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個人環境で格安のSentinel Data lake 使っていると思ったら、50万課金されてしまった話

に公開

この記事は、Microsoft Sentinelのデータレイク機能を検証していたところ、予想外の50万円の課金が発生してしまった体験談です。まず最初にお伝えしたいのは、このトラブルが私のドキュメントの読み飛ばし・理解不足・勘違いに起因するものだということです。

正直なところ、自分の浅はかさを世間に晒すことになるので公開するかを悩みました。一応、マイクロソフト製品を専門とするお仕事をしていたりするので、クラウド1年目のようなミスは恥ずかしい限りです。

加えて、待望のデータレイク機能のミスリードにも繋がリマス。SNSには親をマイクロソフト社に殺されたかのように片っ端から非難する人がいるので、そういった方達に変な切り取られ方をしないかは心配です。

しかし、同じような誤解から高額な課金を受けてしまう方が出ないよう、記事を書かせていただきます。ポエミーになってしまいましたが、特にMicrosoft Sentinelのデータレイク機能を検証される方には、ぜひ最後まで読んでいただければと思います。

何が起きたのか

パブリックプレビューとして登場していた、Microsoft Sentinelのデータレイクの機能を検証していました。

https://zenn.dev/hirotomotaguchi/articles/202508_microsoft-sentinel-data-lake

2025年8月下旬、Azure の課金画面を確認したところ、Sentinelリソースで約50万円という異常な金額の課金が発生していることを発見しました。

私の認識では:

  • 90日間で90MB程度のデータしか取り込んでいない
  • 特に大きな作業は実施していない
  • データレイクのプレビュー期間中で、30日間の無料ストレージが含まれているはず

この状況では到底50万円もの課金が発生するとは思えず、すぐにMicrosoftサポートに問い合わせを行いました。

課金の真の原因

私が行った操作

私は「最近パブリックプレビューで登場したデータレイクにデータを取り込みそれを分析に利用する検証」を実施していました。具体的にはDefender ポータル > [Microsoft Sentinel] > [Data lake exploration] > [Search & restore] から復元操作を行っていました。

私の勘違いポイント

ここに大きな勘違いがありました。私は以下のように思い込んでいました:

  1. Data Lake の復元機能だと思っていた

    • 実際は:Data Lake では復元はサポートされていない
    • 実際は:Azure Monitor サービスの「検索ジョブ」機能だった
  2. プレビュー期間中だから無料だと思っていた

    • 実際は:検索ジョブと復元操作には別途料金が発生する
  3. 少量のデータだから安いはずだと思っていた

    • 実際は:検索ジョブと復元操作は独自の料金体系を持つ

技術的な詳細

Data Lake と Azure Monitor の違い

Microsoft サポートからの説明によると:

Microsoft Sentinel Data Lake では:

  • 復元機能はサポートされていない
  • Data Lake 配下に表示される検索ジョブの項目は、実際には Azure Monitor サービスの機能

Azure Monitor の復元では:

  • 独自の料金体系で課金される
  • 1回実行すると最低2TB、12時間分課金される(復元では復元データに対してクエリを実行するための追加のコンピューティング リソースが割り当てられるため、最小復元データボリュームが適用されます。)[1]
  • 復元されたデータは削除するまで継続的に課金される
  • 復元されたテーブルには _RST サフィックスが付く(例:AADNonInteractiveUserSignInLogs_656_RST

つまり、Azure Monitorの復元利用料 $0.10(≒15円/1日/GB) × 2TB × 利用日数 の課金がかかっていたのです。そりゃ、50万は行くわ。。。

よくよく、読むと先ほどのリストア画面のNoteにも同様の表示がされていますね。。。これは読み飛ばしていた。完全に悪いのは私です。

また、このことは、Microsoft Learnにも書いてありました。[2]

長期保管の課金は既存の顧客のデータ レイク ストレージ メーターに移行されますが、長期保管されたデータには、最初はMicrosoft Sentinel >データ レイク探索>検索と復元を通じてのみアクセスできます。

学んだ教訓と対策

①. UIの表示に惑わされない・Noteをよく読む

Data Lake のインターフェース内に表示されているからといって、それがすべて Data Lake の機能ではありませんでした。今回のケースでは、Azure Monitor の機能が混在しており、Noteにはそのことが記載されていたももの、読み飛ばしてしまった結果、思わぬ課金に繋がってしまいました。今思えば、タブとしてはData Lakeでしたが、Azure MonitorっぽいUIでもあるなと察知するべきではありましたし、そもそもNoteをよく読めよと言う話ではあります。

②. 料金体系を正しく理解する

新しい機能を試す前に、は必ず料金体験を理解しておくことも改めて大事だと思いました。今回のケースで言うと、以下が該当します。

②. 課金アラートの設定

想定外の課金をすぐに検知できるよう、低めの閾値でアラートを設定も大事な要素です。

②. 不要なリソースの削除

検証で使った不要なリソースはすぐ消しましょう。今回のケースで言うと、 _RST サフィックスの付いたテーブルが作成されていないか確認し、不要な復元テーブルは即座に削除することが大事です。

FBのお願い

今回のミスは私の理解不足でありますが、UIがわかりにくいのも事実ではあります。フィードバック投稿したので、共感していただけた方は1票を投じていただけたら幸いです。

https://feedbackportal.microsoft.com/feedback/idea/1e8fe4f3-1994-f011-aa44-6045bd7f402a

さいごに

この体験を通じて、クラウドサービスの新機能を試す際の慎重さの重要性を痛感しました。Microsoft Sentinel のデータレイク機能自体は非常に有用な機能ですが、その周辺機能の料金体系については正しい理解が必要です。改めて強調したいのは、これは私の理解不足が原因で大変恥ずかしい限りです。ですが、この記事が、同じような失敗を防ぐ一助となれば幸いです。

にしても、ブログまで書いていたのに、勘違いしていて、恥ずかしい。。。50万の課金もなかなか辛い。。。

参考リンク:

脚注
  1. Azure Monitor でログを復元する ↩︎

  2. コストを計画し、Microsoft Sentinel の価格と課金を理解する > データ レイク レベルの測定におけるプレビュー特有の考慮事項 ↩︎

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