【超初心者向け】Looker超入門【勉強法】
1. はじめに
株式会社 Hogetic Labの古畑です。
今回は、Googleが提供するBIツール「Looker」についてお話しします。
Looker は、一般的な BI ツール以上の機能を持っており、現在、多くの企業で利用されているツールの一つです。
しかし、Looker に関する日本語での情報が少なく、どのように勉強すればよいのかわからないという声をよく耳にします。
そこで本記事では、Looker をまだ使ったことがない方に向けて、初心者向けの勉強法を紹介します。
筆者経歴
- 文系学部卒。前職でビジネス職として入社後、データアナリストに転向
- 前職の業務で初めて Looker に触れ、現在は Looker のコンサルや実装を担当
- Looker の実装に関連する、Google Cloud 認定資格を複数個所持
- Professional Data Engineer
- Professional Machine Learning Engineer など
- Looker 実装のアンチパターンをテーマに Google 主催のイベントで登壇経験あり
2. データ活用の重要性とLookerの概要・特徴
データ活用の重要性
そもそも、なぜ Looker を学ぶ必要があるのでしょうか?
現代のビジネスにおいて、データは「新しい石油」と言われています。膨大なデータの中には、事業の成長や改善につながる貴重なインサイトが隠されています。
それをどう効果的に活用できるかが、企業の競争力を左右します。
たとえば、顧客の購買行動を分析することで、最適なタイミングでサービスを提供できるようになったり、社内データを活用してプロセス改善やコスト削減の機会を見つけたりできます。
しかし、データを集めるだけでは不十分です。重要なのは、データをどう分析し、意思決定に結びつけるかです。
その役割を果たすのが BI(ビジネスインテリジェンス)ツール です。BI ツールを使えば、複雑なデータも視覚的に理解しやすい形で提供され、迅速かつ効果的な意思決定をサポートします。特に Looker は使いやすさと強力な分析機能を持つツールとして、多くの企業で導入されています。
Lookerの概要
Looker は、Google が提供する BI ツールで、データの可視化や分析をサポートします。
Looker の最大の特徴は、誰でも簡単にデータにアクセスし、分析できる点です。
データ分析の専門知識がなくても、直感的な操作でダッシュボードやレポートを作成でき、迅速な意思決定が可能になります。
BIツールの選択肢
BIツールには多くの選択肢があり、Googleが提供するツールには、ここまで説明してきたLookerに加え、Looker Studioというものも存在します。
Lookerは、データエンジニアやアナリスト向けの強力なデータモデリング機能を備えています。
LookMLという専用言語を使用することで、データを一元管理し、複雑なビジネスロジックも柔軟に対応できます。
これにより、企業全体で一貫性のあるデータ分析が可能となり、より高度な意思決定をサポートします。
特に、大規模なデータを効率よく扱う能力や、カスタマイズ性の高さが他のツールに対する大きなアドバンテージです。
一方で、Looker Studioは、レポーティングや可視化に特化した軽量なBIツールです。
非技術者でも直感的に操作できるため、簡単に視覚的なレポートやダッシュボードを作成できるのが特徴です。
その他のBIツール、例えばTableauやPower BIも人気ですが、Lookerのようにデータモデリングと高度なカスタマイズを一貫して提供するツールは少ないです。
特にデータの一元管理とチーム間の連携において、Lookerは優位性を持っています。
3. Lookerを始めるための基本ステップ
Looker は初心者でもすぐに使い始められるツールですが、効率的に学ぶためにはいくつかのポイントがあります。
以下のステップに従って、Looker を最大限活用しましょう。
Step 1: 自分の目的を明確にする
まず最初に、Looker を使って何を達成したいのかという目的を明確にしましょう。
Looker では多様なデータ分析が可能ですが、何をしたいのかがはっきりしないと、初めは迷ってしまうかもしれません。
例えば、次のような目的が考えられます:
- 売上データを分析して、今後の販売戦略を策定したい
- 顧客の購買履歴から、顧客の傾向を理解したい
- チームメンバーとリアルタイムで共有できるダッシュボードを作成したい
目的が明確であれば、必要なデータ抽出やレポート作成が効率的に進みます。
Step 2: Lookerを触ってみる
次に、実際に Looker を操作してみましょう。
Looker にはトライアル版やデモ環境が用意されているので、気軽に試せます。
こちらはGoogleのアカウントさえあれば、無料で利用することができます。
まずはダッシュボードの作成やデータのフィルタリングなど、基本的な機能に慣れることから始めましょう。
ダッシュボードを作成してみる
Looker では、ドラッグ&ドロップで簡単にダッシュボードが作成できます。
手元のデータを使って、視覚的に情報を整理してみましょう。
フィルター機能を使ってみる
Looker のフィルター機能を使えば、必要なデータを瞬時に絞り込むことができます。
期間や地域、カテゴリごとのデータを抽出して、迅速にインサイトを得ることができます。
Step 3: 体系的に知識を身につける
Lookerを実際に触って基本操作に慣れてきたら、次に重要なのは体系的に知識を身につけることです。
ツールの基本的な使い方だけでなく、より深い機能や活用法を知ることで、Lookerを最大限に活用できるようになります。
ここでは、効率的に学習を進めるための2つの方法を紹介します。
書籍を読む
Lookerの基本や応用をしっかり理解したい場合、書籍を読むことが非常に有効です。
Looker関連の書籍は現在非常に少なく、日本語化されたものはこちらが唯一かと思います。
引用元:NRIネットコム
画面のキャプチャやステップバイステップの解説が豊富で、実際に手を動かしながら学ぶことができます。
一方、UIデザインの更新や最新機能の情報は自分で手に入れる必要があります。
公式のオンラインコースに取り組む
もう一つの方法として、Lookerの使い方を体系的に学べるオンラインコースに参加することもおすすめです。
オンライン学習プラットフォームでは、Lookerを基礎から学べるコースが用意されており、スケジュールに合わせて自分のペースで学習を進められます。
こちらはGoogleのアカウントさえあれば、無料で利用することができます。
Lookerの基本的な操作からデータモデリング、LookMLの活用方法まで、しっかりとしたカリキュラムが組まれています。
また、実際にLookerを使った課題に取り組みながらスキルを磨くことができるため、より実践的な学習が可能です。
4. Lookerの学習を効率化するコツ
Lookerは非常に強力かつ柔軟なツールですが、効率的に学習を進めるためには、いくつかのコツを押さえることが大切です。
ここでは、Lookerのスキルを無理なく習得し、ビジネスに活かすためのポイントを紹介します。
自分のペースで進める
新しいツールを学ぶ際、一度にすべてを理解しようとすると、かえって挫折しやすくなります。
Lookerも同様で、まずは基本的な操作や使い方を少しずつ覚えていくことが重要です。
例えば、最初は簡単なダッシュボードの作成やフィルタリング機能を試し、次第に高度な機能に挑戦していくという流れが理想です。
また、実際に自分の業務にLookerを組み込むことで、日常の中で自然とスキルが磨かれます。
たとえば、週に1度Lookerを使ってチームに共有するレポートを作成するなど、日々の仕事の中でLookerを活用する機会を増やすことで、効率的に学習を進めることができます。
小さな成功体験を積み重ねる
学習モチベーションを保つためには、小さな成功体験を積み重ねることが重要です。
例えば、最初は小さなデータセットを使って簡単なレポートやグラフを作成してみましょう。
「できた!」という感覚を得ることで、次のステップに進む意欲が湧いてきます。
Lookerでは、ユーザーが最初から大規模な分析に挑戦する必要はありません。
まずは基本的なダッシュボードやフィルターを使って、徐々に複雑なクエリやカスタムビジュアライゼーションに進んでいくことで、無理なくスキルを磨くことができます。
コミュニティやリソースを活用する
Lookerを学ぶ際には、コミュニティやドキュメントを活用することも効率化の鍵となります。
Lookerは多くのユーザーや専門家が活発に情報を共有しているため、困ったことがあればコミュニティで質問したり、他のユーザーの解決策を参考にしたりすることができます。
また、Looker公式のドキュメントやチュートリアルは非常に充実しており、具体的な使い方から応用まで幅広い情報が提供されています。
特に公式サイトには、初心者向けのガイドや実践的なケーススタディもあるので、積極的に活用しましょう。
実際の業務データで学ぶ
学習を効率的に進めるためには、実際の業務データを使ってLookerを試すことが効果的です。
実際に自分が日常的に扱うデータを使うことで、よりリアルな課題を解決しながら学習を進められます。
自分の業務に関連するデータを用いることで、Lookerの機能がどのように役立つかを実感しやすくなり、学びも深まります。
Lookerを効率よく学ぶためには、焦らず、自分のペースで学習を進めることが重要です。
小さな成功体験を重ねながら、実際の業務に適用していくことで、着実にスキルを身につけることができるでしょう。
コミュニティや公式リソースも活用しつつ、Lookerを使ったデータ活用の可能性を広げていきましょう。
5. まとめ
Lookerは、データを誰でも簡単に活用できる強力なBIツールです。
特に、データの可視化や分析を効率的に行うことで、ビジネス上の意思決定をスピードアップし、より的確な判断が可能となります。
初心者の方でも、今回ご紹介したステップに沿って進めることで、短期間でLookerの基本を習得し、実務で活用できるようになるはずです。
最初は難しく感じるかもしれませんが、実際に手を動かしながらダッシュボードの作成やフィルター機能の利用を通じて学ぶことで、理解が深まっていきます。
そして、Lookerを使いこなすことで、データを最大限に活用し、ビジネスに新たなインサイトをもたらすことができるようになるでしょう。
最後に宣伝ですが、株式会社Hogetic Labでは、Lookerの導入から運用までトータルでサポートしています。
豊富な経験と知識を持ち、企業がLookerを活用してデータドリブンな意思決定を行えるよう支援しています。
Lookerの導入やコンサルティングにご興味がある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
また、データアナリストやデータエンジニアをはじめ、各ポジションでの採用も行っていますので、そちらもぜひご確認ください。
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