dockerfileのカスタマイズを分解して解説してみた
はじめに
エンジニア転職を目指しRuby on Railsを中心に学習中の初学者です。
備忘録として、躓いたことやケアレスミスも含め投稿します!誤っている箇所などありましたらご指摘いただけると幸いです
対象読者
- Ruby on Rails初学者
- docker初学者
- Mac利用者
記事概要
今回の対象dockerfile
FROM ruby:3.2.3
ENV LANG C.UTF-8
ENV TZ Asia/Tokyo
RUN apt-get update -qq \
&& apt-get install -y ca-certificates curl gnupg \
&& mkdir -p /etc/apt/keyrings \
&& curl -fsSL https://deb.nodesource.com/gpgkey/nodesource-repo.gpg.key | gpg --dearmor -o /etc/apt/keyrings/nodesource.gpg \
&& NODE_MAJOR=20 \
&& echo "deb [signed-by=/etc/apt/keyrings/nodesource.gpg] https://deb.nodesource.com/node_$NODE_MAJOR.x nodistro main" | tee /etc/apt/sources.list.d/nodesource.list \
&& wget --quiet -O - /tmp/pubkey.gpg https://dl.yarnpkg.com/debian/pubkey.gpg | apt-key add - \
&& echo "deb https://dl.yarnpkg.com/debian/ stable main" | tee /etc/apt/sources.list.d/yarn.list
RUN apt-get update -qq && apt-get install -y build-essential libpq-dev nodejs yarn vim
RUN mkdir /myapp
WORKDIR /myapp
RUN gem install bundler
COPY . /myapp
dockerfile解説
解説用ファイル
FROM ruby:3.2.3
#homebrewのrubyのバージョンも確認する事。
#コンテナを作るためのベースイメージを設定。
# 参考:https://hub.docker.com/_/ruby
ENV LANG C.UTF-8
# 環境変数LANGをC.UTF-8に設定しています。
# 理由: コンテナ内での文字エンコーディングをUTF-8に設定することで、文字化けなどの問題を防ぐため。
ENV TZ Asia/Tokyo
# 環境変数TZをAsia/Tokyoに設定しています。
# 理由: コンテナ内のデフォルトのタイムゾーンを日本時間に設定するため。
RUN apt-get update -qq \ # 「\」は一行で複数の命令をおこなう際の区切りで使います。
# apt-get update -qq: パッケージリストを出力を抑えて更新します。
# -q は "quiet"(静かに)の略で、コマンド実行時の出力を減らします。
# -qq と連続して指定することで、さらに出力を抑え、エラーメッセージ以外の出力をほとんど表示しないようにします。
&& apt-get install -y ca-certificates curl gnupg \
# 「&&」は一行で複数の命令をおこなう際に先頭で使います。
# 「-y」は「本当にインストールしますか?」といったインタラクティブな回答を求められた時に毎回yesを選択しスキップさせるものです。
# 証明書、curl、gnupgをインストールします。
# ca-certificates:TLS/SSL証明書(CA証明書)の取得をするパッケージ
# curl:curl(Client URL)は、コマンドラインからHTTPリクエストを送信するためのツールです。URLを指定してデータを取得したり、データを送信したりすることができます。curlはHTTPだけでなく、FTPやSMTPなどの他のプロトコルもサポートしています。→URLデータ通信
# gnupg:暗号化ソフト
&& mkdir -p /etc/apt/keyrings \
# キーリングディレクトリを作成します
# mkdir: ディレクトリを作成するコマンドです。
# -p オプション: 指定したパスに存在しない親ディレクトリがあれば、それらもまとめて作成します。既にディレクトリが存在する場合でもエラーを出さずに処理を続行します。
/etc/apt/keyrings: 作成するディレクトリのパスです。
&& curl -fsSL https://deb.nodesource.com/gpgkey/nodesource-repo.gpg.key | gpg --dearmor -o /etc/apt/keyrings/nodesource.gpg \
# curl -fsSL https://deb.nodesource.com/gpgkey/nodesource-repo.gpg.key:指定されたURLからGPGキーをダウンロードします。
# -fsSL:これら4つを一括りにしたもの。-f:リクエストが失敗した場合にエラーメッセージを表示しません。-s:進行状況やエラーメッセージを表示しません(サイレントモード)。-S:エラーが発生した場合にエラーメッセージを表示します(-sと併用)。-L:リダイレクトが発生した場合に自動的に追跡します。
# これらのオプションを組み合わせることで、エラーメッセージのみを表示し、リダイレクトがあっても自動的に正しいURLを追跡してダウンロードできます。
# | gpg --dearmor -o /etc/apt/keyrings/nodesource.gpg: ダウンロードしたGPGキーをバイナリ形式に変換し、指定した場所に保存します。
# --dearmor:ASCIIアーマー形式のGPGキーをバイナリ形式に変換します。
# -o /etc/apt/keyrings/nodesource.gpg:変換したバイナリ形式のキーを/etc/apt/keyrings/nodesource.gpgというファイル名で保存します。APTはバイナリ形式のGPGキーを使用するため、ダウンロードしたキーを適切な形式に変換して保存する必要があります。
&& NODE_MAJOR=20 \
# node.jsのメジャーアップデートバージョンを20に設定。
&& echo "deb [signed-by=/etc/apt/keyrings/nodesource.gpg] https://deb.nodesource.com/node_$NODE_MAJOR.x nodistro main" | tee /etc/apt/sources.list.d/nodesource.list \
# Node.jsのリポジトリをAPTのソースリストに追加します。
# deb:バイナリパッケージのリポジトリを指定する際に使用します。
# [signed-by=/etc/apt/keyrings/nodesource.gpg]:このリポジトリのパッケージを検証する際に使用するGPGキーの場所を指定します。
# https://deb.nodesource.com/node_$NODE_MAJOR.x:NodeSourceが提供するNode.jsのリポジトリURLで、$NODE_MAJOR には使用するNode.jsのメジャーバージョン番号が入ります。
# nodistro:ディストリビューションのコードネームを指定する場所ですが、ここでは特定のディストリビューションに依存しないことを示すために nodistro としています。
# main:リポジトリ内のセクションを指定します。
#| tee /etc/apt/sources.list.d/nodesource.list
# |(パイプ):前のコマンドの出力を次のコマンドの入力として渡します。
tee /etc/apt/sources.list.d/nodesource.list:
# 意味:標準入力から受け取った内容を指定したファイルに書き込み、同時に標準出力にも表示します。
# 理由:/etc/apt/sources.list.d/ ディレクトリ内に nodesource.list という新しいファイルを作成し、そこに先ほどのリポジトリ情報を書き込むためです。
&& wget --quiet -O - /tmp/pubkey.gpg https://dl.yarnpkg.com/debian/pubkey.gpg | apt-key add - \
#YarnのGPGキーを取得し、APTに追加するためのものです。これにより、Yarnのパッケージを安全にインストールできるようになります。
# wget --quiet -O - https://dl.yarnpkg.com/debian/pubkey.gpg
# 意味:指定されたURLからファイルをダウンロードし、その内容を標準出力に出力します。
# オプションの説明:
# --quiet:ダウンロード中の出力を抑制し、静かに実行します。
# -O -:ダウンロードした内容を標準出力(-は標準出力を意味します)に出力します。
# 理由:GPGキーを直接取得し、その内容を次のコマンドに渡すためです。
# | apt-key add -
# |(パイプ):前のコマンドの出力を次のコマンドの入力として渡します。
# apt-key add -:
# 意味:標準入力から受け取ったGPGキーをAPTの信頼できるキーリストに追加します。
# -:標準入力からデータを受け取ることを指定します。
# 理由:APTがYarnのリポジトリからパッケージをダウンロードする際、そのパッケージの信頼性を検証するために、このGPGキーを使用します。
&& echo "deb https://dl.yarnpkg.com/debian/ stable main" | tee
/etc/apt/sources.list.d/yarn.list
# echo "deb https://dl.yarnpkg.com/debian/ stable main"
# 意味:指定された文字列を標準出力に表示します。
# 内容の解説:
# deb:バイナリパッケージのリポジトリを指定する際に使用します。
# https://dl.yarnpkg.com/debian/:YarnのパッケージがホストされているリポジトリのURLです。
# stable:リポジトリ内のディストリビューションを指定します。ここでは安定版を意味します。
# main:リポジトリ内のセクションを指定します。
# | tee /etc/apt/sources.list.d/yarn.list
# |(パイプ):前のコマンドの出力を次のコマンドの入力として渡します。
# 意味:標準入力から受け取った内容を指定したファイルに書き込み、同時に標準出力にも表示します。
# 理由:/etc/apt/sources.list.d/ ディレクトリ内に yarn.list という新しいファイルを作成し、そこにYarnのリポジトリ情報を書き込むためです。
RUN apt-get update -qq && apt-get install -y build-essential libpq-dev nodejs yarn vim
# 意味: パッケージリストを更新し、必要なパッケージをインストールします。
# 理由: アプリケーションのビルドや開発に必要なツールやライブラリを揃えるためです。
# build-essential: コンパイルに必要な基本ツール集です。
# libpq-dev: PostgreSQLの開発用ライブラリです。
# nodejs: Node.js本体です。
# yarn: JavaScriptパッケージマネージャーです。
# vim: テキストエディタです。
RUN mkdir /myapp
# 意味: /myappというディレクトリを作成します。
# 理由: アプリケーションのコードを配置するためのディレクトリを用意するためです。
WORKDIR /myapp
# 意味: 作業ディレクトリを/myappに設定します。
# 理由: 以降のコマンドがこのディレクトリを基準に実行されるようにするためです。
RUN gem install bundler
# 意味: bundlerというGemをインストールします。
# 理由: Rubyの依存関係を管理するためのツールであるbundlerを使用するためです。
COPY . /myapp
# 意味: ホストマシン上のカレントディレクトリの内容を、コンテナ内の/myappディレクトリにコピーします。
# 理由: アプリケーションのソースコードや関連ファイルをコンテナ内に取り込むためです。
解説
APTとは
・APT(Advanced Package Tool)
は、Debian系のLinuxディストリビューションで使用されるパッケージ管理システムです。
・APTは、パッケージの信頼性を確認するためにGPGキーを使用します。YarnのパッケージをAPTでインストールする際、そのパッケージが正当なものであることを確認するために、YarnのGPGキーをAPTに登録する必要があります。これにより、APTはYarnのリポジトリからダウンロードしたパッケージが改ざんされていないことを確認できます。
このコマンドを実行することで、YarnのGPGキーがAPTに追加され、Yarnのパッケージを安全にインストールおよび更新できるようになります。
キーリングディレクトリとは
・APT(Advanced Package Tool)
がパッケージの検証に使用する鍵(キーリング)を保存するための場所として推奨されているもの。
・以前は、サードパーティのリポジトリからパッケージをインストールする際、apt-key
コマンドを使用して公開鍵をシステム全体で信頼されるキーリングに追加していました。
しかし、apt-key
は非推奨となり、代わりに各リポジトリごとに特定の鍵を指定して管理する方法が推奨されています。
・現在では、各リポジトリの公開鍵を個別のファイルとして保存し、APTの設定でその鍵を指定します。
この際、公開鍵を保存する場所として /etc/apt/keyrings
ディレクトリが推奨されています。
ソースリストの解説
ソースリストとは?
ソースリストは、APTがソフトウェアパッケージをダウンロードする際に参照するリポジトリ(ソフトウェアの保管場所)の一覧を定義したものです。これにより、APTはどのリポジトリからパッケージを取得すべきかを認識します。
なぜリポジトリを追加する必要があるのか?
デフォルトのソースリストには、公式のリポジトリのみが含まれています。しかし、特定のソフトウェアや最新バージョンをインストールしたい場合、そのソフトウェアの提供元が独自のリポジトリを提供していることがあります。そのため、目的のソフトウェアをインストールする前に、そのリポジトリをソースリストに追加する必要があります。
GPGキーの解説
GPG(GNU Privacy Guard)
は、データの暗号化や署名を行うためのオープンソースのツールです。GPGキーは、データの機密性や整合性を確保するために使用される鍵のペアで、主に以下の目的で利用されます。
GPGキーの目的:
データの暗号化: 公開鍵を使用してデータを暗号化し、対応する秘密鍵を持つ受信者のみがそのデータを復号できます。これにより、第三者がデータの内容を閲覧できなくなります。
データの署名と検証: 秘密鍵でデータに署名することで、そのデータが署名者によって作成され、改ざんされていないことを証明できます。受信者は署名者の公開鍵を使用して署名を検証し、データの信頼性を確認します。
GPGキーの仕組み:
GPGは、公開鍵暗号方式を採用しています。これは、公開鍵と秘密鍵のペアを使用する暗号化手法です。
公開鍵(Public Key): 自由に配布しても問題ない鍵で、他者がこの鍵を使ってデータを暗号化したり、署名を検証したりします。
秘密鍵(Private Key): 所有者のみが保持する鍵で、暗号化されたデータの復号や、データへの署名に使用します。
このペアを使用することで、安全な通信やデータの信頼性の確保が可能となります。
GPGキーの利用例:
例えば、ソフトウェアパッケージの配布時にGPGキーが使用されます。開発者はパッケージに署名を行い、ユーザーはその署名を検証することで、パッケージが正当なものであり、改ざんされていないことを確認できます。
また、電子メールの暗号化や署名にもGPGキーが利用され、プライバシーの保護や送信者の確認が行われます。
参考文献:
これらの記事を参考にしました。補足(随時更新予定)
・Node.js参考資料https://deb.nodesource.com/gpgkey/nodesource-repo.gpg.key
をcommand + F
で検索する
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