エンジニアチームのオンボーディング改善と体験談
はじめに
今回はエンジニアチームで行われたオンボーディングの改善案について記載していきます。
オンボーディングを改善するに至った背景
- ジョイン後のフォローがあまり優しくなかった...😭
- エンジニアの増員対策 💻
- 長期的にWeb2 → Web3人材を育成したい 🔥🔥🔥
以下、詳しく解説します。
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ジョイン後のフォローがあまり優しくなかった...😭
改善前はエンジニアチームにジョイン後のフローが整備されておらず、特に説明もなくHokusaiのAPIのコードや設計書を読んで理解しておいてね。というくらいのものでした。(なにから手を付ければいいのか...といった不安が常にありました) -
エンジニアの増員対策 💻
今後増えていくエンジニアにスムーズに実務に入ってもらうためには、オンボーディングを充実させるというのは大事な要素の一つです。
私が入ったばかりの2022年3月上旬時点では、私を含め5人だったエンジニアチームが記事執筆時の2022年5月中旬時点で、15人と大幅に増えました。 -
長期的なWeb2 → Web3人材の育成 🔥🔥🔥
今後受託や自社プロダクトが増えていく中で、Web3側の人手はあればあるだけ良いが、Web3人材は少なく、Web2人材の方が集めやすいという現状があります。
そのためWeb3人材育成ノウハウは組織の資産になり、そのノウハウをオンボーディングフローの一部にすることでWeb3人材育成の効率化をしていきたいという思惑がありました。
改善案
- バディ制度導入
- オンボーディング専用チャンネルを作る 💬
- Hokusaiの簡易版の開発 🌊
- Web3領域のおすすめ勉強用サイトの共有
バディ制度導入
私がジョインした際、業務のサポート体制を作る必要があったため作られました。
ジョイン後しばらくは、既存のエンジニアとペアになり、メンターとして組織に馴染めるまでサポートしてもらえます。
オンボーディング専用チャンネル作成 💬
私達はSlackで日々のコミュニケーションを行っています。
専用チャンネルがあることで、質問する際に関係のない人に通知されてしまうことなく、オンボーディング対応をしてくれる人に届くため、気軽にこのチャンネルに質問を投げることができます。
Web3領域のおすすめ勉強用サイトの共有
定期的にエンジニアチームでは勉強会を行っています。そこで試してみてよかったサイトなどはオンボーディングの課題の一つとして共有されます。
勉強会の内容はこちらの記事で紹介しています!(勉強会)
Hokusaiの簡易版(MiniMini Hokusai)の開発 🌊
Hokusaiの設計や仕組みを理解するにはそれなりの時間が必要で、その理由としては、Web3レイヤーとWeb2部分をつなぐ部分を理解することが難しいためです。
具体的には以下の2つのハードルなどが挙げられます。
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EVMの前提知識が必要
EVMはイーサリアムの構成要素の1つで、スマートコントラクトをデプロイあるいは実行します。
EVMでtransactionを発行するにはGasの設定・EOAアドレスの設定などが必要です。このあたりの概要を掴むのに苦労します。 -
実際の開発に必要な環境やライブラリ等の情報が少ない
Web3レイヤーの開発を行うためには、様々なライブラリを使用します。
コントラクトをコンパイルするライブラリ・ローカルチェーン構築ライブラリ・Web3クライアントライブラリなどです。
しかしこれらの使い方に関する情報はまだ多くないため、何を使うべきか、どう使うべきかのイメージがしずらいです。
Minimini Hokusai プロジェクトではこれらの問題を解決できるように考えられています。
まず、開発環境の構築にはhardhatというjsライブラリを使用します。このライブラリと拡張機能があれば、ローカルでブロックチェーンを開発するために必要な機能は一通り揃います。
ローカルでブロックチェーン開発をするために必要な機能例
- ローカルチェーンの構築
- コントラクトのコンパイルとテスト
- テスト用 walletAddressの作成
次にMinimini Hokusaiでは最初から単純なContactをローカルチェーンにデプロイするAPIが用意されているのでそれを叩きます。このローカルチェーンにデプロイされたContactをethers.jsというWeb3クライアントライブラリから動かすことで、ContractをWeb3クライアントから呼び出す感覚を掴むことができます。
他にも、
- Gas代を適切に設定する課題
- テストネットとつなげる課題
- コンパイルしたContractコードをWeb3クライアントから使う課題
などを通じてEVMの前提知識やライブラリの使用方法などを理解することができます。
このような課題とそれを受けたフィードバックの蓄積はエンジニアチームにとって資産となりよりスムーズなWeb3人材の育成につながっていくと考えています。
おわりに
今回はここ数ヶ月で実施されてきたオンボーディングの改善案について記載しました。
まだまだ改善は続いていくと思うので、もしモノバンドルエンジニアチームに興味が少しでもあれば他の記事もご覧になってみてください!
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