ブロック要素から取り除く技術
日々の業務を進める中で、特定のタスクが他の要因によって進行できなくなる「ブロック要素」に直面することは少なくありません。今回は、このようなブロック要素を早期に取り除き、スムーズに仕事を進めるための考え方について解説します。
仕事におけるブロック要素とは
プロジェクトやタスクを進行する上で、その進行を妨げる要因を「ブロック要素」と呼びます。例えば、以下のようなものが挙げられます。
- 特定の人物や部署からの承認待ち
- 必要な情報や資料の不足
- 外部委託先からの成果物待ち
- 技術的な課題の未解決
これらのブロック要素を放置すると、タスクの遅延、ひいてはプロジェクト全体の遅延に繋がる可能性があります。
ブロック要素への対処法
では、どのようにしてこれらのブロック要素に対処すれば良いのでしょうか。ここでは3つのポイントを紹介します。
1. 関係者との合意形成は早い段階で
特定の仕事を進めるにあたり、誰か(例えば、上司や関連部署、顧客など)の合意が必要になるケースは頻繁に発生します。このような場合、できるだけ早い段階で合意形成のプロセスを開始することが重要です。
後になってから合意を取ろうとすると、手戻りが発生したり、最悪の場合、計画そのものが見直しになったりするリスクがあります。初期段階で関係者と認識を合わせ、合意を得ておくことで、その後の手戻りを防ぎ、スムーズな進行を期待できます。
2. 見える範囲のブロック要素を優先的に処理する
現時点で認識できているブロック要素、そして今すぐ対処できるブロック要素については、優先的に処理を行うことを心がけます。
例えば、「〇〇さんに確認が必要だが、まだ資料が揃っていない」という状況であれば、まずは資料作成に着手し、確認依頼を出せる状態にすることが優先されます。放置しておくと、他のタスクを進めている間にそのブロック要素がボトルネックとなり、全体の進行を停滞させてしまう可能性があります。
3. リードタイムが生まれるものは先に手をつけ、並行処理する
承認待ちや外部からの納品待ちなど、対応に時間がかかることが予想される(リードタイムが発生する)タスクは、可能な限り早い段階で着手します。
例えば、外部にデザイン制作を依頼する場合、依頼してから初稿が上がってくるまでに数日かかることが一般的です。このようなタスクは、プロジェクトの初期段階で依頼を済ませておき、その待ち時間(リードタイム)を利用して、自分自身で進められる別のタスクに取り組むことで、時間を有効活用できます。
プロジェクトマネジメントにおいても、依存関係のあるタスクのリードタイムを考慮して計画を立てることは基本とされています。
まとめ
今回は、仕事を進める上でのブロック要素を取り除くための3つの考え方を紹介しました。
- 関係者との合意形成は早い段階で
- 見える範囲のブロック要素を優先的に処理する
- リードタイムが生まれるものは先に手をつけ、並行処理する
これらのアプローチは、特別なスキルを必要とするものではなく、意識することで誰でも実践できるものです。日々の業務の中でこれらの点を意識し、ブロック要素を計画的に排除していくことで、より効率的かつスムーズに仕事を進めることができるでしょう。
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