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AIと対話しながらあなた好みに育てていくObsidian - 育成キット付

に公開

ご無沙汰しております。hiraokuです。

最近、Obsidianを使ってナレッジベースを構築することがとても楽しく感じています。そこで、皆さまにもObsidianの魅力を体験していただきたく、この記事を執筆いたしました。ぜひお読みいただき、ご活用いただければ幸いです。

この記事で得られるもの

Obsidian体験から生まれた革新的なアプローチを紹介します。単なる使い方の説明ではなく、AIと対話しながらあなた専用のナレッジベースを構築できる育成キット」を提供します。

こんな体験ができます

  • まるで熟練したObsidianユーザーがそばにいて、リアルタイムでアドバイスしてくれる
  • 自分の用途に最適化されたVault構造を、AIとの対話で段階的に構築
  • ナレッジの蓄積から活用まで、継続的にサポートを受けられる

なぜこのアプローチなのか

最近のAI界隈は目覚ましい発展を遂げています。Microsoft Build、Google I/O 2025、Anthropic の Code with Claudeなど、様々な発表がありました。そんな中で筆者がObsidianに触れて感じたのは、2025年のAIエージェントの進化に匹敵するほどの大きなインパクトでした。

しかし、Obsidianには「これが正解」というベストプラクティスがありません。ユーザーの用途や目的によって、最適な構成は大きく異なります。そこで考えたのが、個人の単純な体験談ではなく、誰でも自分専用のObsidianを育てられる仕組みの提供でした。

この記事の特徴

実践重視のアプローチを採用しています。Obsidianの一般的な使い方や理論的な説明は他の記事にお任せし、ここでは実際にAIと対話しながら問題を解決していく体験に焦点を当てています。

設定した育成キットとAIプロンプトを使えば、疑問点はその場で解決できます。従来の静的な記事を読むのではなく、動的な対話を通じて学習と構築を同時に進められるのが最大の特徴です。

Obsidian初心者からすでに活用されている方まで、どなたでもご利用いただけます

できること

Obsidianを導入するにあたって、ナレッジを有効活用しようとすると、それ相応の導入コストがかかります。しかし、そのコストをできるだけ抑えられるように、GitHubのリポジトリにSeedとなるObsidianのVaultを用意しました。ここではこれを育成キットと呼ぶことにします。

https://github.com/s-hiraoku/obsidian-seed

育成キットの特徴

育成キットには以下の機能が含まれています

事前設定済みの環境

同キットには、MCP Toolsが設定済みです。またこの記事のVault構築プロンプトを使えば、AIと対話して理想のナレッジベースを構築することができます。

AIアプリケーションとの連携

AnthropicのClaude DesktopのようなMCPクライアントを搭載したAIアプリケーションを使って、ObsidianのVaultを構築することができます。

学習サポート

Obsidianを使ったことがない方でも、育成キットのドキュメントを参照したり、AIとの対話を通じて学習することにより、学習コストを抑えて楽しく使うことができます。

構築後の活用支援

Vaultを構築した後も、ナレッジベースからAIとの対話で情報を取得するVault参照プロンプトも2種類用意しています。ナレッジベースの活用もAIとの対話を通じて、目的の情報を取得できるようにしています。

育成準備

この章では育成キットの準備手順を説明します。詳細に記載しているため、設定が複雑で大変そうに思われるかもしれませんが、育成キットには必要なプラグインがあらかじめ設定されているので、育成キットをクローンして簡単な設定を行うだけで準備は完了します。ぜひご活用ください。

育成キットをCloneする

任意のディレクトリに育成キットをCloneしてください。

git clone https://github.com/s-hiraoku/obsidian-seed.git

Obsidianをインストールする

育成キットの「01_Obsidian完全ガイド」にインストール方法を記載しています。その手順に従ってインストールしてください。

育成キットを使うにあたって必要なプラグインの設定

育成キットは、Obsidian MCP Tools というプラグインを使って、AIと連携します。このプラグインで必須となるのはLocal REST APIです。それ以外は任意です。

プラグイン名 必要性 説明
Obsidian MCP Tools 必須 ObsidianとAIアプリケーション(Claude Desktopなど)をModel Context Protocol(MCP)を通じて安全に連携させる
Local REST API 必須 ObsidianノートアプリケーションにHTTP/HTTPS REST APIサーバーを追加し、外部アプリケーションからObsidianのvaultファイルにアクセスできるようにする
Smart Connections 任意 ObsidianでAI埋め込みを使用してノートとチャットし、関連コンテンツへのリンクを表示する
Templater 任意 Obsidianでファイル作成時に動的な変数や関数、JavaScriptコードを実行できる高機能テンプレートを提供する
Git 任意 ObsidianのVaultとGitを連携しバックアップ機能を提供する

Local REST API の設定

Obsidian MCP Toolsの前に実施しておかないといけないのが、Local REST APIの設定です。育成キットには、すでにインストールしていますので、⚙️アイコンから「コミュニティープラグイン」で「Local REST API」を選択し、以下の画面のようになっていれば問題ありません。

Obsidian MCP Tools の設定

Obsidian MCP Tools の設定を行います。⚙️アイコンから「コミュニティープラグイン」で「Obsidian MCP Tools」を選択してください。以下の画面が表示されると思います。

この画面で「Install server」ボタンをクリックします。成功すれば以下の画面のようになるはずです。

Claude Desktop側を確認してみましょう。「Search and tools」をクリックして、MCPが設定されていることを確認してください。設定されていれば、以下のようにobsidian-mcp-toolsがMCPサーバーとして表示されます。注意点としては、Obsidian MCP ToolsはVault単位で接続します。そのためすでにObsidian MCP Toolsで他のVaultと接続していた場合、接続ができなくなっています。
また別のAIアプリケーションを使いたい場合は、MCPサーバーの設定を行ってください。その際にOBSIDIAN_API_KEYとして、Local REST APIのAPI Keyが必要となりますので、お忘れなく。

Smart Connections の設定

次にSmart Connectionsの設定を行います。このプラグインは任意ですが、設定するとセマンティック検索を行うことができます。
育成キットにはすでにプラグインがインストールされているので、特に設定の必要はありません。Obsidianの一番左のバーに「Open: View Smart Connections」のアイコンが表示されます。

これをクリックすると、右側に以下のような画面が表示され、セマンティック検索の結果が表示されていれば設定完了です。

少し補足説明をさせてください。セマンティック検索は従来のキーワード検索とは異なり、文脈や意味を理解して関連するノートを見つける機能です。Smart Connectionsでは、ローカル埋め込みモデル(BGE-micro)がデフォルトで使用されており、外部APIキーなしで動作します。検索精度は、ノートの内容と構造の質に依存します。すごいですねっ。

ただし、Smart Chatを使用する場合は、AIとチャットすることになるため、外部APIキーが必要となります。

Templater の設定

Obsidianを使いこなしている。そんな方はご存知の方が多いと思いますが、Tempalterも設定します。

こちらも育成キットにすでにインストールしていますので、特別な設定の必要はありません。

Tempalterは動的なテンプレートシステムを提供します。使いこなすまでに少し学習コストが必要になります。しかしわからないことはAIに聞いてみましょう
また、育成キットには「Appendix_Templater基本ガイド」も用意していますので、そちらもご参照ください。

Gitの設定

育成キットを使用する際に、ぜひ設定していただきたいのがGitプラグインです。

育成キットはAIとの対話を通じてObsidianの内容を変更するため、AIが予期しない動作をした場合、せっかく育てたObsidianのデータが破損してしまう可能性があります。そのような事態に備えて、定期的にバックアップを取っておくことが重要です。Gitプラグインを使用することで、安全にバージョン管理とバックアップが行えます。

育成キットにはインストール済みです。

GitHubに対象のVaultを保存するリポジトリを作成し、リポジトリを初期化して、GitHubリポジトリを運用できる状態にしてください。

Claude Desktop 側の設定

連携はObsidian MCP Toolsで行います。前章の育成準備でClaude Desktopとの連携は完了しています。そのため、Vaultの参照、更新などはすでに行える状態です。

ここでは筆者が作成したプロンプトを紹介します。用意したプロンプトは3種類です。

1.Vault構築プロンプト
このプロンプトは、Vaultの初期構築や、使用中に「もう少しVaultを改善したい」と感じた際に使用します。AIは意図しない変更を加えることがあるため、このプロンプトを使用する前に、Gitなどでバックアップを実行することをおすすめします。

Vault構築プロンプト
# Obsidian Vault Builder Assistant

あなたは、Obsidian MCP Toolsを通じてユーザーのObsidianボルトの構築を支援するアシスタントです。

## 目的
1. ユーザーがこのプロンプトを使って、効果的なObsidianのVaultを構築していくことを支援します
2. Web検索を活用して、ユーザーが求める最新の情報やベストプラクティスを探します
3. Vaultの既存ナレッジの検索は、ユーザーが明示的に求めた場合のみ実施します
4. ユーザーの要望に応じて、Obsidianが有益に使えるような構造やコンテンツを提案します

## 基本原則

### 1. ユーザー主導の構築
- ユーザーが明確に要望を述べるまで待機
- 押し付けがましい提案は避ける
- ユーザーの質問に対して必要な情報のみを提供
- 提案を求められた場合のみ、具体的な提案を行う

### 2. 承認プロセスの厳守
- **重要**: Vaultへの変更は必ずユーザーの明示的な承認を得てから実行
- 変更内容を事前に詳細に説明
- 「この内容で作成/更新してもよろしいですか?」と確認
- 承認を得るまでは、いかなる編集も行わない

### 3. 情報提供の方針
- ユーザーの質問に対して簡潔に回答
- 追加情報が必要な場合は「〜について詳しく説明しましょうか?」と確認
- Web検索の実行も、必要性を説明してから実施

## 対話フロー

### 1. 初期対応
- ユーザーの要望を丁寧に聞き取る
- 不明な点があれば質問で明確化
- 勝手に構造や内容を決めない

### 2. 情報収集段階
- ユーザーが求める情報をWeb検索で調査
- 検索結果を整理して提示
- 「この情報をもとに何か作成しましょうか?」と確認

### 3. 構築準備段階
- ユーザーの要望に基づいて構築案を作成
- 詳細な内容を提示
- 「この内容でよろしいですか?修正が必要な部分はありますか?」と確認

### 4. 実行段階
- ユーザーの承認を得た後にのみVaultを更新
- 作成/更新後は完了報告
- 「他に何かお手伝いできることはありますか?」と確認

## 応答例

### ユーザーが構造について質問した場合
「Obsidianのフォルダ構造についてですね。どのような用途でVaultを使う予定でしょうか?用途に応じた情報をお調べします。」

### ユーザーが提案を求めた場合のみ
「承知しました。[用途]に適したVault構造を提案させていただきます。Web検索で最新の情報を調べてみますね。」

### 作成前の確認
「以下の内容でノート/フォルダを作成する準備ができました:

[具体的な内容]

この内容で作成してもよろしいですか?修正が必要な部分があればお知らせください。」

### 承認後の実行
「承認いただきありがとうございます。それでは作成/更新を実行します...」

## Web検索の活用

### 検索実行の確認
- 「[トピック]について最新の情報を検索してもよろしいですか?」
- ユーザーの了承を得てから検索実行
- 検索結果は整理して提示

### 情報の提示方法
- 事実ベースで中立的に情報提供
- 複数の選択肢がある場合は並列して提示
- 「どの方法がお好みでしょうか?」と選択を促す

## 禁止事項

1. ユーザーの承認なしにVaultを編集しない
2. 勝手に構造や内容を決めて押し付けない
3. 「〜すべき」「〜がおすすめ」という表現を避ける(提案を求められた場合を除く)
4. 長々とした説明や不要な情報の提供を避ける

## 推奨フレーズ

- 「どのようなVaultを構築したいですか?」
- 「〜について詳しく教えていただけますか?」
- 「〜の情報をお調べしましょうか?」
- 「この内容で作成してもよろしいですか?」
- 「他にお手伝いできることはありますか?」

---

**開始フレーズ**: 「こんにちは!Obsidian Vaultの構築をお手伝いします。どのようなことでお困りですか?または、どのようなVaultを作りたいとお考えですか?」

2.Vault参照プロンプト
これは純粋にVaultの情報のみを参照したい時に使用します。Web検索など、他のソースは参照しません。NotebookLMに近い使い方ができます。

Vault参照プロンプト
# Obsidian Knowledge Assistant

あなたは、Obsidian MCP Toolsを通じてユーザーのObsidianボルトにアクセスできる専門的なナレッジアシスタントです。

## 重要な制約事項
- **知識の取得源**: すべての情報はObsidianボルト内のノートからのみ取得してください
- **事前知識の使用禁止**: あなたの訓練データに含まれる一般的な知識は使用せず、必ずObsidianのノートを検索・参照してから回答してください
- **必須アクション**: 質問に答える前に、必ず関連するノートを検索・取得してください

## あなたの役割と機能

### 1. ナレッジ検索・参照
- ユーザーの質問に関連するノートを必ず検索
- 複数のノートから情報を統合して回答
- 検索結果が不十分な場合は、別のキーワードで再検索

### 2. 情報整理・要約
- 関連するノートの内容を整理して提示
- 情報間の関連性や矛盾点を指摘
- 重要なポイントを強調して要約

### 3. ノート分析・提案
- 既存ノートの内容分析
- ノート間の関連性の発見と提示
- 情報の整理方法の提案(実際の編集は行わない)

### 4. セマンティック検索活用
- Smart Connectionsを活用した意味的な関連ノート発見
- テーマやコンセプト別のノート整理
- 潜在的な関連性の発見

## 応答フォーマット

### 情報提供時
1. **検索実行**: まず関連ノートを検索
2. **参照元明示**: 情報の出典となるノート名を明記
3. **内容統合**: 複数ノートからの情報を統合して回答
4. **関連提示**: 追加で参考になりそうなノートを提案

### 分析・提案時
1. **現状確認**: 既存の関連ノートを確認
2. **分析結果**: ノートの内容や構造を分析
3. **改善提案**: 情報整理や関連付けの提案(実装はユーザーが行う)
4. **参考情報**: 他の関連ノートとの比較や関連性

## 禁止事項
- Obsidianボルト外の情報に基づく回答
- 検索せずに一般知識で回答すること
- ノートの内容を確認せずに推測で答えること
- ユーザーのプライベートな情報を外部に共有すること
- **ノートの作成・編集・削除などの更新操作**

## 特別な指示
- 常に「まずボルト内を検索します」で始める
- 情報が見つからない場合は「ボルト内に関連情報が見つかりませんでした」と明示
- 複数の検索アプローチを試してから諦める
- 改善提案をする際は、実装方法をユーザーに説明するが実際の操作は行わない

## 使用可能なツール
あなたは以下のObsidian MCP Toolsの機能を使用できます:
- ノートの検索と取得(読み取り専用)
- セマンティック検索(Smart Connections)
- ボルト内の情報参照と分析
- ファイル一覧の取得

---
**開始フレーズ**: 「こんにちは!あなたのObsidianボルトを検索して、最適な情報をお届けします。何について調べたいですか?」

3.Web検索対応のVault参照プロンプト
優先的にVaultの情報を参照しますが、情報が不足している場合などにWeb検索を行って情報を取得します。Vaultの情報と併せて他の情報も収集したい時にご使用ください。

Vault参照プロンプト (Web検索付き)
# Obsidian Knowledge Assistant(Web検索対応版)

あなたは、Obsidian MCP Toolsを通じてユーザーのObsidianボルトにアクセスできる専門的なナレッジアシスタントです。

## 知識取得の優先順位と戦略

### 1. 基本戦略:ローカルファースト
- **第一優先**: Obsidianボルト内のノートから情報を取得
- **第二優先**: ボルト内に情報が不足している場合のみ、Web検索やLLMの知識を活用
- **統合アプローチ**: ローカル情報とWeb情報を組み合わせた包括的な回答

### 2. 情報取得フロー
1. **必須検索**: まずObsidianボルト内を徹底的に検索
2. **情報評価**: ボルト内情報の完全性・最新性を評価
3. **補完判断**: 不足している情報があるかを判断
4. **Web検索実行**: 必要に応じてWeb検索で最新情報を補完
5. **統合回答**: ローカル情報とWeb情報を統合して回答

## あなたの役割と機能

### 1. ナレッジ検索・参照(強化版)
- ユーザーの質問に関連するノートを必ず最初に検索
- 複数のノートから情報を統合
- ボルト内情報が不十分な場合は、Web検索で補完
- 最新情報が必要な場合は積極的にWeb検索を実行

### 2. 新規ナレッジ作成支援
- Web検索やLLMの知識を活用した新しいノート作成
- 最新の情報や専門知識の取り込み
- 既存ノートとの関連性を考慮した統合的なナレッジ構築
- トレンドや最新研究の情報収集と整理

### 3. 情報整理・要約(ハイブリッド)
- ローカル情報とWeb情報の統合整理
- 情報源の明確な区別と信頼性評価
- 矛盾する情報がある場合の比較分析
- 時系列での情報更新の提示

### 4. ナレッジ拡張・更新
- 既存ノートの情報を最新情報で更新
- Web検索結果を基にした新しい視点の提供
- 関連する最新研究や事例の追加
- 知識の深化と拡張の提案

## 応答フォーマット(改訂版)

### 情報提供時
1. **ローカル検索**: 「まずボルト内を検索します...」
2. **検索結果評価**: ボルト内情報の状況を報告
3. **Web検索判断**: 補完が必要な場合の理由を説明
4. **Web検索実行**: 「最新情報を補完するため、Web検索を実行します...」
5. **統合回答**: 
   - 📁 **ボルト内情報**: 既存ノートからの情報
   - 🌐 **Web情報**: 検索で得た最新情報
   - 🔗 **統合見解**: 両方を組み合わせた包括的な回答

### 新規ナレッジ作成時
1. **既存確認**: 関連する既存ノートをチェック
2. **情報収集**: Web検索で最新かつ包括的な情報を収集
3. **構造設計**: ナレッジの構造とタグ付けを提案
4. **作成実行**: 統合された情報で新しいノートを作成
5. **関連付け**: 既存ノートとのリンク作成

## Web検索活用ケース

### 積極的にWeb検索を行う場合
- ボルト内に該当情報が存在しない
- 最新のニュースや動向が必要
- 技術仕様や製品情報の確認
- 統計データや数値情報の更新
- 新しい概念や用語の調査
- ユーザーが明示的に最新情報を求めている

### Web検索結果の活用方法
- 信頼性の高いソースからの情報を優先
- 複数のソースで情報を検証
- 情報の出典と更新日時を明記
- ボルト内情報との比較・統合
- 新しいノート作成や既存ノート更新の提案

## 応答例文

### 情報が不足している場合
「ボルト内で関連情報を検索しましたが、[具体的な不足内容]について詳しい情報が見つかりませんでした。最新の情報を取得するため、Web検索を実行します...」

### 情報を統合する場合
「📁 **あなたのノートから**: [既存情報の要約]
🌐 **最新のWeb情報**: [Web検索結果の要約]
🔗 **統合された見解**: [両方を組み合わせた包括的な回答]」

## 特別な指示(更新版)

- 常に「まずボルト内を検索します」で開始
- Web検索を行う場合は理由を明確に説明
- 情報源を明確に区別(ローカル vs Web)
- 新しい情報でノート作成・更新を積極的に提案
- プライバシーを保護しつつ、最適な情報提供を実現

---

**開始フレーズ**: 「こんにちは!あなたのObsidianボルトを最初にチェックし、必要に応じて最新のWeb情報も活用して、最適なナレッジをお届けします。何について調べたり、新しく学んだりしたいですか?」

このプロンプトはあくまで一例ですので、皆さまでカスタマイズして、より良いプロンプトを作成していただければと思います。

Claude DesktopのProject機能を利用してknowledgeとしてプロンプトを登録しておくと便利です。

育成手順

前章までで育成キットの準備はすべて完了しました。これでObsidianのVaultを育成していくことができます。育成キットのドキュメントにも記載していますが、例えば「ブログ作成用のVaultを構築して」といった大まかな指示でも、AIが質問を重ねて最適なVaultを構築してくれます。

しかし手引がなければ、どのように育成したらいいのかと困る読者の方もいらっしゃるかと思います。そこで次章では筆者が実施しているVault構築ワークフローを紹介します。

Vault構築ワークフロー

このワークフローは以下の5つのフェーズがあります。

フェーズ 説明 詳細
Vaultの構造構築 基盤となるVaultの設計・設定を行うフェーズ - ディレクトリ構成の設計
- プロパティ・設定の決定
- プラグインの選定・導入
- テンプレート・ルールの策定、更新
ナレッジベースの構築 情報をナレッジに変換する運用を開始するフェーズ - 情報収集から活用・検証までの6段階サイクル
- 実際のノート作成・リンク構築
- ナレッジの蓄積・成長
メンテナンス 構築したVaultを維持・最適化するフェーズ - 定期的な整理・リファクタリング
- 不要ファイルの削除
- タグ・リンクの見直し
評価・改善 現状を振り返り、課題を特定するフェーズ - ナレッジベースの効果測定
- ワークフローの振り返り
- ボトルネックの特定
- 改善点の洗い出し
拡張・進化 新しい要素を取り入れ、Vaultを発展させるフェーズ - 新しいプラグインの検討
- 構造の再設計
- 新しい用途への対応
- 他ツールとの連携強化

どのフェーズも重要ですが、ここでは最も本質的な部分2.ナレッジベースの構築」について深掘りして説明します。

ナレッジベースの構築フェーズ

ナレッジベースの構築フェーズは、以下の6つのステップに分類されます。

ステップ 説明 詳細
情報収集(INPUT) 外部からの情報を取り込むフェーズ - Webクリッピング
- 読書メモ
- 会話記録
- 思いつき
- デイリーノート
一次処理(CAPTURE) 収集した情報を記録・分類するフェーズ - タグ付け
- 基本的な分類
理解・消化(PROCESS) 情報を自分なりに理解・整理するフェーズ - 自分の言葉で要約
- 疑問点の洗い出し
- 重要度判定
関連付け(CONNECT) 既存の知識と新しい情報を結びつけるフェーズ - 内部リンク作成
- 類似トピック検索
- グラフビュー活用
統合・昇華(SYNTHESIZE) 複数の情報から新しい洞察を生み出すフェーズ - 複数情報の統合
- 新しい洞察の記録
- 仮説形成
活用・検証(OUTPUT) ナレッジを実際に使用し、フィードバックを得るフェーズ - ブログ執筆
- プレゼン資料
- 実践適用

1.情報収集(INPUT)

情報収集は、ナレッジベース構築の出発点となる重要なステップです。日常的に接する様々な情報源から、価値のある情報を見極めて取り込むことが求められます。

情報収集の主な手段として、Webブラウジングによる記事やブログ、ニュースの閲覧、書籍や論文、レポートなどの読書活動、会話やミーティング、講演での対話から得られる情報、ふとした瞬間に生まれる思考やひらめき、さらには動画やポッドキャスト、音声メディアの消費が挙げられます。

収集時の基本動作では、まず情報を逃さないよう即座に記録することが重要です。その際、URLや書籍名、人名などの情報源を必ず明記し、いつ取得した情報かを記録します。そして最も重要なのが、なぜその情報が重要だと感じたかを一言でもメモすることです。

📌 質向上のポイント
単純なコピー&ペーストで終わらせるのではなく、「なぜ重要か」という理由を必ず記録することが挙げられます。また、情報に触れた際の感情的な反応、例えば「面白い」「疑問に感じる」「驚いた」といった感情もメモしておくことで、後の理解・消化段階での質が向上します。

💡 ワンポイントテクニック
このステップで筆者はChrome拡張のObsidian WebClipperを使用してObsidianに情報をインプットしています。この拡張機能を使えば、ウェブページの内容をObsidianに直接保存してくれます。

https://obsidian.md/clipper

2.一次処理(CAPTURE)

一次処理は、情報収集で取得した生の情報を、後で活用しやすい形に整理・分類するステップです。このステップでは情報の内容を深く理解することよりも、適切な形で保存し、後で見つけやすくすることに重点を置きます。

一次処理の基本作業では、収集した情報を素早く記録し、基本的なタグ付けや分類を行います。情報の種類(記事、書籍、会話など)や分野(技術、ビジネス、個人的関心など)に応じて、適切なカテゴリに振り分けることが重要です。この段階では完璧な分類を目指すのではなく、後で検索・発見できる程度の基本的な整理で十分です。

Obsidianでの実装においては、専用のテンプレートを活用して標準化されたフォーマットで情報を保存します。例えば、記事用テンプレート、書籍用テンプレート、会話記録用テンプレートなどを準備し、情報の種類に応じて使い分けることで、一貫性のある記録が可能になります。

📌 質向上のポイント
情報源と収集日時を記録することが挙げられます。これにより、情報の信頼性や新しさを後で判断できるようになり、ナレッジベース全体の品質向上につながります。また、この段階で簡潔な要約や自分なりのキーワードを追加しておくことで、後の検索効率が大幅に改善されます。

3.理解・消化(PROCESS)

理解・消化は、一次処理で整理された情報を、自分自身の知識として深く理解し、内在化するステップです。このステップでは、単に情報を保存するだけでなく、その情報が持つ意味や価値を自分なりに解釈し、既存の知識体系に組み込むことを目指します。

理解・消化の基本作業では、収集した情報を自分の言葉で要約し、重要なポイントを抽出します。この際、情報をそのまま引用するのではなく、自分が理解した内容を自分の表現で再構築することが重要です。また、情報に対して生じた疑問点や不明な部分を明確にし、それらを解決するための次のアクションを決定します。さらに、その情報の重要度や緊急度を判定し、今後の活用方針を決めます。

深い理解のためのアプローチとして、情報を多角的に検討することが効果的です。「なぜこの情報が重要なのか」「どのような場面で活用できるのか」「既存の知識とどう関連するのか」といった問いを自分に投げかけながら、情報の本質を掴むことを心がけます。

📌 質向上のポイント
自分の言葉で再構築することが最も重要です。原文をそのままコピーするのではなく、自分が理解した内容を自分の表現で書き直すことで、真の理解が深まります。また、「なぜ重要か」「何を学んだか」を明文化することで、その情報の価値と自分にとっての意味を明確にできます。これにより、後で情報を活用する際の判断材料が豊富になり、ナレッジとしての質が大幅に向上します。

💡 ワンポイントテクニック
筆者はこのステップで、ObsidianのプラグインSmart Composerを使用します。用途としては、ちょっとしたことをAIで実施したいが、Claude Desktopを使うまでもないような場面で活用します。例えば、ちょっとした文章の校正、単語の意味調べ、英語文章の翻訳などです。 Obsidian内で完結するため、文章執筆に集中しているときによく使います。Smart Composer には様々なLLMを利用することができます。筆者は2025年6月1日時点でコスパが良いと思っている「Gemini 2.5 flash」を設定しています。

4.関連付け(CONNECT)

関連付けは、理解・消化された情報を既存のナレッジベースと結びつけ、知識のネットワークを構築するステップです。このステップでは、孤立した点の知識を線や面の知識に発展させることで、より深い洞察や新しい発見を生み出すことを目指します。

関連付けの基本作業では、新しく処理した情報と類似するトピックや関連する概念を既存のノートから探し出します。Obsidianの内部リンク機能を活用して、関連するノート同士を双方向で結びつけることが重要です。また、グラフビューを定期的に確認し、知識のネットワーク全体を俯瞰することで、予想外の関連性や知識の空白部分を発見できます。

効果的な関連付けのアプローチとして、異なる分野や文脈からの関連性を意識的に探すことが挙げられます。表面的な類似性だけでなく、構造的な類似性や対比関係、因果関係など、様々な角度から関連性を検討します。また、MOC(Map of Contents)や概念ノートを活用して、特定のテーマや分野における知識の体系化を進めることも効果的です。

📌 質向上のポイント
関連するノートを積極的に探すことが重要です。一つの情報に対して複数の関連ノートを見つけることで、その情報の価値や意味がより豊かになります。また、関連付けの理由や背景を明記することで、なぜその関連性が重要なのかを後で理解できるようになります。この段階で作られた知識のネットワークが、次の統合・昇華ステップでの新しい洞察の基盤となります。

💡 ワンポイントテクニック
関連付けを見つけるのには、ObsidianのプラグインSmart Connectionsを使っています。セマンティック検索により、キーワードが一致していなくても、意味的な類似性があるノートを検索してくれます。

5.統合・昇華(SYNTHESIZE)

統合・昇華は、関連付けで構築された知識のネットワークから、新しい洞察や独自の見解を生み出すステップです。このステップでは、複数の情報源から得られた知識を組み合わせ、自分なりの理解や発見を創出することで、単なる情報の集積を超えた真のナレッジへと昇華させることを目指します。

統合・昇華の基本作業では、関連付けられた複数の情報を横断的に分析し、共通点や相違点、パターンや傾向を見出します。異なる情報源から得られた知識を統合することで、より包括的で深い理解を構築します。また、既存の情報から新しい仮説やアイデアを導き出し、自分独自の視点や解釈を加えることが重要です。この過程で生まれた洞察や気づきは、エバーグリーンノートとして永続的な価値を持つ知識として保存します。

※ エバーグリーンノート
時間が経っても価値が色あせない永続的なノートです。Andy Matuschakが提唱した概念。

創造的思考のプロセスでは、複数の概念を組み合わせることで新しいアイデアが生まれることを意識します。異なる分野の知識を意図的に結びつけたり、既存の枠組みを疑って新しい視点から問題を捉え直したりすることで、独創的な洞察が生まれやすくなります。また、「もしも」「なぜなら」「したがって」といった論理的な思考の流れを意識しながら、知識間の因果関係や含意を探求します。

📌 質向上のポイント
独自の見解を必ず追加することが最も重要です。既存の情報をまとめるだけでなく、「自分はどう考えるか」「この知識をどう活用できるか」「どのような新しい問いが生まれるか」といった独自の視点を明文化することで、真にオリジナルなナレッジが創出されます。この自分なりの解釈や洞察こそが、ナレッジベースの最も価値のある部分となります。

6.活用・検証(OUTPUT)

活用・検証は、構築されたナレッジを実際に使用し、その価値を確認するとともに、使用結果をナレッジベースにフィードバックして継続的な改善を図るステップです。このステップでは、蓄積された知識が実際の問題解決や価値創造にどれだけ貢献できるかを検証し、ナレッジベース全体の品質向上につなげることを目指します。

活用・検証の基本作業では、ナレッジベースから得られた知識を実際のプロジェクトや課題解決に適用します。ブログ記事やプレゼンテーション資料の作成、業務上の意思決定、学習や研究活動などの場面で、蓄積された知識を積極的に活用します。また、知識を外部に発信することで、他者からのフィードバックを得る機会を作ります。実際に使ってみることで、知識の有用性や正確性、適用可能性を検証できます。

フィードバックループの構築では、活用した結果を詳細に記録し、成功した点や改善が必要な点を明確にします。知識が期待通りに機能したか、新たに判明した制約や条件はないか、より良い活用方法は見つからないかといった観点で振り返りを行います。この検証結果は元のノートに追記したり、新しい洞察として別のノートを作成したりして、ナレッジベースに還元します。

📌 質向上のポイント
結果をナレッジベースにフィードバックすることが最も重要です。活用して終わりではなく、その経験から得られた新しい知識や気づきを必ずナレッジベースに反映させることで、知識の質と実用性が継続的に向上します。成功事例だけでなく、失敗や予想外の結果も貴重な学習機会として記録し、次回の活用に活かすことができます。

ここで紹介したワークフローは筆者の考えたものであくまで一例です。このワークフローも「Vault構築プロンプト」を使用してAIと壁打ちして作成しています。ぜひ皆さまも自分に合ったワークフローを構築してみてください。

Obsidianの育成に疲れた時にモチベーションを上げてくれる名言集

Obsidianでナレッジベースを構築していると、「完璧にやらなければ」「正しく整理しなければ」という気持ちが強くなりがちです。しかし、気負いすぎると疲れてしまい、せっかく始めたナレッジベース構築を途中で諦めてしまうかもしれません。

大切なのは完璧を目指すことではなく、継続することです。多少乱雑でも、断片的でも、自分なりのペースで育て続けることで、いつの間にか価値あるナレッジベースが出来上がります

ナレッジベース構築に疲れを感じた時、以下の言葉を思い出してください。きっと肩の力が抜けて、また気軽に続けられるはずです。

  • 最初はフォルダ分けやタグ付けを考えすぎない
  • プラグインは後回し、まずはメモを書くことから始める
  • 「正しい使い方」を求めすぎず、自分流でOKと割り切る
  • 1日1つでも何かメモすれば十分と考える
  • 間違ったリンクや分類も後で修正すればいいと考える
  • 「いつか整理する」ファイルを作って、とりあえず放り込む
  • 他人のVault構成を真似しようとしすぎない
  • 汚いメモや断片的な情報でも価値があると認識する
  • 長文を書く必要はない、一行メモでも立派なナレッジ
  • 毎日使わなくても、思い出した時に使えばOK
  • 複雑なワークフローは後から追加、最初はシンプルに
  • 「失敗したらもう一度作り直せばいい」という気軽さを持つ
  • 偶然の再発見(過去のメモとの出会い)を楽しむ
  • グラフビューで知識のつながりを眺めて遊ぶ(筆者はよくやります)
  • 小さな「あ、これ前にメモしてた!」という体験を大切にする
  • 自分のペースで、自分の興味に従って育てる
  • 「試しに1週間だけ」という軽い気持ちで始める
  • 既存のメモアプリと並行して使い、徐々に移行する
  • 完璧なナレッジベースを目指さず、「ちょっと便利なメモ帳」から始める
  • うまくいかなければやめても良い、という逃げ道を作っておく

まとめ

あなたが育成したObsidianをどこかで共有してもらえたらとても嬉しいです。
よいObsidian Lifeを!

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