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"UNIXという考え方―その設計思想と哲学"を読んだ感想ポエム

2023/04/21に公開

かつて或る敬虔なUNIX教徒は言った。CLIとVimこそが思考とコーディングの速度を同期させるのだと。しかし、彼の崇高な理念が大衆に理解されることは無く、エディタハラスメントなどと揶揄される始末であった。当時無知蒙昧であった私も彼の教義は皆目理解出来ず、八正道さながら私のような凡夫にとっては実践困難な代物に感じていた。だが、私は愚かであった。UNIXを理解するというのは、計算機科学の涅槃に到達することに等しいのだ。一見ユーザーに不新設に見えるインターフェースも、人間との対話ではなくプログラム間の通信に焦点を当てていると考えると非常に合理的である。最小限の機能を持つコマンドをパイプで繋げる芸当も、個々の数式から新たな定理を導くようであり、非常に数理的なアプローチと言える。このような思想はアジャイルやマイクロサービスという形で現代にも脈々と受け継がれている。UNIXは太古の文明ではなく、情報工学が世俗化している現在にこそ必要とされるエンジニアの教養なのだ。

その思いを胸に、今日も私はWindows上でVisual Studio Codeを開くのであった。

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