未経験文系がIT企業に就職するために必要なこと
はじめに
毎年、年始から夏にかけて新卒採用が各社において取り進められていることでしょう。
その中でも、本記事では「ITエンジニア」へ就職を目指す文系学生に向けた内容となっています。
非情報系学生の経験や本音
情報系の学部出身の就活生に、採用面接で「プログラミングの経験は?」「何か準備(勉強)をしていますか?」と聞くことがあります。
そのとき、「HTMLやCSSを学習しています」と答える学生が多く存在しました。
ITエンジニアの基礎知識
いくつか種類のある「ITエンジニア」
ITエンジニアと言っても、「Web系エンジニア」や「システムエンジニア」など、いくつかの種類があります。
ですが、対象となる顧客・業種が異なるだけで、やっていることに大きな違いはありません。
ITエンジニアの仕事内容は?
まず、昨今の「情報システム」はインターネット上から使用できるものがほとんどです。
皆さんが普段利用しているSNSやゲームも、インターネットを通じて他の人とコミュニケーションをとります。
何気なく使っているこれらのサービスも、インターネット上に存在する「サーバー」と呼ばれる機械でいろいろな処理を行っています。
「IT企業」って実は何種類もあんねん
まず第一に、一言で「IT企業」といってもいくつかの分野に分かれており、
それぞれが得意とする分野や顧客があります。
SIer
IT企業の中での大多数を占めるのが「SIer(エスアイヤー)」です。
SIは「システムインテグレータ」の略で、主に企業を対象とした受託開発を行います。
このサーバー上で動くソフトウェアを作ることを主な業務としており、
ネットバンキングや銀行のATM、証券取引、物流といったさまざまなサービスを開発しています。
また、このSIerの中にも「メーカー系」や「ユーザー系」、「独立系」といった種類があります。
この種類によって、相手をする企業が変わったりしますのである意味注意が必要です。
Web系
いわゆる「キラキラエンジニア」の多くはこのWeb系の企業に属しています。
SIerと同様に、企業を相手とした受託開発をすることが多いのですが、
主に、デザインやWebサイト構築、そして運用といった業務を行います。
自社サービス開発
受託ではなく、自社でサービスを開発・そして販売している企業を指します。
基本的には特定のプロダクト(製品)を持っており、その製品を開発してサービスを提供しています。
SES
よく話題に上がるのが「SES」という業態です。
SESは「System Engineering Service」の略で、簡単にいうと「エンジニアを派遣して働く」という働き方をします。
多くのSESは、顧客となる企業へ常駐して作業を行いますので、働く側からしたら派遣と大差がないといえます。
未経験におススメの「Progate」
未経験の非情報系の学生の皆様からすると、「なにをどう勉強していいか分からない」と思うことも多いと思います。
そこで、「Progate」というサイトを紹介します。
Progateのメリット
Progateでは、「プログラミングをするための基礎準備」というところからはじめます。
完全未経験ですと、「プログラミングってどんなことをするんだろう?」という部分からのスタートですので、プログラミングを始めるための準備をするだけでも大変です。
Progateは、Webブラウザからプログラミングを試すことができますので、 とても簡単に学習を開始できます。
まずは、Progateの無料会員に登録して、プログラミングの基礎部分を勉強してみましょう。
それで「楽しい」と思えそうなら、IT企業への就職はすぐそこです。
無料会員では途中で終わってしまうので、有料会員になって続きをやるのもよいでしょう。
たくさんあるコース
Progateを見てもたくさんのコースがありますが、じつは大きく3つの分類に分かれます
- プログラミング言語
- マークアップ言語
- フレームワーク
マークアップ言語
マークアップ言語はプログラミングに特化した言語ではなく、 表示する内容や手順を記載するために使用します。
HTMLやCSSはこのマークアップ言語に属していて、Webページを表示する内容を記載するために使用します。
そのため、「HTMLやCSSを勉強した!」と言っても、実はまだITエンジニアの第一歩は踏み出せていないのです。
とはいいつつ、このHTMLやCSSの知識は最低限必要ですので、 習得していて何も損はありません。
プログラミング言語
「プログラミング」と一言でいうと、このプログラミング言語を指します。
実際にプログラミング(コンピュータで計算を行うための記述)を行うための言語です。
Progateですと、
- JavaScript
- PHP
- Java
- Ruby
- SQL
がプログラミング言語に相当します。
フレームワーク
フレームワークとは、「実際に動くアプリケーションを作るときに使うもの」と考えてください。
プログラミング言語の次のステップとなるコースです。
プログラミング言語だけで勉強は終わりません。 フレームワークは「プログラミング言語を使ってサービスを作る」ためのものです。
たとえ、Progateにあるコースですと、jQueryやRuby on Railsがそれに相当しますが、 jQueryはJavaScript、Ruby on RailsはRubyのためのフレームワークです。
仕事でのプログラミングではフレームワークを使わないことはまずありませんので、最終的には
プログラミング言語 + マークアップ言語 + フレームワーク
これらのすべての知識を兼ね備えた上で業務へあたることになります。
どれから勉強をはじめればいい?
もし、「フロントエンドがやりたい!」のようにある程度やりたいことが決まっているのであればその言語を勉強することをおススメします。
ですが、どの言語からはじめたらいいか分からない!という人も多いことでしょう。
その場合には、「Java」コースから始めるとよいでしょう。
どうしてJava?
Javaは、プログラミング言語の中でも覚えやすいプログラミング言語であり、 日本で使用されているプログラミング言語の中でも一番使われています。
そのため、Javaを学習することで、IT企業全般の就職へ有利になります。
「基礎を知っている」と「まったく知らない」のでは天と地との差があります。
お勧めのコース
実際に、SIerの業務でもよくつかわれるコースは次の4つです。
- Java
- HTML&CSS
- JavaScript
- SQL
- jQuery
Javaが他の言語に変わるか?という程度の違いしかなく、これらの知識はWeb系でも必須の知識が含まれます。
そのため、ITエンジニアの入門セットと考えてもよいでしょう。
Progateがつまらない?
もし、Progateが簡単すぎてつまらないと感じたら、自分でひとつ何かを作ってみましょう。
たとえ、Androidなどのスマートフォンアプリがお勧めです。
自分でプログラミングしたものが、実際に自分のスマートフォンで動くと感動を覚えると思います。
「Android + 入門」と検索するだけで、入門者のための記事を調べることができますので、 ぜひチャレンジしてみてください。
さいごに
ITエンジニアの最初のステップは「プログラミングをする」ことから始まります。
つまり、Progateは初歩中の初歩に過ぎないということです
ですが、「プログラミングのことをまったく知らない」ままで就職活動するのも大変ですし、もし決まったとしても不安でいっぱいだと思います。
Progateなどを使うことで、まずは「プログラミングが自分に合っているか」を知ることができます。
もし、「あっている」と思えたら、全力でそのことを面接官にアピールしていきましょう。
非情報系からITエンジニアになるためにはたくさんの勉強が必要ですが、
「勉強したい」という強い意志さえ持ってくれれば、多くの企業では入社後に手厚い学習サポートをしてくれます。
そのため、特に文系未経験が企業を選ぶ際には「入社後の研修でなにをやっているのか」という点を重視して就職活動をするとよいでしょう。
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