは詳細価格が公開されていませんので、代理店経由での定価と予想価格を記載しておきました。
Business Starter | Business Standard | Business Plus | Enterprise Standard | Enterprise Plus | |
---|---|---|---|---|---|
既存価格 ※年契約の場合の月額ユーザー費用 ※消費税 10% は含まれません(価格に加算されます)) |
¥680 | ¥1,360 | ¥2,040 | ¥2,600 | ¥3,400 |
新価格 ※年契約の場合の月額ユーザー費用 ※消費税 10% は含まれません(価格に加算されます) |
¥800 | ¥1,600 | ¥2,500 | ¥3,060 | ¥3,980 |
図にまとめるとこんな感じになります。
総じて値上げではあるものの、元の価格を考えると破格だと思われます。
料金切り替えタイミング
既存の Google Workspace サブスクリプションの料金については、2025 年 3 月 17 日より改定が適用されます。
2025年3月17日以降で料金が変わるようです。
ユーザー ライセンス数が 10 以下の既存の Google Workspace サブスクリプションの料金は、2026 年 1 月まで変更されません。
小さい組織の場合は軽減措置が取られています。
他SaaSへの影響
情シス目線ですと他SaaSへの影響も見ておくといいかなと思います。
値下げが起きる?
Microsoft 365 Copilot が特にそうだと思いますが、競合している SaaS は値下げが入ると思います。
もともと Gemini for Google Workspace の料金は Microsoft 365 Copilot と合わせた価格にした認識なので Microsoft 側も値下げせざる得ないかと思います。
SaaSをまとめたほうがいい
ChatGPT を始めとしたAIサービスは Gemini への移行でアカウントコストの削減(管理コスト含む)とセキュリティの向上(情報は拡げないほうが好ましい)になるかとおもいます。
また、Webミーティングの議事録を自動で作ってくれるサービスなんかも使っている組織が多いと思いますが、Gemini の議事録自動作成サービスに置き換えられていくと思います(25年1月16日時点では日本語対応はしていません)
おわりに
AIが多くの企業の業務に当たり前に組み込まれる転換点はこのタイミングかもしれない、と思いました。
AI系のアドオンは各種SaaSにあるものの高くて手を出せず、トライアルはしているものの全社導入には至っていない、利用しそうな一部ユーザーだけで利用する。みたいなケースが多かったのではないでしょうか。
SaaS提供企業がAI機能を組み込む際に、AIアドオンという形から基本プランに組み込む課金形態に変更したことは、AIが当然のようにSaaSに組み込まれ、業務で日常的に使われるようになる、その第一歩と言えるのではないでしょうか。
今後働き方がAIを使ってどう変化していくのか、そして情シス目線だとどう変化に追随していかないといけないのか、楽しみが増えました。
Discussion
Microsoft 365は値下げどころか値上げという話も出てますが
むしろサブスクリプション関係はAI導入しますという口実で値上げラッシュになるのではないですかね。
AI税?