Snowflake Marketplaceでの有料データ利用(購入)と提供(販売)について確認してみる
前回はSnowflakeのデータ共有方法についてまとめてみたんですが、そこでは触れなかったMarketplaceでの有料データの利用(購入)と提供(販売)について調べてみました。特に日本のユーザが日本のデータを利用する観点です
Marketplaceにあるデータの種類
Marketplace画面見てみると…
- 1.無料(Free)
- 2.リクエスト(By Request)
- 3.有料(Paid)
の3種類がありますね。有料(Paid)には、事前にお試し(Free to try)が出来るものもある。やさしい
以下、それぞれを見てみたり、調べてみたりしてます。
1.無料(Free)
これはすぐに利用可能なリスト(データ)。無料でフル利用できるものと、無料のサンプルがある
1-1.無料で利用出来るものの例
無料でフル利用できる。プロバイダさんに感謝!!!
Prepper Open Data Bank - Japanese Calendar Data by truestar inc.
Prepper Open Data Bankは、様々な日本のオープンデータをデータプレップなしですぐ加工できるようにして提供しています。Japanese Calendar Data には、日付や曜日情報に加え、内閣府から毎年2月発表されるに祝日と振替休日や、土日祝、平日、GW、年末年始、休前日など、様々な事業のマーケティング活動に影響のある軸で予めフラグ化するなど、日次データを用いた機械学習などのデータ分析ですぐに活用できる形に加工しています。
1-2.無料サンプルの例
こちらは無料サンプル。「こんな感じですよー」ってイメージもってもらうためのデータかなと。一部のデータだけとか、ダミーデータとかが入っている。無料サンプルを見てみて、使えそうなら有料版を契約してください的な
サンプルで気に入って、日本のプロバイダの有料版を利用したい場合は、プロバイダとコンシューマ(データ利用者)でやりとりしていただいて、2社間で有料版データの内容や料金を決定する感じになります。もろもろの契約や料金支払いはSnowflake外で、データ共有はSnowflakeの共有の仕組みで実現って感じですね(海外のプロバイダなら、「3.有料」で後述するStripeで支払えます)
通行量データ サンプル by ジオテクノロジーズ株式会社
特定地域(豊洲と浜松)の一定期間(2022年10月の月曜と日曜)のデータをサンプルとして公開
50mメッシュ 流動人口データ サンプル by 株式会社Agoop
特定地域(新宿区)の2022年12月1日のデータをサンプルとして公開
TV Metadata for TV-CM (Advertising) in Japan (Kanto) by M Data Co.,Ltd.
2.リクエスト(By Request)
リクエスト(問い合わせ)をして、お客様ごとにパーソナライズドしたデータを提供してもらうイメージ
リクエストをするとプロバイダにコンシューマの連絡先が伝わって、プロバイダから連絡が来ます。そこで2社間でデータの内容とか料金とか決定する感じです。もろもろの契約や料金支払いはSnowflake外で、データ共有はSnowflakeの共有の仕組みで実現って感じですね
2-1.リクエストの例
1km メッシュ天気予報データ by Weathernews Inc.
EC Purchase Data by Minedia, Inc.
Stock Master File by QUICK Corp.
3.有料(Paid)
料金支払いにStripe(決済サービスのStripeです)を使う方法。6月のSnowflake Summitで既存キャパシティからの引き落としも出来るようになりました…が一部の州を除くUSの会社のみ対応[1]
有料リストの料金モデルも色々あります
月額定額やクエリごと課金などなど。上限有りの従量課金などもあります
3-1.有料リストの例
IPinfo Geolocation IP Address Data by IPinfo
これは30日のフリートライアルもついてて、トライアル後は月額$500とのこと
SEC Financial Analytics by SEC REPORTING ANALYTICS
1クエリあたり$1という料金設定で、トライアルも出来るらしい
3-2.有料リストに対しての日本のSnowflake利用者の制限事項
3-2-1.プロバイダ(データ提供側)としての制限
下記ドキュメントにある制限により、アカウントの請求先住所が日本だと有料リストが公開できないのです。具体的には、Snowflake Marketplaceに価格を提示して、Stripeで費用を受け取る方法が出来ない。
有料リストを公開できる場所
プロバイダーとして、アカウントの請求先住所が次のいずれかの国にある場合は、有料リストを作成できます。オーストラリア、フィンランド、フランス、ドイツ、アイルランド、イスラエル、イタリア、メキシコ、オランダ、ノルウェー、シンガポール、スウェーデン、スイス、英国、米国
3-2-2. コンシューマ(データ利用側)としての制限
利用側としては日本は対応しているので、有料データを利用(購入)することが出来ます。ただしStripeでの支払いのみ
アカウントの請求先住所が次の国のいずれかにある場合、コンシューマーは有料リストにアクセスできます。
オーストラリア、オーストリア、ベルギー、バミューダ、カナダ、ケイマン諸島、チェコ共和国、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、インド、アイルランド、イスラエル、イタリア、日本、ルクセンブルク、メキシコ、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、シンガポール、韓国、スウェーデン、スイス、アラブ首長国連邦、英国、米国
まとめ
コンシューマが日本の会社だとすると…
海外のプロバイダからの購入
- 海外(USなど)のプロバイダの有料データは「3.有料」の仕組みで購入できる
- ただし、日本のコンシューマが選べる支払い方法はStripeのみ(既存キャパシティからの引き落としは出来ない)
日本のプロバイダからの購入
日本のプロバイダは前述の制限事項により…
- 1-2.無料サンプルのみ公開
- 2-1.リクエスト
の方式でMarketplaceにデータを公開していることが多いので、
いずれの場合もコンシューマが有料データを利用(購入)したい場合は…
- 契約や支払いはSnowflake外
- データ共有はSnowflakeの仕組みを使う
となります
社外データの活用と、自社データのマネタイズで、ビジネス価値を最大化!
突然のビジネスっぽいまとめ
-
おそらく法律とか税金の関係のはず… ↩︎
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