Next.jsでのES6とCommonJSの互換性問題
Next.jsで開発を進める際に、ES6モジュールとCommonJSモジュールの互換性問題に直面することがあります。この問題が発生すると、コードが正しく動作せず、エラーが発生することがあります。この記事では、その原因と解決方法を分かりやすく解説します。
原因
JavaScriptには主に2つのモジュールシステムがあります。
- ES6モジュール
import
とexport
を使用 - CommonJSモジュール
require
とmodule.exports
を使用
想像してください。あなたの家には2台のテレビがあります。1台は新しいスマートテレビ(ES6モジュール)で、もう1台は古いテレビ(CommonJSモジュール)です。スマートテレビは専用のリモコン(import/export)で操作しますが、古いテレビは汎用リモコン(require/module.exports)で操作します。
もし、スマートテレビの専用リモコンを古いテレビで使おうとすると、テレビが反応しないので「このリモコンは使えません」と言われます。同様に、ES6モジュールをCommonJSモジュールとしてインポートしようとすると、エラーが発生します。
問題の例
例えば、CommonJSモジュールをES6モジュールとしてインポートしようとすると、以下のようなエラーが発生します。
import someCommonJsModule from 'some-common-js-module';
// エラー:
// SyntaxError: The requested module 'some-common-js-module' does not provide an export named 'default'
これは、専用リモコン(import)を古いテレビ(CommonJSモジュール)で使おうとしたときに起きる問題と同じです。
解決方法
この互換性問題を解決するための3つの方法を紹介します。
esModuleInterop
を有効にする
1. 専用リモコンを汎用リモコンとして使えるようにする方法です。tsconfig.json
ファイルでesModuleInterop
を有効にすることで、CommonJSモジュールをES6モジュールのようにインポートできます。
{
"compilerOptions": {
"esModuleInterop": true,
"allowSyntheticDefaultImports": true
}
}
これにより、次のようにインポートすることができます。
import someCommonJsModule from 'some-common-js-module';
require
を使用する
2. 汎用リモコンをそのまま使う方法です。TypeScriptファイル内で直接require
を使用してCommonJSモジュールをインポートします。
const someCommonJsModule = require('some-common-js-module');
next.config.js
でトランスパイルを設定する
3. 古いテレビをスマートテレビのリモコンでも操作できるようにする方法です。Next.jsの設定ファイルnext.config.js
で特定のパッケージをトランスパイルするように設定します。
(私はこの方法で解決しました。)
-
next-transpile-modules
パッケージをインストール
npm install next-transpile-modules
-
next.config.js
を以下のように設定
const withTM = require('next-transpile-modules')(['some-common-js-module']);
module.exports = withTM({
// 他のNext.jsの設定
});
まとめ
Next.jsでES6モジュールとCommonJSモジュールの互換性問題を解決するには、以下の3つの方法があります。
-
tsconfig.json
でesModuleInterop
を有効にする - TypeScriptファイル内で
require
を使用する -
next.config.js
でトランスパイルを設定する
誤った情報があれば、コメントでご指摘いただけるとありがたいです。
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