タスク管理に「AIに依頼」機能をつけたら開発体験がめちゃ向上した話
個人開発でタスク管理サービスを作っています。
そのサービスに 「このタスクをAIに進めてもらう」 機能をつけたらめちゃ体験が良くなったので紹介させてください。
作ってるもの
tone(トーン)というWebサービスを作っています。
コンセプトは「人とAIのためのチームタスク管理」。人が使いやすいインターフェースに加え、MCP経由でAIからも使えるのが特徴のタスク管理サービスです。
今回、このtoneのタスクから直接AIに依頼できる機能をつけてみました。
AIにタスクを依頼する
AIにタスクを依頼する流れを紹介します。
まずは普通にタスクを作ります。タイトルや説明文に実装したい内容を書きます。
まずはタスクを作成
次に、このタスクに 「AIユーザー」 をアサインします。
AIユーザーは人間のユーザーと同じようにアサインできるもので、裏ではAIとどのように連携するか設定されています(後述)。
AIユーザーをタスクにアサインする
AIユーザーをアサインすると、 「タスクを実行する」 ボタンが押せるようになります。
これをポチッとして実行をAIに依頼します。
AIユーザーがアサインされていると「タスクを実行する」ボタンが表示される
実行開始してしばらく待つとタスクが 「IN REVIEW」 のステータスに変わりました。
人間が確認するターンが来たということなので見てみましょう。
確認待ちのタスクはIN REVIEWステータスで示される
タスク詳細を確認すると実行した内容が会話履歴として表示され、実装に変更があった場合はPull Requestが作成されています。
実行が完了すると履歴とPRへのリンクボタンが表示される
内容を確認して、問題なければマージしてタスクをDoneにしましょう。
これで一連の流れは完了です!
この体験の何がうれしいのか?
1. 状況が一覧化できる
AIエージェントに並行で作業を依頼していると、「いま何をお願いしてたかな…」となりがちです。
タスクの形にしておくと作業中のものは「DOING」、確認待ちのものは「IN REVIEW」とステータスが明確で、一覧で状況を確認できるのが便利です。
タスクの状況が一目で分かる
2. 出先でも布団でも、思いついた瞬間にタスクを依頼
外出時のふとしたタイミング、寝る前などにアイデアを思いつくことはないでしょうか?
これまでは忘れないようにメモしていましたが、今はtoneでタスク作成→AI実行 とその場で進めるようにしています。
翌朝自分がパソコンを開くとすでに作業は完了しており、その確認をするところから作業を開始できます。
toneはスマホからも使いやすいように作られています。
パソコンを開ける状況じゃなくてもサッと指示できるのは体験的にとても良いです。
toneはスマホからも使いやすい
3. タスクの洗い出し→AI実行 の流れがスムーズ
例えば新機能の開発時など、プロダクトを触りながら不具合や改善点をタスクとして書き出していくことがあると思います。
一通り書き出した後、これまでは優先度をつけて大事なもの順に人間が作業していました。
toneにタスク化しておけば、上から順にAIユーザーをアサインして実装を依頼するだけですべての作業が並行で進んでいきます。
実際にはコアロジックに関わる部分は人間がやった方が良い場合もあるでしょう。
簡単なものはAIに任せ、私たちは人間がやるべき本質的な部分に取り組めるようになります。
toneにバックログを溜めておくとAIにパスしやすい
4. その他のポイント
<スムーズな日本語入力>
グローバルなサービスだと日本語入力が思うようにいかなかったりしますよね(漢字変換を確定しようとしたらSubmitされるとか)。
toneは日本語環境でストレスなく使えるように作られており、快適に利用できます。
<フォローアップにも対応>
AIエージェントはかなり賢いですが、たまに期待と違う方向に進むことがあります。
そんな時はタスクにもう少し情報を与えたり、フォローアップで追加の指示をしたりしてみてください。
toneのタスク上からフォローアップできるようになっています。
意図通りの結果が得られない場合はフォローアップで補足できる
<他メンバーにもタスクを見える化>
タスクをAIに依頼しようとすると、自然とある程度の情報をタスクのタイトルや説明文に書くようになります。
こうして書き出しておくと他メンバーになんとなく作業状況を伝えられて連携しやすくなります。また、自分で後から見返すのにも便利です。
AIユーザーの設定方法
AIユーザーの設定は簡単です。
AIユーザーを作成し、CursorのAPIキーとGitHubリポジトリの情報を設定します。
Cursorを使ったことのある人なら3分くらいで設定できるはずです。
詳細はこちらの記事を見てみてください。
伴走型のタスク、委譲型のタスク
t-wadaさんゲスト回のfukabori.fmで、Agentic Codingは「伴走型」「委譲型」に分けられるという話がありました。
Agentic Codingは「伴走型」と「委譲型」に分けられる
「伴走型」 は人間がパソコンの前に座り、指示を出しながら着実に実装していくスタイルです。
コアとなる設計や複雑な機能などはこの方法が適しているでしょう。
「委譲型」 は人間がその場にいる必要はなく、AIに丸っとお願いしてレビューのタイミングで人が入ります。
こちらのスタイルは今回紹介した機能ととても相性が良いです。
勝手に進めておいてほしい内容はタスク化し、バシバシとAIに渡してみてください。
まとめ
タスクから直接AIを呼び出せるようにした話を書きました。
実際に自分でもかなり使っており、週末は電車の移動時間を使ってひとつWebサービスを作ってリリースしました。
tone自体の開発もこの機能を使って進めていて、手放せない機能になりつつあります。
自分がいない間にタスクが進むのはなかなか気持ちよいものです。みなさんもぜひ試してみてください:)
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