DATA Saberチャレンジ雑記3 Ord10ディスカッション会
はじめに
7/18にOrd10 ZEN問答のディスカッション会を開催しました。今回はお流れかと思いましたが、Ord7に続き参加いただいたはなさん、taitoさん、そしてあんにん太郎師匠ありがとうございました。
前回と同じく、ディスカッションの中で出た印象に残ったことを覚えを兼ねて書きます。
※ 本記事は、読者をDATA Saberのアプレンティス以上、または、同程度のTableau利用者を想定します
Ord10ディスカッション会覚え
懐に入り込む
Ord10のような「相手を動かす」系の話は、「相手」と「置かれた状況」によって有効な打ち手が変わるので、当然正解はありません。ここでのキーワードは 「懐に入り込む」 でした。
相手が、こちらの言うことに受け入れられない状態なら、どんなに正しいことを言っても動かせない。話を受け取ってもらえるようになるまで、こちらから近づいていくしかない。そのためなら「設問で不正解の選択肢を選ぶことすらありえるよね」と。
「関係性を築く」「信頼ポイントを蓄積する」「徳を積む」など、データ界隈でいろいろな言い回しで言われていることと同じでした。
そのままで動かせない相手に対し、「動かせる間合いまで入り込む」って言うと、ちょっと剣士っぽいですねw
「新しいもの」を出すときの注意
「相手のリクエストには応えた上で、プラスアルファで新しいものも出す」系の選択肢で、以下の話が出ました。
- 保守的な人に、革新的な話は拒絶感を与える。新しいやり方がいくらよくても、既存のやり方の否定になると「俺のやり方を否定するいけすかない奴」になっちゃうので注意
- 相手が今まで見ていたものが、新しいやり方ではどれに当たるのか、ガイドしてあげないと「今のこれは、いったいどれなんだ」になっちゃうので注意
自分が相手に渡すものが、価値があるものだと確信しているほど、陥り易い罠な気がするので、気を付けたいと思います。
data-ink ratio (データインクレシオ)
印刷の設問で、以前あんにん太郎師匠に教えてもらった data-ink ratio の話を紹介しました。
ご興味ある方は、こちらの記事の動画かスライド をご覧ください。
アプレンティスの仲間であれば、何かしら感じるところがあるかと思います。これを題材にディスカッション会をするのも面白いと思います。
Tableau Serverの接続関連
自分がTableau Serverを使ったことないので、データソースのことがちゃんとわかってなかったことがわかりました。このディスカッションとその後の師匠との会話で、なんとかわかりました。
感想としては、DWH(データウェアハウス)に似てるな、と思いました。
- 業務DBの認証がラップされて、ユーザーはTableau Serverの認証を使うこと
- 業務DB側が第3正規系で使いにくときや、複数のデータを複雑なやり方でジョインするときなどに、そういうの気にしないでいい使いやすいデータにしてからユーザーに渡せること
- 抽出と組み合わせれば、業務DB側に負荷をかけるタイミングをコントロールできること(アドホックに負荷をかけないですむこと)
- etc
まあ、業務DBとBIを繋ぐ位置にいるので当然ともいえますが。
でもそうなると、SnowflakeとかのDWHがある状況でTableau Serverを使う場合は、どういう設計になるんだろう、というのが気になりました。(上記の機能をDWHとTableau Serverのどっちに持たせるのか)
素直に考えると、データソースなしのライブ接続でSnowflake側に寄せるのが、管理がシンプルな気がします。(データ変更の影響追跡(データリネージ)や利用状況把握が楽そう)
もう1個、データへのアクセスの制御(認可)の管理をどうするのかも気になりました。業務DB側とTableau Server側で別設定になるので、「このデータは、どういう人は見てもいいけど、どういう人はみてはいけない」という情報を、それぞれの管理者の中で共有しないと、業務DB側で守られてるセキュリティが、Tableau Server側でこぼれてしまわないのか、という心配をしてしまいます。組織やデータガバナンスの話なんだと思いますが。
もうこれらはSaberじゃなくて、データエンジニアの領域な気がするのでこんなところにしますが、将来、自社にTableau Server を入れる日を夢見ると、気になるところです。機会があれば、事例やコミュニティなどで情報収集していきたいと思います。
インタラクティブの真の意味
このディスカッションまで、インタラクティブという言葉を「フィルターやパラメータ、ダッシュボードアクションなどで、動的に掘り下げ分析ができること」と理解してました。
これ自体は間違いではないのですが、機能面に寄りすぎていたようです。
分析案件で、業務担当とアナリストの打合せでVizを見せた時に、
- 業務担当から返ってくる仮説・アイディア・気になる点等に、その場でVizを直す
- その結果見えたことを基に、また次の仮説・アイディア・気になる点を試す
- それを何周もする
というのができると、「持ち帰って次回持ってきまーす」より劇的に早く・質高く進めることができます。(あんにん太郎師匠は、これを「分析案件を生きてまわす」と表現されてました)
そのためには、「もたつかずにその場でシュッとVizを直せること」 が必要になるわけですが、これを実現する即興性・即応性こそがインタラクティブの真の意味、Tableau Desktopの他BI製品に対する優位点であり、本質的価値なのだと腹に落ちました。(他のBI製品をあまり使ったことがないので、それがTableau唯一なのかはわかりませんが)
もちろん、Tableauを使うアナリストに、
- 業務担当の言っていることを120%理解・咀嚼できること
- データを掌握していること
- 操作に習熟していること
が必要なのは当然のことで、それを備える者こそDATA Saberなのでしょう。そうなっていきたいと思います。
終わりに
後に続くアプレンティスの方々にお伝えしたいです。
自分は、Ord6・7・10のディスカッション会をやることで、これらの理解を深めることができました。
また、バーチャル同期と言える他の参加者の方に出会うことができ、彼らや師匠から有益なお話を沢山聞くことができました。ぶっちゃけいいことづくめ でした。
ディスカッション会を主催するというのは、慣れてない方に腰が引けるかもですが、よかったらチャレンジしてみてください。簡単ですが、自分がやった段取りを紹介しておきます。
- 当該Ordの初見提出予定の週の翌週で、3日程度を候補日にして調整さんでイベントを作る。時刻は毎回21:00~で、やりました
- 招待制のSlackですが、アプレンティスと師匠の交流の場「Crew of DATA Saber」に参加していたので、そこのeventチャンネルで募集を投稿。開催前週の頭を目安に(候補日初日まで1週間はあるように)
- 参加者が現れて、師匠の都合のあう日があれば、開催前週土曜に日程確定して、eventチャンネルに投稿&調整さんに追記。直前参加も歓迎な旨も書きました(実際、土壇場で参加してくれる人もいました)
- Teams会議を発行して、eventチャンネルに投稿&調整さん追記。
- 当日に開催。短かくて1.5時間、盛り上がったときは2.5時間くらいやりました。
ご参考になれば幸いです。
最後に改めて、ご参加いただいたみなさま、あんにん太郎師匠、ありがとうございました!!
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