コミュニティ活動がきっかけでStripeに転職した話とコミュニティ採用について
2021/11/29から、Stripeにジョインしました。
自分の知る限りでは、日本でコミュニティ経由でStripeに入社したのは、自分が一人目なはずなので、そのへんの振り返りを兼ねて、Stripe Advent Calendar 1日目の記事としたいと思います。
StripeとStripeコミュニティへの関わり
Stripeそのものを触り始め、Stripeコミュニティ(以降JP_Stripesと表記)への関わりが始まったのが2017年でした。
在籍していた会社でStripeを採用することになり、Stripeに関する情報がより知れる場所を探していた時期だったと記憶しています。そしてちょうどその時期に日本でユーザーコミュニティを立ち上げようという動きもあり、京都コミュニティの立ち上げに参加することになりました。
当時のイベントページ:https://eventregist.com/e/JP_Stripes_Kyoto_vol0
「決済周りについて、知っていることが多い方が仕事でもキャリアでもいい方向に行きそうだ」と思ったことから、その後も京都での開催を定期的に行いました。内容は自分の興味関心が中心ではありましたが、引越しで京都を離れるまでに6回開催し、知っている限りでは東京以外での開催では最多タイ(福岡・沖縄・札幌など)でした。
また、「そろそろユーザーカンファレンスやりたいですよね」と懇親会で何の気なしに言った結果、あっという間に外堀が埋められて日本初のStripeユーザーカンファレンスの実行委員長も経験しました。
サイト:https://connect2019.jpstripes.com/
当日の様子:https://togetter.com/li/1330337?page=17
初めての開催なこともあり、トラブルができるだけ起きにくく、また、参加したメンバーが燃え尽きてしまわないようタスクや規模感の制御を意識して動いていた記憶があります。(並行して実行委員をしていたカンファレンスや、結婚式の準備を控えていたこともありますが・・・)
カンファレンスの後は、Zennで本を書いてみたり( https://zenn.dev/hideokamoto/books/e961b4bad92429 )、それをきっかけにStripe CLIチームの方とチャットする機会をもらったり、また別途友人とCapacitorでStripeを扱うプラグインのメンテナンスをしたりしていました。
結果的に、運営・スピーカー・OSS開発者の3視点でコミュニティと関わることになったことで、StripeやStripeのユースケースについていろんな角度から考えることができるようになったのではないかと思います。
Stripe入社試験
Stripeを受けてみようと思ったきっかけも、コミュニティでした。
Clubhouseが話題になった頃、実験的にJP_StripeのオンラインイベントをClubhouse上で開催していました。(集まり自体はAndroidユーザーが当時参加できない問題があったことや、Clubhouseでオンラインになる人がそもそも減っていったことで長く続きませんでした)
その中で、一度だけ自分とStripeの日本メンバーだけが参加・視聴している会がありました。
「せっかくなので、次回以降の企画などの話をしましょうか」ということで、「開発者的に、あると嬉しいと思う企画やイベント」の話をしていました。その中でふと、「これ、自分が中の人としてやれたら面白そう」と思うようになったのが、志望してみようかなと考えはじめたきっかけです。
また、これまで日本では原宿にあるオフィスに出社する必要があると記載されていた募集要項が、いつのまにかリモート勤務に変わっていたことも、強く関心を持ったことを覚えています。
応募するにあたっては、事前に日本オフィスの代表であるダニエルさんと面談をしたり、APACのHiring ManagerとZoomを行いました。
「どういうことがやりたいかを具体的に伝えれるように準備しておくとよい(意訳)」と助言を頂いたため、知人にレビューしてもらいながらNotionで企画書を複数作ったり、LinkedInの情報を整理するなどの準備を行い、入社試験に臨みます。
事前に面接でどのような話をするかを大まかに共有してもらえたのですが、そもそも英語で面接をうけることが初めてなので、その時点でかなり不安になっていた記憶があります。
ただ、いざ始まってみると、「やりたいこと」については用意した資料を軸に話すことができましたし、「それができると思っている理由」などの深掘りした話題についても、コミュニティでの経験をもとに伝えることができました。また、これはあくまで個人的な印象ですが、「1回目のコミュニティカンファレンスの実行委員長」で「面識のある社員も数人いる」ことから、面接して頂いた方々もある程度事前に情報を持った状態で参加できたのではないかとも思います。
コーディング試験で時間切れになったり、喋りたい英単語が出てこずにしどろもどろになったりいろいろあったので、「若干来年再受験かなー」と思っていましたが、幸いにも1発合格できました。
コミュニティを通しての相互理解
ただの1受験者としての感想にはなりますが、今回入社することができたのは間違いなくコミュニティのおかげだと思います。
コミュニティという場があったことで、学んだことのアウトプットと、それによる経験の言語化ができました。また、参加者との交流や他の登壇者の話を聞くことで、全く違った分野・視点での考え方や事例を知ることもできました。そしてなによりも、国内外問わず、Stripeのメンバーの方と直接やりとりをしたり、プロダクトの話をすることができました。
そう思うと、「コミュニティにいたから入れた」ではなく「コミュニティを通して会社のことをより深く知れたから入れた」と考えた方が適切かもしれませんね。
個人的には、Stripe社側としても、「目につく場所(コミュニティ)で目立つ行動をしている人間が応募してきた」という状況は多少扱いやすいケースだったのではないかなと思います。違ったらすみません。
おわりに
自分のケースはかなりの偶然が積み重なっていて、「幸運値全振り状態だった」と言われても仕方ないかなと思います。が、ベンダー本体でなくとも、それを使って開発や運用を行なっている会社などで似たような機会を得ることができるかもしれません。
「プロダクトや会社をより深く知ることができる場」としてコミュニティが存在する場合、「そのような人物とよりカジュアルな形で知り合うことができるかもしれない場」とも考えることができると思います。
「コミュニティに参加したから転職できる!」とはなかなかならないと思いますが、「こんなことが自分以外でも起きるとよいな」と思いますし、Stripeに関しては、Developer Adovocate職としてそうなるように貢献できればと思います。
また最後に、勤務時間内のコミュニティ活動を許容してくださり、またスポンサードや登壇のための旅費支援など、コミュニティへの参加を積極的に支援して頂いた前職・株式会社デジタルキューブには感謝してもしきれません。
いつもと違い、自分のことを延々と書きましたが、コミュニティでの経験からStripeに入社できたことの感謝と、これからどうありたいかの表明ということで締めさせていただきます。
次回以降のアドベントカレンダー記事は、いつもどおりガッツリ技術に振っていくと思います。
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