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【現地レポート】AIエージェントが開発を変える!「Google Cloud AI Agent Summit ’25 Fall」参加レポート

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1. はじめに

株式会社 MBK デジタルの古畑です。

2025年10月30日・31日にベルサール渋谷ガーデンで開催された「Google Cloud AI Agent Summit ’25 Fall」に現地参加してきました!
これまでの生成AIイベントとは一線を画す、「AIエージェント」という次世代の波を肌で感じることができ、エンジニアとして非常に興奮する2日間でした。

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弊社(MBKデジタル)は、こうした最新技術のキャッチアップを会社として積極的に支援するカルチャーがあります。
今回も業務として、2日間のイベントにどっぷりと参加させていただきました。

本記事では、開発者目線で特に「これは熱い!」と感じたセッションのハイライトと、イベント全体から感じた「AIエージェント駆動開発」の未来についてレポートします。

2. 基調講演ハイライト:AIが「実行者」になる衝撃

今回のイベントでGoogleが明確に打ち出してきたのは、AIが単なる「相談相手(チャットボット)」から、「自律的な実行者(エージェント)」へと進化しているという事実です。

それを象徴していたのが、Day1の基調講演で発表された、TBS日曜劇場『VIVANT』続編(2026年放送予定)での活用事例です。
なんと、Googleの最新動画生成AI「Veo 3」を使い、AIが生成した映像を本編で(!)使用するとのこと。

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さらに、関西テレビの過去ドラマの「失われた映像」をVeoで復元するというプロジェクトも発表されました。
これまでのAI活用が「RAGで社内文書を検索する」「コードを生成(サジェスト)する」といった支援的な役割だったのに対し、ついにAIが「映像作品という最終成果物」そのものを生み出すフェーズに入ったのかと、会場で鳥肌が立ちました。

これは、我々エンジニアの仕事にも直結します。 AIが”指示待ち”から”自律実行”に移ったとき、私たちの開発プロセスはどう変わるのか?
特にDay2は、その答えを探すセッションが目白押しでした。

3. 筆者が特に注目したセッション/テーマ

Day1・Day2ともに、AIエージェントを「いかに構築し、運用するか」という、非常に濃密なセッションが続きました。
ここでは、私が特に衝撃を受けた3つのトピックをご紹介します。

3.1. OSSからPaaSへ:BLUEISH社に学ぶ「AI Agent Engine × ADK」移行の現実解

AIエージェント開発に携わるエンジニアにとって、最もリアルな課題が詰まったセッションでした。

AIエージェント、特に複数のエージェントが協調する「マルチエージェント設計」は、OSSのLangGraphなどを使えば柔軟に構築できます。
しかし、その反面、状態管理やエラーハンドリング、エージェント間の連携をすべて自前で実装・運用するのは非常に複雑で、運用負荷が課題になりがちです。

このセッションでは、BLUEISH社がOSSで構築したプロトタイプを、Google Cloudのマネージドサービスである「Agent Engine」と「ADK (Agent Development Kit)」に移行した、具体的な知見が共有されました。
ADKがオーケストレーションや高度な情報収集といった複雑な部分を吸収してくれるため、開発者はエージェントの「ビジネスロジック」そのものに集中できるようになった、という話は非常に説得力がありました。

この「技術選定」のトピックは、個人的に深く頷く部分でした。

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弊社では、技術選定はトップダウンではなく、現場のエンジニアが主体となって行います。
「この課題にはOSSの柔軟性が最適」「ここは長期的な運用負荷を考えてPaaSで」といった議論は、私たちにとって日常茶飯事です。

今回の事例は、まさにそうした技術選定の議論に厚みを持たせてくれる内容でした。
OSSで素早くPoCを回し、本番運用が見えた段階でPaaSのマネージドサービスに移行する、という流れは、自ら考え、議論し、最適な技術を選び取りたいエンジニアにとって、非常に共感できる開発スタイルではないでしょうか。

3.2. 「データ エージェント」が分析を変える:大阪ガスが挑むデータ民主化とガバナンス

続いては、大阪ガスによる「データ分析におけるAIエージェント変革」のセッションです。 AIエージェントを具体的なビジネス課題、特に「データ活用」にどう適用するかの先進事例でした。

データ分析の現場では、「データはあるが、専門家でないと活用できない」「SQLを書ける人がボトルネックになっている」という課題が常にあります。

大阪ガスの取り組みは、AIエージェントがその間を埋めるというものです。
専門家でなくとも、自然言語で「問い」を投げかけるだけで、AIエージェントが自律的にデータを探索・分析し、ビジネス上の「インサイト」を導き出してくれるというもの。

ただし、セッションで強調されていたのは「ガバナンスとの両立」です。
誰でも自由にデータに触れるようになると、セキュリティや権限管理が課題になります。
AIエージェントがそのガバナンスを理解し、ルールに基づいて動作することの重要性が語られました。

この「技術とビジネス課題の両立」こそ、私たちが追求している価値そのものです。

ミッション

弊社は「データとAIの力で志をカタチに。」することをミッションに掲げています。
エンジニアが単に技術を追うだけでなく、クライアントの「志」に寄り添い、データとAIの力で「世の中に価値を具現化させていく」ためにあります。

大阪ガスの事例は、まさしく技術的な挑戦(AIエージェント)とビジネス価値(ガバナンスの両立)を同時に実現するものであり、我々が目指す姿の一つでした。

3.3. Day2の核心:「AI Agent 駆動開発」とエンジニアの未来

特定のセッションというより、Day2全体を貫く最大のテーマが「AI Agent 駆動開発(AI Agent-driven Development)」でした。
これは、我々エンジニアの働き方が根本から変わる可能性を示すものです。

これまでの開発では、AIは「コード補完」や「テストコード生成」といった局所的なサポート役でした。
しかし「AIエージェント駆動開発」では、AIが開発プロセス(SDLC)全体に組み込まれます。

セッションで示された未来像は、以下のようなものでした。

  • 要件定義: PMが曖昧な要求を投げると、AIエージェントが「このケースはどうしますか?」と仕様を深掘りし、ドキュメントを生成する。
  • 設計・実装: AIがコードを生成するだけでなく、複数の設計パターンを提案し、そのトレードオフを開発者と「議論」する。
  • テスト・デプロイ: 自律的にテストケースを網羅的に生成・実行し、脆弱性を検知・修正。本番環境へのデプロイプロセスまでを管理する。

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もはやAIは「ツール」ではなく、チームの一員、すなわち「開発パートナー」です。
こうした未来において、エンジニアの役割は「コードを書く人」から、「AIエージェントを監督・指揮し、より高度なアーキテクチャ設計やビジネス課題の解決に集中する人」へとシフトしていきます。

この「エンジニアの役割のシフト」は、弊社にとって恐怖ではなく、むしろ「追い風」です。

ビジョン

なぜなら、MBKデジタルは創業以来「AI FIRST」の行動指針を掲げ、エンジニアが単なる「コーダー」に留まらず、AI技術を駆使して「クライアントの意思決定を進化させる」(=ビジネス課題の解決や高度な設計)ことを最も重視してきたからです。

AIエージェントが定型的な実装を担ってくれる未来は、私たちがより本質的な価値(アーキテクチャ設計やクライアントへの提案)に集中できる未来でもあります。
新しい技術の波にワクワクし、「コーディング」の先にあるスキルを身につけたいエンジニアにとって、とても良い環境であると改めて感じました。

4. まとめ

「Google Cloud AI Agent Summit ’25 Fall」は、AIが単なる「便利なツール」から、自律的にタスクを実行する「開発パートナー」へと進化する、まさに歴史的な転換点を体感する2日間でした。

AIが人間の能力を拡張し、開発プロセスそのものを変革していく。
そんな未来を前に、エンジニアの役割は確実に変わっていきます。

私たちMBKデジタルは、この変化を「エンジニアが、より本質的な課題解決に集中できる絶好のチャンス」だと捉えています。

AIに任せられる仕事は「AI FIRST」で積極的に任せる。
それによって生まれた時間で、エンジニアは「AIエージェントをどう設計するか」「どの技術を選定し、どうクライアントの意思決定を進化させるか」といった、より高度でクリエイティブな領域に挑む。
今回のイベントのような最新の知見も、「ACT WITH SPEED」の精神で即座に社内で共有し、議論し、現実のプロジェクトで試していく。

こうした環境が、MBKデジタルにはあります。 (今回のイベント参加も、そのためのインプットを会社が全面的にバックアップしてくれているからこそ実現しました)

もしあなたが、

  • AIという最強の「パートナー」と共に働きたい
  • 「コードを書く」ことの、さらにその先にある「本質的な課題解決」に挑戦したい
  • 技術選定の議論から参加し、スピード感のある環境で実装までやり切りたい

と考えるなら、MBKデジタルは最高の環境だと自負しています。

AIエージェントと共に、未来の開発プロセスを一緒に創っていきませんか?
私たちと、少しでも「ワクワク」が重なる部分があれば、ぜひ一度カジュアルにお話ししましょう。

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