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[証明]円の接線は接点を通る半径に垂直である

2021/02/27に公開

証明をします。

定義

  • :ある1点からの距離が等しい点の集まり
  • 円の中心:その1点のこと
  • 円の接線:円と1点のみで交わる直線のこと
  • 接点:円と接線の交わる点のこと
  • 2つの直線が(互いに)垂直である:
    それら2つの直線の一方を適当に平行移動させた時、直角をなすこと

公理(証明なしに正しいとみなす主張)

  1. 三角形の2つの辺をとる。それらの辺の大小関係は、それぞれの対角の大小関係に一致する。
  2. ユークリッド平面上では、平行でない直線はただ1点で交わる。

証明したいこと

円の接線は、接点を通る半径に垂直である。


証明

背理法を用いる。

O を中心とする円に直線 \ell が点 A で接しているとする。また、直線 \ell に点 O から垂線を下ろし、交点を B とする。このとき、\ell と線分 OB が成す角 \angle B は90°である。

ここで、\ell と直線 OA が成す角 \angle A が90°ではないと仮定する(背理法の仮定)。

A は円周上の点、また点 B は 円の接線上の点であるから、OBは半径の長さよりも長く、すなわち

OB \ge OA (= 半径)

が成り立つ。

一方、OAOB は平行ではなくかつ \ell 上でない点で交わるので、
AB は異なる点である(平行でない直線はただ1点で交わる)。よって\triangleOAB を取ることができ、\angle B = 90°より \angle A < 90° である。

それぞれの向かい合う辺である OB, OA の大小関係は \angle A, \angle B の大小関係に一致するので、\angle A < \angle B より

OB < OA

である。これは矛盾。よって前述の仮定は誤っており、\angle A = 90°が示された。


おわりに

知り合いと三角形の内心の話をしていたら、そもそもどうして円の接線が接点を通る半径に対し垂直になるのか、という話になり、ググっていたら接弦定理を用いた証明に出会いました。しかし、接弦定理は、円の接線が接点を通る半径に対し垂直になることから導かれる定理であるためにブチギレて筆を執った次第です。以上です。

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