プライバシー保護とは別視点のDuckDuckGoのすゝめ
概要
DuckDuckGoは利用者のプライバシーの保護をテーマとした検索エンジンであるが、それ以外にもGoogleに勝る機能がある
- 地域設定
- それぞれの検索結果の専有する縦幅
- ログイン不要の設定保存
- bang
- キー不要の無料API
DuckDuckGoとは何か
DuckDuckGoは、利用者のプライバシーの保護と利用履歴等を記録保存しないことを運営方針としている検索エンジンです。
Google等多くの検索エンジンやウェブサービスではユーザーにまつわる情報が営利活動に利用されています。DuckDuckGoはこれに一石を投じる検索エンジンです。
この記事ではこのようなDuckDuckGoの基本的な方針やメリットとは異なった視点で、この検索エンジンを使うメリットを紹介していきます。
地域設定
プログラマーのあなた、多言語話者のあなた、より質の高い情報が英語の記事として存在することを知っているあなたであれば、日本語の情報を検索結果から除外したいと思うことが少なからずあることでしょう。DuckDuckGoであればそれは簡単に切り替えられます。Googleではとても手間のかかる作業ですが、DuckDuckGoでは検索窓のすぐ下にあるスイッチを押すだけです。
設定画面でデフォルトの地域を設定できます。スイッチをオフにすることでAll regionsとなり、全世界共通の検索結果が表示されます。よく使う地域は地域名をクリックしたときに上位に表示されます。
それぞれの検索結果の専有する縦幅
DuckDuckGoではGoogleよりも検索結果のページ設定を細かく変えることができます。ページ幅をさらに広めにすることで、検索結果それぞれの縦幅が狭まり、ページ内の情報量を増やすことができます。
ページ幅: さらに広め とすることで、画面内に表示される検索結果の数が増えます。
中央揃え: 有効 とすることでバランスが取れます。
フォントサイズ: 小とすればさらにページ内の情報量が増えます。
以下がGoogleと比較した場合の画像です(フォントサイズは中)。
Googleでは右側のスペースが非常に無駄になっているのが見て取れますね。これ、2024年3月3日の時点ではGoogleの設定上で解決する方法がありません。
ログイン不要の設定保存
DuckDuckGoはプライバシー重視のサービスですが、ユーザー固有の設定をクラウドに匿名で保存することもできます。背景色やタイトル色等、自分好みにカスタマイズできます。クラウドに保存した設定はパスフレーズによって読み込んで反映できるので、どの環境でも気軽に自分の設定を反映させることができます。
bang
!マークで始まるおまじないを検索キーワードに追加することで、外部サービスで検索することができます。
例:
Google: !g
Google Maps: !m
Google Translate: !gt
Wikipedia: !w
DuckDuckGoをWikipediaで検索: duckduckgo !w
bangは必ずしも先頭に書く必要はないので、検索キーワードを入力しながらWikipediaで検索したいと思い立ったときに最後に!wを追加するだけで機能するので地味に便利ですね。
bangは他にもたくさんあります。ここで検索できます。
キー不要の無料API
Pythonではpip install -U duckduckgo_search
でインストールできます。
LangChain(大規模言語モデル(LLM)を簡単に扱えるライブラリ)の中でも、LLMにWEB検索結果を与えるツールとしてDuckDuckGoが使えます。Googleなどと違い、APIキーの準備が不要なので手間が省けますね。
from langchain.tools import DuckDuckGoSearchRun
まとめ
DuckDuckGoには検索エンジンとしての様々な利便性があり、プライバシー保護を気にしない人にとっても利用価値があります。
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