スクラムマスターからプロダクトマネージャーへ役割が変わって気づいたこと
はじめに
こんにちは。フロントエンド・バックエンドエンジニアをしています。前回の記事では、新サービスの仮説検証フェーズでスクラムを実践した経験について共有しました。
私は最近、所属するプロジェクトでスクラムマスターからプロダクトマネージャーへと役割が変わることになりました。両方の役割を経験する中で、多くの気づきがあったため、今回はその内容を共有したいと思います。
スクラムマスターとプロダクトマネージャーはどちらもプロダクト開発における重要な役割ですが、それぞれの責務は大きく異なります。スクラムマスターはプロセスの改善とチームの成長をサポートし、プロダクトマネージャーはプロダクトの方向性と顧客価値の最大化を担当します。二つの役割を担当することで感じた事を書いていきます。
スクラムマスターとしての経験
プロセスの構築・改善
今年の1月から4月まで、初めてスクラムマスターとして仕事をしていました。会社としてもスクラムは初めての取り組みで、まずはプロセスを構築することに注力しました。
- 自らのスクラムの理解、チームのスクラムの理解を深めるための勉強会の実施
- スクラムイベントの設定
- スクラムイベントの進行・改善
ただ、最初は教科書通りにスクラムを実践しようという意識がかなり強く、サービス開発を初めていない仮説検証の段階にもかかわらずプロダクトバックログなどを作ろうとするなど不要な作業が多くなり、プロセスが形骸化してしまいました。
スクラムに限った話ではありませんが、やはり本来の目的や主旨を理解した上で、それを実践することが大切だと思います。
チームへのアジャイルの考え方の普及
組織としてもめてスクラムを導入したのもあり、当初はメンバー間でアジャイルの本来の考え方が浸透しておらず、レトロスペクティブで改善点を募集しても意見の根本がずれていたりすることがありました。
そのため、まずは自分がアジャイルサムライなどの書籍を読んで、チームに考え方を普及して行くことに注力しました。
週次で勉強会を開催し、アジャイルの考え方、スクラムのプラクティスの根本を理解してもらうことを心がけました。
プロダクトマネージャーとしての新たな視点
顧客価値への集中
プロダクトマネージャーを担当し始めて1ヶ月も経っておらず、まだまだ勉強中ではありますが、
スクラムマスターとは視点が大きく違うと感じています。
スクラムマスターはプロセスの改善とチームの成長をサポートする立場でしたが、プロダクトマネージャーはプロダクトの方向性と顧客価値の最大化を担当します。
まだサービス開発前の仮説検証の段階ではありますが、対象のドメイン知識や洞察力、ステークホルダーとのコミュニケーションなど、やはりスクラムマスターと比べると顧客を意識した活動が圧倒的に多いように感じています。
意思決定の責任
もう一つの大きな違いは、意思決定の責任の重さです。仮説検証においても、どのようなターゲットユーザーを想定し、どのような価値を提供するのか、などの仮説を検討し、前に進めていくのは主にプロダクトマネージャーの仕事です。
そもそも仮説の正しさをある程度実証できないとMVP開発などの先のフェーズにも進むことができないため、なかなかプレッシャーを感じながら仕事をしています。
両方の経験から見えたもの
プロセスと製品の結びつき
スクラムマスターとプロダクトマネージャー、両方の勉強を行なって感じたのは、「プロセスと製品は不可分である」ということです。
良いプロセスがなければ良いサービスは生まれません。同時に、明確なビジョンがなければ、どんなに洗練されたプロセスも意味をなしません。この二つの要素が互いに補完し合うことで、初めてユーザーに価値を届けることができるのだと気づきを得ることができました。
コミュニケーション力の重要性
両方の役割を経験して、改めてコミュニケーション力の重要性を認識しました。スクラムマスターとしてはチーム内のコミュニケーションを促進し、プロダクトマネージャーとしては社内外の様々なステークホルダーとコミュニケーションを取ります。
まだ経験が浅い中でも感じているのは、コミュニケーション力の中でもとりわけ自身の影響力を高めることが大切だということです。
特にスクラムマスターではサーバントリーダーシップが必要とされることが多いですが、プロダクトマネージャーも、ステークホルダーとの調整などのシーンでは自分の影響力を高めることでよりスムーズに進めることができると感じています。
今後
プロダクトマネージャーに役割が変わったわけではありますが、スクラムの勉強で学んだサーバーとリーダーシップや、コミュニケーションなどのノウハウはプロダクトマネージャーとしても大いに役立つと思います。
まだまだわからないことだらけで勉強中ではありますが、プロダクトマネジメントだけでなくスクラムの勉強も並行して行うことで、
仮説検証を進めていきたいと思います。
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