【初心者向け】簡単な電卓アプリを作ってみよう！（Python編）

プログラミング学習の定番として、電卓アプリの作成があります。この記事では、Pythonを使って基本的な四則演算（足し算、引き算、掛け算、割り算）ができる電卓アプリを作成する方法を、初心者向けにステップバイステップで解説します。

目標とする機能

今回作成する電卓アプリには、以下の機能を実装します：

1. 二つの数値の入力を受け付ける
2. 四則演算（+、-、*、/）の選択
3. 計算結果の表示
4. 続けて計算するかどうかの選択
5. エラー処理（ゼロ除算、不正な入力など）

Step 1: 基本構造の作成

まずは、プログラムの基本的な構造を作成します。

def main():
    print("=== 簡単な電卓アプリ ===")
    
    while True:
        # メイン処理（後で実装）
        pass
        
        # 続けるかどうかの確認
        if not continue_calculation():
            break
    
    print("電卓アプリを終了します。")

def continue_calculation():
    while True:
        answer = input("続けて計算しますか？ (y/n): ").lower()
        if answer in ['y', 'n']:
            return answer == 'y'
        print("yまたはnを入力してください。")

if __name__ == "__main__":
    main()

このコードでは：

• main() 関数：プログラムのメインロジックを含む
• continue_calculation() 関数：ユーザーが計算を続けるかどうかを確認
• 無限ループと break を使用して、ユーザーが終了を選択するまで計算を続ける

Step 2: 数値入力の実装

次に、ユーザーから数値を入力받る機能を実装します。

def get_number(prompt):
    while True:
        try:
            return float(input(prompt))
        except ValueError:
            print("有効な数値を入力してください。")

def get_operator():
    valid_operators = ['+', '-', '*', '/']
    while True:
        operator = input("演算子を入力してください (+, -, *, /): ")
        if operator in valid_operators:
            return operator
        print("有効な演算子を入力してください。")

これらの関数は：

• get_number(): 数値の入力を受け付け、不正な入力の場合はエラーメッセージを表示
• get_operator(): 演算子の入力を受け付け、不正な入力の場合はエラーメッセージを表示

Step 3: 計算ロジックの実装

計算を実行する関数を実装します。

def calculate(num1, operator, num2):
    try:
        if operator == '+':
            return num1 + num2
        elif operator == '-':
            return num1 - num2
        elif operator == '*':
            return num1 * num2
        elif operator == '/':
            if num2 == 0:
                raise ZeroDivisionError("ゼロによる除算はできません。")
            return num1 / num2
    except ZeroDivisionError as e:
        print(f"エラー: {e}")
        return None

この関数は：

• 四則演算を実装
• ゼロ除算のエラー処理を含む
• エラーが発生した場合は None を返す

Step 4: メイン処理の実装

これまでの部品を組み合わせて、メイン処理を完成させます。

def main():
    print("=== 簡単な電卓アプリ ===")
    
    while True:
        # 数値と演算子の入力
        num1 = get_number("1つ目の数値を入力してください: ")
        operator = get_operator()
        num2 = get_number("2つ目の数値を入力してください: ")
        
        # 計算の実行
        result = calculate(num1, operator, num2)
        
        # 結果の表示
        if result is not None:
            print(f"\n{num1} {operator} {num2} = {result}\n")
        
        # 続けるかどうかの確認
        if not continue_calculation():
            break
    
    print("電卓アプリを終了します。")

# 他の関数の定義（前述のコード）...

if __name__ == "__main__":
    main()

完成したコード

以上の部品を組み合わせた完成版のコードです：

def get_number(prompt):
    while True:
        try:
            return float(input(prompt))
        except ValueError:
            print("有効な数値を入力してください。")

def get_operator():
    valid_operators = ['+', '-', '*', '/']
    while True:
        operator = input("演算子を入力してください (+, -, *, /): ")
        if operator in valid_operators:
            return operator
        print("有効な演算子を入力してください。")

def calculate(num1, operator, num2):
    try:
        if operator == '+':
            return num1 + num2
        elif operator == '-':
            return num1 - num2
        elif operator == '*':
            return num1 * num2
        elif operator == '/':
            if num2 == 0:
                raise ZeroDivisionError("ゼロによる除算はできません。")
            return num1 / num2
    except ZeroDivisionError as e:
        print(f"エラー: {e}")
        return None

def continue_calculation():
    while True:
        answer = input("続けて計算しますか？ (y/n): ").lower()
        if answer in ['y', 'n']:
            return answer == 'y'
        print("yまたはnを入力してください。")

def main():
    print("=== 簡単な電卓アプリ ===")
    
    while True:
        # 数値と演算子の入力
        num1 = get_number("1つ目の数値を入力してください: ")
        operator = get_operator()
        num2 = get_number("2つ目の数値を入力してください: ")
        
        # 計算の実行
        result = calculate(num1, operator, num2)
        
        # 結果の表示
        if result is not None:
            print(f"\n{num1} {operator} {num2} = {result}\n")
        
        # 続けるかどうかの確認
        if not continue_calculation():
            break
    
    print("電卓アプリを終了します。")

if __name__ == "__main__":
    main()

使用例

このプログラムを実行すると、以下のような対話形式で計算を行うことができます：

=== 簡単な電卓アプリ ===
1つ目の数値を入力してください: 10
演算子を入力してください (+, -, *, /): +
2つ目の数値を入力してください: 5

10.0 + 5.0 = 15.0

続けて計算しますか？ (y/n): y
1つ目の数値を入力してください: 20
演算子を入力してください (+, -, *, /): /
2つ目の数値を入力してください: 0
エラー: ゼロによる除算はできません。
続けて計算しますか？ (y/n): n
電卓アプリを終了します。

プログラムの解説

1. エラー処理

プログラムには以下のようなエラー処理が実装されています：

• 数値入力時の不正な値（ValueError）
• ゼロによる除算（ZeroDivisionError）
• 不正な演算子の入力
• 不正な継続確認の回答

2. 関数の役割

各関数の役割を詳しく見ていきましょう：

1. get_number(prompt)

   • 数値の入力を受け付ける
   • 文字列を浮動小数点数に変換
   • 不正な入力の場合は再入力を要求

2. get_operator()

   • 演算子の入力を受け付ける
   • 有効な演算子かどうかをチェック
   • 不正な入力の場合は再入力を要求

3. calculate(num1, operator, num2)

   • 実際の計算を行う
   • 演算子に応じて適切な計算を実行
   • ゼロ除算のエラー処理を含む

4. continue_calculation()

   • 計算を続けるかどうかの確認
   • y/n以外の入力を防ぐ

5. main()

   • プログラムの全体の流れを制御
   • 各関数を適切な順序で呼び出し

3. プログラムの拡張性

このプログラムは以下のような方向に拡張可能です：

1. 追加の演算機能

   • べき乗（**）
   • 剰余（%）
   • 切り捨て除算（//）

2. 高度な機能

   • 計算履歴の保存
   • 複数の数値の連続計算
   • 数式の解析と計算

3. ユーザーインターフェースの改善

   • GUIの実装（tkinterなど）
   • より詳細なエラーメッセージ
   • ヘルプ機能の追加

まとめ

この記事では、Pythonを使って基本的な電卓アプリを作成する方法を学びました。

実装したポイント：

1. 基本的な四則演算
2. エラー処理
3. ユーザー入力の検証
4. プログラムの構造化（関数分割）

このプログラムを基礎として、より高度な機能を追加したり、GUIを実装したりすることで、プログラミングの理解を深めることができます。

次のステップ

電卓アプリの基本を理解したら、以下の記事も参考にしてください：

• 変数・データ型・関数とは？初心者向けに超わかりやすく解説
• 【入門】条件分岐(if文)を理解してロジックを組み立てよう
• 【初心者向け】for文とwhile文の使い分け完全ガイド