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何が「アウトプット」を阻害するのか

2020/09/28に公開

皆様こんにちは、ひよこ大佐です。

技術書典9で「ひよこと学ぶ ITエンジニアのための インプット・アウトプット エッセンシャルガイド」という本を販売しました。たくさんご購入いただき反響をいただいていますが、今回はアウトプットを阻害する要因について掘り下げてみようと思います。

なぜアウトプットできないのか

技術書や面白い技術ブログを読んで、「自分もアウトプットしたい!」と思うITエンジニアの方は多数いらっしゃいますが、多くの方は同時に「でも時間もないし、アウトプットするような内容もないし」と二の足を踏んでしまう方が大多数なのではないでしょうか。

アウトプットすることの重要性は多くの自己啓発本やブログ、記事で取りあげられていて十分に周知されていますが、それを実行に移すのは本当に大変です。今回は、どうしてアウトプットがすんなりできないのか、その理由を考えてみましょう。

そもそもアウトプットは面倒くさい

まず最初に断っておくと、「アウトプット」という行為は相当な労力がかかるものです。これは「書き慣れているか」どうかということとは全く関係なく、面倒くさいものなのです。ある程度まとまった時間を割いて文章を書き、検証し、推敲し、公開にこぎつけるのは簡単なことではありません。

特に最初から技術書や大きなトピックを扱うブログ記事のような「まとまった」アウトプットをしようとすると、とんでもない労力がかかります。Twitterでのつぶやきはサクサクできるのに、ブログは長続きしないという方も多いと思いますが、アウトプットの規模が大きくなればなるほど、比例して面倒くささも大きくなります

「どうしてもアウトプットができない」という方は、「まず小さなアウトプットからはじめる」ことを意識してみてはどうでしょうか。アウトプットの習慣をつけることができてからでも、大きなアウトプットに挑戦するのは遅くありません。まずは簡単にできるアウトプットからはじめましょう。

インプットが足りていない

絶対的な「インプット量が足りていない」ことが原因の場合もあります。人は無から何かを作り出したりアウトプットすることはできません。売れっ子の人気小説家であっても、それまでに触れた多くの名作、風景、経験、インスピレーションを受けたものから物語の着想を得ています。これは「パクリ」ではなく、創作や「アウトプットする」という行為は、別の受け取った情報を咀嚼し理解したうえで溜め込んだものを発散する行為にほかならないからです。

これはITエンジニアにおける「アウトプット」という行為にも当てはまります。知らない知識をアウトプットすることはできません。いくら水門を開け放っていても、雨が降らなければダムはやがて干からびてしまいます。アウトプットするためには、ダムにとっての「雨」のような「インプット」が絶対的に必要です。

「書く内容がどうしてもみつからない」という方は、「日々のインプット量は十分か」再確認してみてください。

批評を恐れてしまう

何かを表現したり発信すると、フィードバックを得ることができます。しかしそのすべてがポジティブなケースは稀で、批判されたり叩かれたりする場合もあります。間違いを指摘されて恥ずかしい思いをすることもあるでしょう。

しかし、「批評を恐れて発信しない」というのは本末転倒です。そもそもアウトプットという行為は「他人に対して知識をシェアする」という意味合いもありますが、自分自身の知識の整理や強化につながる行為ですから「自分」のためにもするべきことです。

批判的なフィードバックや間違いを指摘されるのはつらいものですが、そのすべてを真に受けて萎縮する必要はありません。間違いは間違いとして認め、反対意見は反対意見として「そういうふうに感じる人もいる」と一旦受け取ったうえで、「なぜ自分はアウトプットしているのか」という目的を再確認してみてください。もし批判的な意見にネガティブな感情をもってしまう場合は、「今はまだその意見を役に立てることはできない」と無視してしまうのも手です。あなたのアウトプットを待っている方も、好意的なフィードバックをくれる方も大勢います。

他人の意見や批評を過度に恐れるのはやめましょう。

既知の内容でも意味がある

「こんな内容みんな知ってるから書く意味がない」と諦めてしまう方もいます。しかし、前述したように「アウトプットは自分のためにもするべきこと」です。アウトプットすることで、自分の理解があやふやになっていないか整理できたり、アウトプットのために調べ直すことでより学習を強化することができます。

また、「自分の知っていることは他人も知っていて当然」という発想は危険です。これは「なんでこんなことも知らないの?」と他人を責める思考と同義です。

あなたが「こんなの知ってて当然」と思うような内容であっても、実はある人にはとても役に立つ内容だったということは往々にしてあります。「内容が簡単すぎるから」「色んな人がもう書いてるから」という発想はやめて、「自分の知識を再整理するためにもアウトプットする」という考え方に切り替えてみてはどうでしょうか。

最後に

インプットした内容をアウトプットして、ポジティブなフィードバックをもらえたときには本当に嬉しい気持ちになります。私も商業の技術書や雑誌への寄稿などをしていますが、こういった活動も日々の細かなアウトプットの積み重ねが経験となって、「より大きなアウトプット」につながっています。

最初に述べたように、アウトプットはそもそも面倒くさいものです。それは私も変わりません。この記事だって「めんどくさいなぁ」という気持ちと戦いながら書いています。しかし同時にとても楽しく集中して取り組める行為でもあります。

ぜひ壁を乗り越えて、あなたの知識・想い・経験をアウトプットしてみてください。この記事があなたのアウトプットの一歩を踏み出すための後押しになれば、これに勝る喜びはありません。

そしてもし、この記事がいいなぁと思った方は、コメントでのフィードバックやLike、サポートをいただけると私のモチベーションにもつながります。みんなでアウトプットの輪をひろげましょう!

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