## MCPを活かすWeb開発の基礎:フロントエンド、バックエンド、そしてサーバー
はじめに
こんにちは。これまでMCP(Model Context Protocol)の学習を通じて、AIエージェントと外部サービスを連携させる仕組みについて探ってきました。その中で、MCPの基盤技術がWebの仕組みに深く根ざしていることを実感しています。
今回は、その理解をさらに深めるため、Web開発の入門書『PythonでつくるWebアプリのつくり方』を読みました。この記事では、特に印象的だったフロントエンドとバックエンドの役割分担、そしてWebサーバーの種類について、MCPの知識と結びつけて解説します。
1. フロントエンドとバックエンドの分業とMCP
現代のWebアプリは、ユーザーが直接操作するフロントエンドと、データ処理を行うバックエンドに分離して開発されるのが一般的です。この分業を可能にする重要な技術が、JavaScriptによる**非同期通信(Ajax)**です 。
非同期通信により、Webサーバー側で時間のかかる処理(データの取得や書き込みなど)を実行している間も、画面を固めることなくユーザーは操作を続けられます。JavaScriptの入門書などを読むと、非同期通信の代表例としてGoogle Mapが良く取り上げられています。みなさんもよく使う機能/サービスではないでしょうか。
このフロントエンドとバックエンドの分業は、MCPのホストとサーバの関係と似ています 。
以前の記事「MCPを構成する3つの要素」 でも取り上げた"""MCPの「サーバ」「クライアント」「ホスト」という3つの役割"""を思い出してみましょう。
- ホスト(AIアプリ): ユーザーからの指示を受け、LLMを通じて機能を拡張する役割を担い、これはWeb開発のフロントエンドに相当します。
- サーバ(MCPサーバ): LLMに情報を提供したり、実際の操作を指示したりする役割を担い、これはバックエンドに相当します。
MCPの世界でも、Web開発と同様に役割を明確に分けることで、それぞれが独立して効率的に動作するよう設計されているのです。
2. Python開発で知っておきたいWebサーバー
Webサーバーは、単に静的なコンテンツを返すだけでなく、Pythonのようなプログラミング言語を実行して動的なコンテンツを生成するアプリケーションサーバーとしての役割も持っています。
本書では、PythonとWebフレームワークのFlaskを使った開発を解説しています。FlaskはWSGI(Web Server Gateway Interface)に対応しており、WSGIはPythonのWebアプリとWebサーバーを接続するための標準インターフェイスです 。
PythonのWebアプリ開発で使われる代表的なWebサーバーには、以下のようなものがあります。
- Werkzeug: Flaskに内蔵された開発・テスト用のサーバーです 。デバッグ機能が充実していますが、本番環境での利用には適していません 。
- Gunicorn / uWSGI: Pythonアプリケーション用のWSGIサーバーで、本番環境での運用に適しています。特にuWSGIは、柔軟性とパフォーマンスに優れています 。
- Nginx: 静的なコンテンツの配信や、リバースプロキシとして利用されるWebサーバーです 。セキュリティやスケーラビリティの向上に役立ち、GunicornやuWSGIと組み合わせて本番環境を構築するのが一般的です。
まとめ
『PythonでつくるWebアプリのつくり方』を読んで、Web開発の基礎にあるフロントエンドとバックエンドの分業、そして多様なWebサーバーの存在を学びました。
この知識は、AIエージェントが自律的に動作するMCPの世界を理解する上でも非常に役立ちます。MCPのホストとサーバの関係はWebのフロントエンド・バックエンドのモデルを応用したものであり、効率的なシステム構築に不可欠です。
今後も、WebフレームワークやPythonの学習を進めていきます。「Flaskを使ってpythonでスクレイピングとpandasの前処理を行いったデータをJavaScriptに送信して可視化する」というテーマの本を途中で挫折して、いつかFlaskを学んで再挑戦したいと思っていました。Flask, Python, JavaScriptが揃うといろいろな応用力のある技術です。合わせてMCPもできるようになって、できることをふやしたい!と妄想があふれています。
参考文献
「Pythonでつくる Webアプリのつくり方」 著)クジラ飛行机、 杉山 陽一、遠藤 俊輔 「やさしいMCP入門 」 著) 御田 稔, 大坪 悠
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