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障害者差別解消法の方針改定にともなう影響

2023/05/25に公開

はじめに

  • 2024年4月1日から障害者差別解消法の方針が改定される。この法律は「障害を理由とする差別の解消を推進する」ために、以下の3つを行うこととしている。
    • 不当な差別的取扱いの禁止
    • 合理的配慮の提供
    • 環境の整備
  • 「合理的配慮の提供」とは、障害のある人から「社会の中にあるバリア(障壁) を取り除くために何らかの対応が必要」との意思が伝えられたときに、行政機関等や事業者が、負担が重すぎない範囲で必要かつ合理的な対応を行うこと。
  • 「合理的配慮の提供」は、これまで行政機関等は義務、事業者は努力義務とされていたが、改正法により、2024年4月1日から事業者も義務化されることとなる。

これによって、事業者のWebページにも何らかの配慮が義務となる。「合理的配慮の提供」が義務化されることで、Webサイトやアプリケーションの分野では、どのような対処が必要となるのか、2024/4の方針改定までに取り組む事項を整理する段階にある。

事業者の対応事項

  • 「合理的配慮の提供」は事業者のWebページも対象となり、障害のある人を含め、どのような状況にいる人でもWebサービスを利用できる状態とすることが求められる、すなわちこれがウェブアクセシビリティである。
  • 2022年にデジタル庁が「ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック」というPDF資料を公開した。
  • ウェブアクセシビリティは、国際的に明確なガイドラインが用意されている。国際的な基準の「WCAG 2.0」と「JIS X 8341-3:2016」の2つである。達成度合いで3段階の評価がある。
    • Level A (適合レベルA):基本的なアクセシビリティの要件を満たす
    • Level AA (適合レベルAA):主要なアクセシビリティの要件を満たす
    • Level AAA (適合レベルAAA):高度なアクセシビリティの要件を満たす

で、まず我々事業者が何を目標に取り組むかであるが、ChatGPT様へ確認

  • まずは、自社のWebサイトやアプリケーションがWCAG 2.1 Level AAを達成するために実施すべき事項からまとめるのが良さそう。
  • 総務省から提供されている「みんなのアクセシビリティ評価ツール miChecker(エムアイチェッカー)」がある。本ツールを利用することで、現行Webページがどのような状態にあるか、WCAGの達成をクリアするための対応事項を確認できる。
  • 前提条件として、miCheckerを利用するためにはJava 64bit版 Version 17の実行環境が必要となる。

https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/b_free/michecker.html

実行すると、以下の通り改善事項が標記される。これにより工数をざっくり求めて、対応計画を立てていく。

おわりに

miCheckerをざっと動かしてみたところ、メジャーなWebサイトでも改善事項が数多く出力されることが分かる。方針改定に先立ち、早めの対処が必要となる。

参考サイト

https://www.cao.go.jp/press/new_wave/20230331_00008.html
https://basixs.com/times/columns/web-accessibility-check
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/b_free/michecker.html

おまけ

  • デジタル庁のサイトが話題にあがっていた。
  • 御大将 阿部寛さんのホームページにも言及しており、好感がもてる。

https://qiita.com/mu_tomoya/items/f78f1fad3a8b57ac7dc3

  • miCheckerで確認。

  • 「要判断箇所」「手動確認」はある程度検出されるので「問題あり」「問題の可能性大」に取り組めば良さそうな感じ。

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