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オンプレミス設備へ回帰する流れを想定する

2024/01/24に公開

はじめに

近年、システムを構築する際のインフラ選定はクラウドがスタンダートになっている。そもそもオンプレを選択肢に入れてないユースケースも多く、AWSかGCPかAzureをユースケースに合わせて選定する形が多い。

自分は今後、オンプレミス設備へ回帰する流れが来るのではないかと考えている。そう考える理由をつらつら書いてみる。

円安の環境において、クラウドコストは高い

クラウド設備は現在の円安の環境下においては、コストが高い。現在1ドルが150円くらい(2024/1)なので、当初の試算よりもコスト高になってるケースも多い。コストについては、オンプレのベアメタルサーバ上でVMやDocker環境構築するほうが、長い目で見ると安くなる。
HWは購入して減価償却できるので、P/L上は良化する。償却が終わってもHW耐用年数分は使い切ることができる。また、数年先のコスト予測が容易にできる。

案外障害や運用稼働が多い

クラウドと言えば、少なくとも99.9%、いわゆるスリーナイン以上の稼働率が担保されていて耐障害性は高いとされている。確かに公式に認められているシステム障害の稼働率はこんな感じだと思うが、BigQueryのスケジュール登録のバッチがエラーになったり、レスポンスが遅くなったり、ポロポロと障害は起こっている印象がある。

また、サービスのアップデートに追従するための情報収集やアップデート作業が必要になり、定常運用の稼働も地味に高い。

意識高い系運用の方には怒られるかもしれないが、オンプレはまあ放っておいても動く。バージョンアップも任意のタイミングで実施すればよいし、重要な顧客情報が入ってない限りはEOS/EOL管理を意識すれば運用は可能である。

ベストエフォートのインターフェースができる

1つのクラウド環境で閉じるシステムはほとんどない。例えばオンプレのHWでなければ実現できない機能がある場合、API経由でクラウド → オンプレのインターフェースが必要になる。この区間はパブリックなインターネット区間になるので、ネットワークの品質はベストエフォートとなる。よって、このインターフェースは、失敗の際のロールバックを実装する等サービスを跨ぐトランザクション制御が必要になり、煩雑になる。

オンプレ → オンプレが一番品質高いので、モノリスが良くないか。で、オンプレになる。

インフラ技術力が身につく環境ができる

クラウド環境だとGUI経由で管理ポータルからVM起動したり簡易に設定が完了するので、インフラに精通していない組織となる。オンプレミスだとDocker環境を構築し、運用する環境が出来上がるので、インフラに強い組織になる。

まとめ

円安の環境は今後も継続するし、国産クラウドで三大クラウド並みのサービスを展開している環境もない現在において、円安によるクラウド利用料が会社経営を逼迫するケースは多くなっていくと思われる。

それであれば、円高に左右されずコスト予測し易いオンプレを敢えて選定するという判断も生まれてくるのではないか?BCPの位置づけで最低限の利用料でクラウド設備を使うという解も割と良い。

そうなると、クラウド環境からオンプレへ回帰する流れが生まれてくるのではないかと考えている。

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