今日の30分Reading…②_地図を描くための基礎知識
地図を描くという、心躍る作業
こんにちは、古閑です。
前回、リモートセンシングへの旅路で、GISという名の優しい案内人に出会いました。今日は、その案内人が手にする「地図」が、ただの絵ではないことを知りました。それは、まるで書き手の思いを読み手に届けるための手紙のようなもの。今日も本を読み進める中で、そんな地図を描くための基礎知識を30分だけ学んだので、その記録を残したいと思います。
天気図と店の分布図、そして地図のルール
地図には、大きく分けて二つの種類があるそうです。一つは、私たちが普段目にする地理院地図のような、場所や地形を正確に描いた「一般図」 。そしてもう一つは、特定のテーマを伝える「主題図」です 。
天気図の気圧配置を示す線のように、目に見えないものを描いた地図 。地域ごとの予想降水量を色で分けた地図 。これらの主題図は、色の濃淡や区切り方によって、見る人に与える印象が大きく変わってきます 。地図は、多くの情報を伝えられる一方で、描き手次第でその印象が大きく変わってしまう。だからこそ、情報を正しく、そして美しく伝えるためのルールがあるのだと知りました。たとえば、「数値が大きいほど濃い色にする」といった順序性を意識した表現 。これは、地図を描く上での読み手への優しい心遣いなのだと感じました。
世界を「スケッチ」と「写真」で描く
地図を描くには、二つの道具があります。
一つはベクターデータ 。これは世界を点、線、面というシンプルな図形で描くスケッチのようなものです。点のデータは郵便局や畑の目印(ポイント) 。線のデータは道路や川(ライン) 。面のデータは畑全体や行政区域(ポリゴン)として表現します 。それぞれの図形に、一つひとつの物語(属性情報)を添えることができるのです 。
もう一つはラスターデータ 。これは衛星画像や空中写真のような、ピクセルでできた絵画のようなものです。ベクターデータがスケッチなら、こちらは精密な写真でしょうか。ピクセル一つひとつに、目には見えない赤外線や近赤外線の情報が値として格納されている 。この技術こそ、私たちが目指すリモートセンシングの核心なのだと、改めて胸が高鳴りました。
この他にも、地図を他の人に見せるときには、地図のタイトルや方位、縮尺、凡例といった、地図が語り始めるための「声」となる要素が不可欠だということも学びました 。
30分で得た、地図への新しい視点
たった30分でしたが、本を読むという作業は、単に知識を得るだけでなく、世界の見方そのものを少しだけ変えてくれるのだと実感しました。無償のQGISという友人の存在 や、有償のプロフェッショナルArcGIS の存在を知り、これから描いていく地図の未来にワクワクしています。
この学びをどう活かし、どんな地図を描くのか。その記録を、これからも続けていきたいと思います。
参考文献
- 『ArcGIS Pro ではじめる地理空間データ分析』第一章 桐村喬 著
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