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5月から始まるGithub Copilotのプレミアムリクエストについて気をつけるべきこと

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来月、2025年5月より、GitHub Copilotに新しい「プレミアムリクエスト」という概念が導入され、特定のモデルを利用する際に、基本料金に加えて追加の考慮が必要になる可能性があります。

現在Copilotを業務で活用されている開発者やチームの皆様は、請求金額の増加や、予期せずCopilotの一部機能が利用制限される可能性があるので、事前にご確認いただくことを強くお勧めします。

参考記事

https://docs.github.com/ja/copilot/managing-copilot/monitoring-usage-and-entitlements/about-premium-requests

https://github.blog/jp/2025-04-07-github-copilot-agent-mode-activated

この記事のポイント

  • 5月からプレミアムリクエスト開始: 特定の「プレミアムモデル」を利用するCopilot機能(Chat, Agent, コードレビュー, Extensions)でリクエストが消費されます。
  • プラン毎の許容量: Pro, Business, Enterpriseなどのプラン毎に、毎月消費できるプレミアムリクエストの上限数が設定されています。
  • 超過分は追加料金: 上限を超えて利用する場合、追加料金が発生する可能性があります(設定による)。
  • モデル毎の消費量(乗数): 利用するモデルによって、1回の呼び出しで消費されるプレミアムリクエスト数が異なります。特に「GPT-4.5」は消費量が非常に大きいため注意が必要です。

プレミアムリクエストとは?

来月からGitHub Copilotに導入される「プレミアムリクエスト」は、より高度なAIモデル(プレミアムモデル)を利用する特定の機能を使った際に消費される、新しい利用量の単位です。

プレミアムリクエストを消費する機能

以下の機能で「プレミアムモデル」を選択して利用した場合に、プレミアムリクエストが消費されます。

  • Copilot Chat
  • Copilot agent モード
  • Copilot のコード レビュー
  • Copilot Extensions

基本モデルとプレミアムモデル

Copilotで利用できるAIモデルには、プレミアムリクエストを消費しない「基本モデル」と、消費する「プレミアムモデル」があります。

基本モデル
現在のところ、有料プランユーザーが利用する場合の GPT-4o が該当します。このモデルを利用する限り、プレミアムリクエストは消費されません(Copilot FreeユーザーがGPT-4oを利用する場合は1リクエスト消費)。

プレミアムモデル
GPT-4oを除く、以下のモデルがプレミアムモデルに該当します:

  • Claude 3.7 Sonnect
  • Claude 3.5 Sonnet
  • Gemini 2.0 Flash
  • GPT-4.5
  • o1
  • o3-mini

プラン毎の月間許容量

各Copilotの有料プランには、毎月利用できるプレミアムリクエストの許容量が設定されています。

課金プラン プレミアムリクエスト数/月
Copilot Pro 300 件
Copilot Business 300 件
Copilot Enterprise 1000 件
Copilot Pro+ 1500 件

月間の許容量を超えてプレミアムモデルを利用したい場合、「追加利用」を有効に設定していれば、1 プレミアムリクエストあたり $0.04 USD の追加料金で引き続き利用できます。追加利用を有効にしていない場合、許容量に達した時点でその月のプレミアムモデルの利用ができなくなる可能性があります。

要注意!プレミアムリクエスト乗算

プレミアムリクエストの重要な点は、利用する「プレミアムモデル」によって、1回の呼び出しで消費されるリクエスト数が異なることです。本記事ではこれを「プレミアムリクエスト乗数」と呼びます。

以下は、主要なモデルとその乗数の一覧です。

モデル プレミアムリクエスト乗数
基本モデル (GPT-4o) 0
Claude 3.5 Sonnet 1
Claude 3.7 Sonnet 1
Claude 3.7 Sonnet Thinking 1.25
Gemini 2.0 Flash 0.25
GPT-4.5 50
o1 10
o3-mini 0.33

具体例で見るコストインパクト

例1:Claude 3.5 Sonnet を使う場合

  • あなたがCopilot Businessプラン(月300件まで)を利用しているとします。
  • Claude 3.5 Sonnet(乗数1)をCopilot Chatで使う場合、月に 300 / 1 = 300回 まで追加料金なしで利用できます。
  • それ以降は、追加利用が有効であれば、1回あたり $0.04 USD の追加料金が発生します。

例2:GPT-4.5 を使う場合

  • 同じくCopilot Businessプラン(月300件まで)のユーザーが、GPT-4.5(乗数50)を利用するとします。
  • この場合、月に 300 / 50 = わずか6回 しか追加料金なしで利用できません。
  • 7回目以降、追加利用が有効な場合、1回の呼び出しごとに 50 (乗数) * $0.04 USD = $2.00 USD という高額な追加料金が発生します。

このように、特に GPT-4.5 のような乗数が大きいモデルを利用する際は、意図せず許容量をすぐに使い切り、高額な追加料金が発生するリスクがあるため、十分な注意が必要です。

いつから始まるの?

Premium リクエストの課金は、以下の日付からプラン・顧客タイプ別に適用されます。

対象プラン・顧客 適用開始日
Copilot Free, Copilot Pro, Copilot Pro+ 2025 年 5 月 5 日
セルフサービス (クレジット カード) Copilot Business, Copilot Enterprise 2025 年 5 月 12 日
営業担当者経由 (請求書発行) Copilot Business, Copilot Enterprise 2025 年 5 月 19 日

まとめと対策

2025年5月から導入されるGitHub Copilotのプレミアムリクエストは、特に高機能なAIモデルを利用する際のコストや利用制限に影響を与える可能性があります。

Copilotユーザー、特に企業で導入している場合は、以下の点をご確認ください。

  1. 利用状況の確認: 社内でどのCopilot機能(Chat, agentなど)で、どのAIモデル(GPT-4o, Claude, GPT-4.5など)が主に利用されているか把握しましょう。
  2. コスト影響の試算: 利用しているプランの許容量と、利用モデルの乗数から、現状の利用頻度で追加料金が発生しないか、発生する場合はどの程度か試算してみましょう。特にGPT-4.5を利用している場合は要注意です。
  3. 追加利用設定の確認: 想定外のコスト発生を防ぎたい場合は、管理者がCopilotの請求設定で「追加利用」を無効にすることも検討できます(ただし、上限到達後はプレミアムモデルが利用不可になります)。
  4. モデル選択のガイドライン: コストを抑えたい場合は、チーム内で基本モデル(GPT-4o)や乗数の低いプレミアムモデル(Gemini 2.0 Flash, o3-mini, Claude Sonnet系など)の利用を推奨するガイドラインを設けることも有効かもしれません。
  5. Copilot Free、あるいはCopilot Proユーザー限定ですが、自身のAPIキーを利用することで、プレミアムリクエストを消費せずにCopilotを利用し続けることも可能です。参考記事

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