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LaTeXの便利な周辺ツール
案外知られていない、LaTeXの便利な周辺ツールを紹介します。
Make
.tex
ファイルをコンパイルするのに、コマンドを何回も打つのは面倒です。そこでMakeを使って簡単にPDFにコンパイルできるようにします。Makeを使うには、以下の形で書かれたMakefile
をMakeを使いたいディレクトリに配置します。
-
<生成したいファイル>
が<ファイル>
のタイムスタンプ(最終更新時刻)より古い、もしくは存在しない場合に<処理>
が実行されます -
<処理>
は必ずインデントする必要があります -
<処理>
は上の行から行われます - インデントは
tab
のみしか受け付けません
<生成したいファイル>: <ファイル>
<処理>
そしてコマンドラインでmake
と打ち込んで実行すれば、Makefile
に書いた処理を実行してくれます。例えば以下のように書くと、test.pdf
のタイムスタンプがtest.tex
かtest.sty
よりも古い時に、ptex2pdf -l test.tex
とopen test.pdf
がコマンドラインで実行されます。
test.pdf: test.tex test.sty
ptex2pdf -l test.tex
open test.pdf
他にもMakeは様々なことができるので調べてみてください。
Pandoc
Pandocは、ドキュメント変換ツールです。LaTeX, Markdown, HTML, Word... とかなり沢山のファイル形式の変換に対応しています。詳しくは公式のドキュメントなどを読んで欲しいのですが、MarkdownからLaTeXやPDFへの変換が便利なので紹介します。
例えば以下のように書くと、<元のファイル>
から<生成するファイル>
が生成されます。変換は生成するファイルのファイル形式に依存します。
$ pandoc <元のファイル> -o <生成するファイル>
例えば、以下のように書くと、test.md
からtest.tex
が生成されます。
$ pandoc test.md -o test.tex
面白い使い方として、以下のように書くと、<元のファイル>
から<生成されるファイル(PDF)>
が作られます。その時のコンパイルがltjsarticle
とlualatex
を使ったものになります。
$ pandoc <元のファイル> -o <生成するファイル(PDF)> -V documentclass=ltjsarticle --pdf-engine=lualatex
参考資料
この記事は下のシリーズの一部です。
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