Thunder Clientとは?長所と短所への全面的なガイド
Thunder ClientはVisual Studio Code(VS Code)の拡張機能で、APIクライアントとしての役割を果たします。APIテスト、コレクション、テストスクリプト、CI/CD連携、Gitによる共同作業、ローカルストレージなどの機能を提供しています。多くのユーザーは、軽量なGUIベースのAPIテストツールとして、Postmanの代替としてThunder Clientを好んで使用しています。
Thunder Clientの主な機能
Thunder Clientは軽量でありながら、APIテストに必要な機能が揃っています。たとえば以下のような機能があります:
- APIパラメータ、ヘッダー、ボディのGUIベースの設定により、リクエストを簡単に送信可能
- GUI内で直接レスポンス結果を表示
- スクリプト不要の組み込みテスト機能で、指定条件に対してレスポンス結果を検証
- リクエストをコレクションに整理し、一括実行が可能
- 環境変数に対応し、テストや本番用に複数セットの変数設定が可能
- Postmanのコレクションファイルをインポートして使用可能
VSCode内で開発中に直接APIテストを行いたい方にとって、Thunder Clientは優れた選択肢です。
Thunder Clientの使い方
VS CodeでThunder Clientを使用してAPIテストを行う方法を紹介します。
Thunder Clientのインストール方法
まず、Visual Studio CodeでThunder Clientを拡張機能としてインストールします。手順は以下の通りです:
- Visual Studio Codeを開き、左側のメニューで拡張機能アイコンをクリックします。
- 検索ボックスにThunder Clientと入力します。
- 検索結果からThunder Clientを選択し、インストールボタンをクリックします。
これでThunder Client拡張機能がインストールされます。
Thunder ClientでのAPIテスト
インストール後、VS Codeの左メニューにThunder Clientのアイコンが表示されます。クリックして使用を開始します。
ステップ 1: 最初に、画面上部のNew Requestボタンをクリックし、新しいリクエストを作成します。
ステップ 2: APIの設定画面が表示されます。ここでHTTPメソッド、APIエンドポイント、必要なパラメータを入力し、Sendボタンをクリックしてリクエストを送信します。
送信済みのリクエストは、左側のActivityタブに表示されます。
APIレスポンスデータの検証
サーバーからのレスポンスデータを受信した後、Thunder Clientのテスト機能を使ってそのデータを検証できます。
API実行画面のTestsタブで検証条件を追加できます。たとえば、以下の条件を設定可能です:
- レスポンスコードが200であること
- レスポンスタイムが500ミリ秒以内であること
- データ形式がJSONであること
Sendボタンをクリックすると、レスポンス検証結果が右側のパネルに表示されます。
Thunder Clientでのコレクション実行
Postmanと同様に、Thunder Clientもコレクションの実行に対応しています。以前送信したリクエストをActivityタブでコレクションに追加するか、コレクション内に新しいリクエストを作成可能です。
Thunder Clientでは複数のリクエストを一括で送信できますが、リクエストのグループ化や条件ベースのテストなど、高度な機能は提供されていません。また、コレクションの実行は無料版では月30回の制限があります。
Thunder ClientはPostmanの代わりになるか?
Thunder ClientがVS Codeの拡張機能としてPostmanを完全に置き換えることができるかについてですが、Thunder Clientは軽量な分、Postmanが提供するより高度なAPIテスト機能が不足しています。しかし、開発中にVS Codeから直接APIリクエストを送信したい場合には非常に便利です。
次に、Thunder ClientがPostmanに劣る点を見ていきます。
無料版の制限
まず、Thunder Clientの無料版には機能制限があり、API開発に必要な多くの機能が利用できません。一方、Postmanは無料版でも多くの機能を提供しており、モックサーバーの設定やテストの自動化、プロジェクトでの共同作業も可能です。ただし、Postmanも高度な機能には使用制限がかかる場合があります。
高度なテストと自動化
Thunder Clientでは、同一コレクション内に複数リクエストを追加して一括実行が可能ですが、リクエストのグループ化や条件分岐といった高度なテスト機能はありません。対してPostmanでは、コレクションやフロー機能を使って条件付きでテストステップを追加し、APIテストの自動化が簡単に行えます。
コラボレーションの課題
Thunder Clientにはアカウントシステムがないため、チームでAPI開発を行う際の連携が難しく、APIデータの共有が困難です。PostmanはチームメンバーとのAPIデータの更新を円滑に行えるコラボレーション機能を提供しています。
また、EchoAPIもPostmanと同様のコラボレーション機能を提供しており、チーム全体でのデータの即時同期が可能です。チームメンバーは変更内容をメインブランチにマージすることで、効率的にAPI開発のコラボレーションが行えます。
まとめ
本記事では、VS Code拡張機能のThunder Clientを紹介し、Postmanの代替としての可能性を検討しました。
Thunder Clientは、GUIベースのレスポンス検証や複数リクエストの一括実行など、APIテストに必要な基本機能を提供していますが、モックサーバーの設定やテストの自動化、コラボレーションなどの高度な機能はありません。そのため、Thunder Clientは簡易なAPIリクエストには便利ですが、本格的なAPIテストにはPostmanが適しています。
APIテストや共同作業が重要なAPI開発には、EchoAPIも有力な代替手段として検討でき、使いやすさと高度なテスト機能を提供しています。
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