【MCP活用ノート02】もうタスク分解で迷わない Claude Task Master活用法
はじめに
普段からCursorでAIとやり取りしながら開発を進めていると、「PRD(プロジェクトドキュメント)を元にプロジェクト計画ドキュメントを立ててほしい」とAIに頼んでも、うまく細かいタスクに分解できる時もあれば、逆にざっくりしすぎたり、現実的でない提案が返ってくることも多いなと感じていました。
そんな時に見つけたのが Claude Task Master というMCPサーバーです!
事前に自分でPRDをしっかり整理しておけば、Task Masterを通してAIが構造的・具体的にタスクを抽出してくれるので、タスク分解のブレや抜け漏れが大幅に減る印象です。
今回は、こうした実体験を踏まえつつ、Task Masterの導入方法や基本的な使い方を、AIコーディングユーザー向けにわかりやすくまとめました!
「AIを活用したタスク管理をもっと安定させたい」「プロジェクト計画をブレなく進めたい」という方には特におすすめです。
インストール方法(Windows/Mac/主要エディタ対応)
前提条件
- 使用したいエディタ(Cursor、Windsurf、VS Codeなど)をインストール済み
- Node.js・npmが動作する環境
- いずれかのAIプロバイダーAPIキー(Claude、OpenAI、Gemini等)が取得済み
1. MCP設定ファイルの作成と配置
Cursor
グローバル設定:
- Windows:
C:\Users\<ユーザー名>\.cursor\mcp.json
- Mac/Linux:
~/.cursor/mcp.json
プロジェクト単位:
<プロジェクトフォルダ>/.cursor/mcp.json
Windsurf
グローバル設定:
- Windows:
C:\Users\<ユーザー名>\.codeium\windsurf\mcp_config.json
- Mac/Linux:
~/.codeium/windsurf/mcp_config.json
VS Code
プロジェクト単位のみ:
<プロジェクトフォルダ>/.vscode/mcp.json
2. MCP設定ファイルの内容(サンプル)
Cursor/Windsurfの場合(mcpServersキー使用)
{
"mcpServers": {
"taskmaster-ai": {
"command": "npx",
"args": ["-y", "--package=task-master-ai", "task-master-ai"],
"env": {
"OPENAI_API_KEY": "あなたのOpenAI APIキー",
"ANTHROPIC_API_KEY": "あなたのClaude APIキー",
"GOOGLE_API_KEY": "あなたのGemini APIキー"
}
}
}
}
VS Codeの場合(serversキー+type指定)
{
"servers": {
"taskmaster-ai": {
"command": "npx",
"args": ["-y", "--package=task-master-ai", "task-master-ai"],
"env": {
"OPENAI_API_KEY": "あなたのOpenAI APIキー",
"ANTHROPIC_API_KEY": "あなたのClaude APIキー"
},
"type": "stdio"
}
}
}
3. MCPサービスの有効化・起動
Cursor
- Cursorを起動 → 歯車マーク→Settings→左「MCP」タブ
-
taskmaster-ai をON(青色になればOK)
Windsurf
- エディタ再起動後、自動認識されます
- 設定ミスやAPIエラー時はログ出力やメッセージに注意
VS Code
- プロジェクトを開くだけで認識されます
- 設定が正しければコマンド実行やAI連携が利用可能
基本的な使い方
まず、作業したいプロジェクトでTask Masterを初期化します。
CursorなどのエディタのAIチャット欄、またはターミナルで以下のコマンドを入力してください:
Initialize taskmaster-ai in my project
または
task-master init
(CLIの場合)
と入力すると、自動的に必要なフォルダや設定ファイルが生成されます。
生成される主なフォルダ・ファイル例
-
.taskmaster/
… Task Masterの管理用ディレクトリ -
.cursor/
や.roo/
など、関連する設定フォルダ
初期化後、「taskmaster-aiプロジェクトの初期化が正常に完了しました」といったメッセージが表示されればOKです。
次のステップ:
-
.taskmaster/docs/prd.txt
ファイルを作成し、プロジェクトの要件(PRD)を書き込みます
(AIにアプリ内容や要件を伝えれば、PRDの作成もサポートしてくれます) - PRDをもとにAIが自動でタスク分解・生成を行います
補足:APIキーについて
モデルの切り替え方法
MCPで利用するAIモデルは、チャット欄で以下のように指示することで簡単に切り替えることができます。
Change the main, research and fallback models to "model name"(例:gpt-4.1)respectively.
使用したいAPIキーに対応したモデル名を指定してください(例:Anthropicならclaude-3-sonnet、OpenAIならgpt-4など)。
活用例
活用例として、今回はToDoリスト管理アプリを作ってみます。
こういったPRDを.taskmaster/docs/prd.txt
に保存しました。
【プロジェクト名】
シンプルなToDoリスト管理アプリ
【概要】
個人利用向けのシンプルなタスク管理Webアプリを開発する。
【目的】
日々のタスクを簡単に追加・管理・完了できるようにし、生産性向上を目指す。
【技術スタック】
- フロントエンド:React(TypeScript)
- バックエンド:なし(フロントのみで完結)
- データ保存:ブラウザのlocalStorage
【機能要件】
- ユーザーが新しいタスクを入力・追加できる
- タスクの一覧表示
- タスクの完了チェックおよび完了状態の変更
- 完了済みタスクの非表示切り替え
- タスクの削除
- ページを再読み込みしてもデータが消えない(localStorage活用)
【非機能要件】
- シンプルで直感的なUI(スマホ・PC両対応推奨)
- コードはTypeScriptで記述し、可読性・保守性を意識する
- 5分以内で初回起動できる最小限構成
【将来拡張(任意)】
- タスク編集機能
- ダークモード対応
- タグや優先度付け
【ターゲットユーザー】
- 日常的なタスク管理をしたい個人
【デザイン要件】
- 最低限のスタイリング(見やすさ重視、UIフレームワーク不要)
【備考】
- バックエンドやユーザー認証は今回は不要
次に、AIチャット欄に以下のように指示します(日本語でもOKです):
Can you parse my PRD at .taskmaster/docs/prd.txt?
すると、下記のように12ステップの計画が自動で作成されました!
タスク(例:task_001.txt)の中身はこんなイメージです:
テーマ、詳細、戦略、進捗状況、優先順位なども含めて、しっかり構造化されています!
導入による効果
タスク設定が完了したら、あとはAIに「このタスク通りに開発を進めてください」と依頼するだけでOKです。
各タスクが完了したら、Statusを「done」に変更するだけで進捗も一目瞭然になります!
(実際の開発内容や詳細な実装プロセスはここでは割愛しますが、AIタスク分解&管理によって、プロジェクト全体の見通しと進捗把握が圧倒的に楽になるのをぜひ体感してみてください!)
筆者のコツ・活用アドバイス
MCP(Claude Task Master)は、PRD(プロジェクト要件ドキュメント)から自動でタスク(=プロジェクト計画ドキュメント)を生成できる点が非常に便利です。
ただし、PRDとタスクリストだけではプロジェクト運営としては十分とは言えません。
以前公開した別記事
でも触れましたが、実際の開発で"本当に困らない"ためには、以下の6種類のドキュメントを揃えることを強くおすすめします:- PRD(プロジェクトドキュメント)
- プロジェクト計画(タスク分解ドキュメント)
- 問題・バグ管理ドキュメント
- アーキテクチャ(システム構成図)ドキュメント
- ルールドキュメント
- DB設計・スキーマドキュメント
これら6つのドキュメントを連携させることで、「抜け漏れなくプロジェクト全体を俯瞰し、リスク管理や属人化の防止にもつながる」
── まさに、AIの自動タスク管理と人間による総合的なドキュメント整備の組み合わせこそが、開発効率を最大化する鍵だと感じています!
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