AIの力で言語の壁を壊す!Teamsの「ライブキャプション翻訳」と「インタープリター(リアルタイム翻訳)」
Microsoft Teamsに搭載されたAI翻訳機能、テキスト字幕で翻訳を表示する「ライブキャプション翻訳」と、読み上げ音声で翻訳を伝える「インタープリター」は、会議の言語の壁を低くする強力なツールです。ここでは、両機能の特徴と使い方を見ていきます。
「ライブキャプション」と「インタープリター」の比較
まずは、2つの機能の違いを比較してみましょう。どちらも言語の壁をなくすための機能ですが、得意な場面が異なります。
機能項目 | ライブキャプション翻訳[1] | インタープリター[2] |
---|---|---|
提供形式 | テキスト(字幕) による翻訳 | 音声による通訳 |
体験 | 画面下部に表示される字幕で、自分のペースで内容を読める | 自分の声質を再現した自然な音声で通訳を聞ける |
ライセンス要件 | Teams Premiumが必要※ | Teams PremiumまたはMicrosoft 365 Copilot のライセンスが必要 |
主な利用シーン | 双方向の議論や活発な意見交換や聴覚に障がいのある方との会議 | 一方向のプレゼン |
ライブキャプション翻訳
ライブキャプションは、各参加者が自分のために設定します。まず、会議コントロールの「その他(...)」から「言語と音声」>「ライブキャプションをオンにする」をクリックします。
続いて、画面下部にキャプションが表示されたら、右側の設定アイコン(...)をクリックします。「字幕の言語」で、自分が読みたい言語を選択します。(例: 日本語)これで、話されている言語がリアルタイムで翻訳され、字幕として表示されます。
AI通訳機能「インタープリター」の使い方
インタープリター機能は、会議の開催者が事前に設定します。参加者は会議中に聞きたい言語を選ぶだけで利用できます。
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会議の開催者:
- Teamsで会議をスケジュールする際に、「会議のオプション」を開きます。
- 「言語の通訳を有効にする」のトグルをオンにします。
- 「通訳者」は空欄のまま、「ソース言語」(元の言語)と「ターゲット言語」(翻訳先の言語)を設定します。AIが通訳者の役割を担います。
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会議の参加者:
- 会議が始まったら、会議コントロールの「その他(...)」から「言語と音声」>「通訳言語」を選択します。
- 自分が聞きたい言語(例: 日本語)を選択すると、相手の発言がその言語の音声で聞こえるようになります。
AIインタープリターは以下の3ステップで動作します。特に面白いのは「音声合成」です。話者の声のトーンを再現し翻訳音声が流れます。
- 音声認識:発話をテキスト化
- 機械翻訳:他言語に翻訳
- 音声合成:話者の声で再生
デモ動画
こればっかりは、実際に体験してみないと分からないので、デモ動画を以下に掲載します。
対応環境
- 言語:英語、日本語、中国語など多数の言語に対応
- プラットフォーム:デスクトップ、モバイル、Web版Teams
- 制約:Teams Roomsやウェビナーでは使用不可の場合があります
実際に使った感想
良い点
- 自然な会話:母国語で考えて話せる
- 心理的障壁の撤廃:語学力を気にせず発言できる
- パーソナライズ:自分の声で翻訳されるので親しみやすい(インタープリター機能)
気になる点
- 遅延:翻訳に数秒かかる
- AI限界:固有名詞や専門用語、ニュアンスの翻訳に課題
- 話者が有効化すると発言が自分に返ってくる: 話者がこの機能を有効化すると、自分の発言が別の言語でオウム返しされてしまうので、喋りにくくてしょうがないです。。。聞く側が有効化するのがオススメです。
おまけ
スライドのリアルタイム翻訳
Teams会議中に画面共有する際、発表者側でPowerPoint Liveを使って画面共有をすると、聞く側(Audience)でスライドをリアルタイムに翻訳することができます。PowerPoint Liveは下記の画像の画面共有の下の方にあります。
その後、聞く側(Audience)で任意の言語にスライドを翻訳することができます。尚、翻訳できるのはテキストボックスの中のテキストだけで、画像の中に記載された文字などはさすがに翻訳できません。
メール等の文章の翻訳
会議中ではなく、メール等の文章を翻訳したい場合は、Copilotエージェントの利用がオススメです。詳しくは以下の以下の記事をご覧ください。
終わりに
これらの技術は完璧ではありませんが、言語の壁を大きく下げる可能性を秘めています。AIの進化とともに、今後さらに使いやすく、自然なコミュニケーションツールになることでしょう。ぜひ一度試してみてください。
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