🗂

raspi-configで非対話モードを使う

に公開

raspi-configは通常CUIから矢印キーを使って対話モードで操作しますが、非対話モードを使うと通常コマンドとして実行できます。

raspi-confignonint(非対話モード)で使用できるコマンドは、主に設定を変更する「Setters」、現在の設定値を取得する「Getters」、そしてその他の特定のタスクを実行するコマンドに大別できます。

以下に、ソースコード(raspi-configバージョン 20250707)に基づいたコマンドの一覧を示します。


設定の変更 (Setters)

コマンド 機能 引数 備考 (ハードウェア依存など)
do_hostname ホスト名を設定 <新しいホスト名>
do_boot_behaviour 起動時の動作と自動ログインを設定 B1: コンソールログイン
B2: コンソール自動ログイン
B3: デスクトップログイン
B4: デスクトップ自動ログイン
do_boot_target 起動先 (CLI/GUI) を設定 B1/B2 do_boot_behaviour の一部
do_autologin 自動ログインを設定 1/2/3 do_boot_behaviour の一部
do_boot_splash 起動スプラッシュスクリーンを設定 0: 有効 (Yes)
1: 無効 (No)
do_overscan オーバースキャン補正を設定 (KMS無効時) 0: 有効 (Yes)
1: 無効 (No)
do_overscan_kms オーバースキャン補正を設定 (KMS有効時) <ディスプレイ番号> <0:有効, 1:無効>
do_blanking 画面ブランキングを設定 0: 有効 (Yes)
1: 無効 (No)
do_camera カメラインターフェースを設定 0: 有効 (Yes)
1: 無効 (No)
do_ssh SSHサーバーを設定 0: 有効 (Yes)
1: 無効 (No)
do_vnc VNCサーバーを設定 0: 有効 (Yes)
1: 無効 (No)
do_spi SPIインターフェースを設定 0: 有効 (Yes)
1: 無効 (No)
do_i2c I2Cインターフェースを設定 0: 有効 (Yes)
1: 無効 (No)
do_serial_hw シリアルポートのハードウェアを設定 0: 有効 (Yes)
1: 無効 (No)
do_serial_cons シリアルコンソールを設定 0: 有効 (Yes)
1: 無効 (No)
do_onewire 1-Wireインターフェースを設定 0: 有効 (Yes)
1: 無効 (No)
do_rgpio リモートGPIOアクセスを設定 0: 有効 (Yes)
1: 無効 (No)
do_overlayfs オーバーレイファイルシステムを設定 0: 有効 (Yes)
1: 無効 (No)
do_wifi_country Wi-Fiの国コードを設定 <国コード>
do_wifi_ssid_passphrase Wi-FiのSSIDとパスワードを設定 <SSID> [パスワード]
do_change_locale ロケールを設定 <ロケール>
do_change_timezone タイムゾーンを設定 <タイムゾーン>
do_configure_keyboard キーボードレイアウトを設定 <キーボードレイアウト>
do_wayland Wayland/X11バックエンドを設定 W1: X11
W2: Wayfire (Wayland)
W3: Labwc (Wayland)
do_audioconf オーディオ制御システムを設定 1: PulseAudio
2: Pipewire
do_boot_order 起動デバイスの優先順位を設定 B1: SDカード優先
B2: NVMe/USB優先
B3: ネットワーク優先
Pi 4以降
do_beta_mode ベータ版リポジトリの使用を設定 B1: 有効 (Beta)
B2: 無効 (Release)
do_browser デフォルトのウェブブラウザを設定 chromium または firefox
do_overclock CPUオーバークロックを設定 None/Modest Pi 1, 2 のみ
do_fan GPIOファン制御を設定 0/1 [GPIOピン] [温度] Pi 4 のみ
do_pci PCIe Gen 3 を設定 0(有効)/1(無効) Pi 5 のみ
do_usb_current USB電流リミットを設定 0(無効)/1(有効) Pi 3以前
do_pi4video 4Kp60 HDMI出力を設定 0(有効)/1(無効) Pi 4 のみ
do_composite コンポジットビデオ出力を設定 0(有効)/1(無効) アナログ出力を持つモデル
do_leds 電源LEDの動作を設定 0(アクティビティ)/1(点灯) Pi Zero等を除く
do_network_install_ui 起動時ネットワークインストールUI表示を設定 B1(常時)/B2(要求時) Pi 4以降
do_libliftoff libliftoffハードウェアオーバーレイを設定 L1(無効)/L2(有効) Wayland環境
do_power_off_on_halt シャットダウン時の電源動作を設定 B1(フルパワーオフ)/B2(スリープ) Pi 4, 5
do_boot_rom 起動EEPROMバージョンを設定 E1(最新)/E2(デフォルト) Pi 4以降
do_net_names 予測可能なネットワークインターフェース名を設定 0(有効)/1(無効)
do_audio オーディオ出力先を設定 0/1/2 またはカード番号
do_resolution 画面解像度を設定 (KMS無効時) <グループ> <モード>
do_vnc_resolution VNCの解像度を設定 <解像度 (例: 1280x720)>
do_proxy プロキシサーバーを設定 <スキーム> [アドレス] all, http, no など
do_squeekboard スクリーンキーボードを設定 S1/S2/S3 Wayland環境
do_squeek_output スクリーンキーボードの表示先モニタを設定 <モニタ名> Wayland環境

設定値の取得 (Getters)

これらのコマンドは現在の設定値を取得し、標準出力に結果を返します。多くは 0(有効/Yes)または 1(無効/No)を返します。

コマンド 機能 戻り値の例
get_hostname 現在のホスト名を取得します。 raspberrypi
get_boot_cli 起動先がCLIかGUIかを取得します。 0: CLI
1: GUI
get_autologin 現在の起動先での自動ログイン設定を取得します。 0: 有効
1: 無効
get_boot_splash 起動時スプラッシュスクリーンの状態を取得します。 0: 有効
1: 無効
get_overscan オーバースキャン補正の状態を取得します。 0: 有効
1: 無効
get_blanking 画面ブランキングの状態を取得します。 0: 有効
1: 無効
get_camera カメラの状態を取得します。 0: 有効
1: 無効
get_ssh SSHの状態を取得します。 0: 有効
1: 無効
get_vnc VNCの状態を取得します。 0: 有効
1: 無効
get_spi SPIの状態を取得します。 0: 有効
1: 無効
get_i2c I2Cの状態を取得します。 0: 有効
1: 無効
get_serial_hw シリアルポートハードウェアの状態を取得します。 0: 有効
1: 無効
get_serial_cons シリアルコンソールの状態を取得します。 0: 有効
1: 無効
get_onewire 1-Wireインターフェースの状態を取得します。 0: 有効
1: 無効
get_rgpio リモートGPIOの状態を取得します。 0: 有効
1: 無効
get_overlay_now オーバーレイファイルシステムが現在有効か取得します。 0: 有効
1: 無効
get_wifi_country Wi-Fiの国コードを取得します。 JP
get_can_expand ルートファイルシステムが拡張可能か確認します。 0: 拡張可能
1: 拡張不可
get_browser デフォルトのウェブブラウザを取得します。 firefox

その他のコマンド

コマンド 機能
do_expand_rootfs ルートファイルシステムをSDカードの最大サイズまで拡張します。
do_update raspi-configツール自体を最新バージョンに更新します。
do_apply_os_config NOOBSから渡されたos_config.jsonに基づいて初期設定を適用します。

Discussion