UI UX Camp!2025 感想
ニジボックスさん主催のUI UX Camp!2025を視聴しました。
気になった講演の感想を記載します。
講演の詳細について、一応視聴中に書いてたメモを各項目のトグルに記載していますが、あくまでメモですので散文になっています。
詳細が気になられた方は、アーカイブや他の方のレポをご確認いただけますと幸いです。
ナビゲーターの西村さんの記事とか詳細で参考になるかと思います。
気になった講演
UXのこれまで、現在、そしてこれから - ヤコブ・ニールセン
視聴中のメモ
UXはUIが作る
UIとUXは相互作用して作られる
将来実装はAIが全部自動でやってしまう
良いUIの判断は人間が行う
AIでより良くなっていく
AIエージェントがwebサイトを使っていくようになる
AIを使ってみよう
ソフトスキルが重要になってくる
紹介用の動画もある
AIはメディアを変換できるので、ユーザーのレベルに合わせて適切なUIができる
ユーザビリティの10原則で著名なヤコブさんの講演でした。
まさかのAIの話になってとても驚きました。
AIの話をすること自体驚きでしたが、かなり前向きに捉えられており、流石だな思いました。
世界中で愛されるUXをデザインするために大切なこと 〜『ポケモンGO』の体験設計に学ぶ普遍的な価値創出〜 - Niantic 石塚 尚之
視聴中のメモ
言語不要で世界共通で使えるデザインを作りたい
世界を見るとアイコン(図解)だけでは解釈が分かれてしまう
↪︎アイコンにはラベルを必ずつける
google mapを作ってた経験を紹介
世界基準でFBとブラッシュアップが行われる
ナイアンティックの話
ポケモンGOは行く予定の無かった場所に人を動かすことができる
現実とデジタルの融合に興味を惹かれた
世界中で愛されるUXデザインの作り方
世界中の人々が共感できる普遍的な価値を見つけ、
みんなが同じ気持ちで体験できるように作り上げる
ポケモンGOで大切にしてること
- シンプルさを保つ
- 画面を見なくても操作できる
- 気持ちをデザインする
- 世界で使われることをいつも考える
- 身体の制限の中で挑戦と満足感を得られること
シンプルさを保つ
ゲームは要素が増え続けていくため、シンプルにするのは難しい
数年後を見据えてデザインする
気持ちをデザインする
人はコンピュータを人と同じように見てる
なので褒められると嬉しい
気持ちの中で褒めることを特に重要視する
ゲットの瞬間にさり気無く褒めてユーザーの自己肯定感を上げる
普遍的な価値
- 誰もが同じように感じられる価値
- 永続的な普遍の価値
ポケモンGOが10年後も20年後も楽しんでもらえるように考える
↓
今日のプレイが10年後にどんな価値を生み出すかを分析
↓ 分析した結果のポケモンGOの価値
いつどこで、誰と一緒に楽しみ
どんなポケモンを捕まえたか
↓
場所 + ポケモン + 一緒に遊ぶ人 = 思い出になる
これは世界中の人に通じるポケモンGOの普遍の価値
見てる人に伝えたいこと
サービスの普遍の価値を理解しよう
日本のデザイナーは世界で通用する
質疑応答
Q いろんなユーザー向けのサービスはどうやって作った?
ユースケースから作ることが多かった
Q 実際にリリースして10年くらい経ってどう?あと今から10年後どう?
当時は技術的にできないことが多かった
AIが発展してるけど使うのは人なので、気持ちの部分を汲み取れるUXデザイナーは今後も活躍する
Q 普遍的な価値を見つけるために具体的にどうした?
サービスの中で不変の部分を分析していった
Q ユーザーの気持ちはどうやって計測してる?
UXリサーチもしてる
実際に現場に見にいってプレイヤーと話してる
Q 社内で共有してる?
してるけど体験を重要視し、実際にユーザーのリアクションを体験してもらうことを推奨してる
百聞は一見にしかず
石塚さんは元GoogleでGoogleマップの開発に携わられていたらしく、Googleマップの開発時のエピソードから、世界中で使用されるサービスがどのように作られるかをご紹介いただきました。
出てくるエピソードが真に迫るというか、世界で通用するサービスって日本のものと常識から違い過ぎるんだなと、思わされる内容でした。
続けて、NianticでポケモンGOを制作した際、世界中の人に楽しんでもらえるよう、普遍的な価値を追求した、というお話がありました。
普遍的な価値を見つける方法として、「今日のプレイが10年後にどんな価値があるかを考える」、と仰られており、サービス作る上で自分も大事にしなきゃな〜と深く共感できました。
最後に、日本のデザイナーは世界に通用する、と締められてて、石塚さんの人柄の良さも伝わってくるとても良い講演でした。
Netflixのデザイナーが語る、グローバルで求められるデザインとは - Netflix 樋山 理紗、BCG X 花城 泰夢
視聴中のメモ
モーメント
キャプチャできる機能
追加予定のアイコンを本当に追加するべきか懸念があった
そのためユーザーリサーチと機能の再検討を推進
再検討してアイコンを変更
アイコンの位置を上から下に変更
キャプチャ保存後の表示の仕方も変更
工数は追加になったが、ユーザーのためになると強く説得して実装に至る
圧倒的インパクト
ヘルプページの改修
様々なカテゴリがあったヘルプページを、ひとつのテキストボックスのみに変更
ABテストでも評判が良かったため推進
カテゴリは廃止したわけでなく、スクロールで表示される
ユーザーインタビューも重ねた
Netflixは黒が基調だが、初めて白を基調にした
全社的に褒められたらしい
良いデザインは数字も変える
細部に宿るクオリティ
エラー画面の作成
1年で7回のABテスト
エラーの原因を探るため世界の家庭を調べた
エラーになった時の思考パターンを調べるため論文を6つ読んだメンバーが居た
人間がエラーに遭遇するとthinking fast(諦め思考)になる
エラーっぽくない画面でユーザーを落ち着かせ、対処法を示すように改修
シニアデザイナーのマインドセット
自身はどういうデザイナーなのか考えてる
メンバーごとにいろんな強みがある
自身はメンバーをまとめること(コラボレーション)が強みだと見てる
レイオフはある
早めにアラート上げるようにしてる
質疑応答
Q とりあえずやってみて、に勝てないのでどうすればいいか
諦めない
ユーザー理解に努める
チームにもユーザー理解をさせる
Q Netflix内でのデザイナーの扱いと、それに対して自身はどうしてる?
デザインはかなり重視されてる
デザイナーが組織編成までする場合もある
今まで経験した会社の中で一番デザイナーが強い
Netflixのモーメント機能、ヘルプページ、エラー画面の開発をどのように行なっていったかをご紹介いただきました。
かなりざっくり要約すると以下をやられてました。
- モーメント機能
- アイコンのデザインだけだったはずが機能自体刷新
- ヘルプページ
- 項目が多かったのをファーストビューでテキストフィールドのみに
- エラー画面
- ユーザーを落ち着かせて対処させるように
どれもかなり大胆な変更ですが、どの機能でもユーザーのことを第一に考え、やり通す樋山さんの発想と手腕に驚かされました。
また、何度もユーザーテストしたとのお話から、やっぱりユーザーの声を聴くというのが重要だと改めて思わされました。
ヘルプページなんですが、以前、FAQの参考ページを探してる時に拝見していました。
他のページと比較するとあまりにも洗練されすぎている上に、テキストボックスしかないシンプルさがNetflixらしさを感じ、目から鱗が出た覚えがあります。
どの機能も見た目で綺麗なのは勿論なんですが、ビジネス上の課題を美しく解決していることに、プロの仕事だと思わざるを得ませんでした。
AI時代におけるデザイナーの新たな役割 - THE GUILD 深津 貴之
視聴中のメモ
デザイナーはどうAI使ったほうがいい?
答えがある問題にリソースを割かなくていいよね
一般的な実装のフェーズはごっそり無くなる
手業が無くなることへの寂寥感とかない?
以前はフォントも自力で書いてたのが今では無くなったように、徐々に無くなっていくと思う
今後サービスのログイン画面とかも必要があれば自動生成されるようになるかも
UI全てが自動生成される可能性もある
今後、人間は前例が無い課題をやっていくことになると思う
怠惰の法則
似たプロダクトは怠惰な人に合うものが選ばれる
プロンプトエンジニアリングはマメな作業なので大衆化しないと予想
怠惰なAIの完成系は、問題が発生しないAI
ユーザーの様々な課題をAIが予測して先回りで対処する
例: 寝坊しやすいならアラームを事前にセットしておくなど
質疑応答
Q 企業は人を採るのか?
修行が必要なデスクワークは減っていく
AIに到達できないクリエイティブは淘汰される
Q 人がデザインできない時代になると困るのでは?
レタリングできなくても困らなかったので大丈夫ではと思う
今後人はより高度な課題を任されると思う
Q AIの出力を判断するための審美眼を養う方法は?
審美眼は手業を磨くことで磨かれる矛盾がある
打席を多く回すとトレーニングになると思う
補足
物理世界と絡んだサービスであれば、AIが代替しにくいので手業を守れるかも
冒頭から「今後、既に答えがある9割くらいの問題にはリソースを割かなくて良くなる」「一般的な実装はほぼ不要になる」などの刺激的なコメントからスタートし、終始ドキドキしてました。
AIと今後の予測についてあまりにも達観されてて、自分も受け入れ難いところがあったのですが、フォントを自力で書かれてた例を出されて少し納得できました。
まとめ
自分はエンジニアなのでAIの話を聴くことは多いのですが、まさかここでもAIの話がこんなに出るとは思いませんでした。
職能を問わず積極的にAIを活用していかないといけない時代なんだなと再認識しました。
そんな中でも、ユーザーを深く理解した上で、ユーザーにとって最も良いものを考える、というのは、まだまだAIに代替し難いところがあるのではと思います。
勉強になる会をありがとうございました!
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