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【Larabel】クッキーの有効期限と削除タイミングを保存＆テスト

2025/11/26に公開

Laravel

PHP

tech

 背景「最後に閲覧した◯◯の ID」をクッキーに保存しておきたい
クッキーの有効期限を アプリ側のロジック（週末の日曜 23:59:59 など） に合わせたい
かつ、開発中は ?date= で「今の時間」を好きに動かして、クッキーの削除タイミングを検証したい
この記事では、以下の 2 点を軸に実装・テストする方法をまとめます。
擬似現在日時 (?date=) を使って「今」を差し替える
クッキーの中に有効期限を持たせて、Cookie::queue(Cookie::forget()) で明示的に削除する

 1. 擬似現在日時を返すヘルパーを用意するまず「今何時か？」を一元管理するメソッドを作ります。

開発環境だけ ?date= クエリパラメータを使って擬似日時を扱えるようにします。
use Carbon\Carbon;

class DateTimeComponent
{
    public static function getCurrentDateTime(): Carbon
    {
        // 開発環境だけ ?date=YYYY-MM-DD HH:MM:SS を見にいく
        if (app()->environment('local')) {
            $dateParam = request()->query('date'); // 例: ?date=2025-11-21 10:00:00
            if (is_string($dateParam) && trim($dateParam) !== '') {
                try {
                    return Carbon::parse($dateParam, 'Asia/Tokyo');
                } catch (\Throwable $e) {
                    // パースできない場合は無視して通常の now を使う
                }
            }
        }

        // 本番やパラメータ無しのときは通常の現在日時
        return Carbon::now('Asia/Tokyo');
    }
}
以降、**「現在時刻が欲しいところでは Carbon::now() ではなく、このメソッドを呼ぶ」**のがポイントです。

 2. クッキーに「値 + 有効期限」を JSON で保存する次に、「最後に閲覧した ID」をクッキーに保存する処理を実装します。
ここでは例としてクッキー名を last_result_itemcd とし、
通常は「今週の日曜 23:59:59」まで有効
開発環境では ?debug_cookie_minutes=◯ で有効期限を短縮
という仕様にしています。
use Carbon\Carbon;
use Illuminate\Support\Facades\Cookie;
use Illuminate\Support\Facades\Log;
use Symfony\Component\HttpFoundation\Cookie as SymfonyCookie;

class SomeComponent
{
    public static function queueLastResultItemCookie(string $itemcd): void
    {
        $cookieName = 'last_result_itemcd';

        // 疑似現在日時（?date=… を考慮）
        $now = DateTimeComponent::getCurrentDateTime();

        // デフォルトの有効期限：今週の日曜 23:59:59
        $endOfWeek = $now->copy()
            ->endOfWeek(Carbon::SUNDAY)
            ->setTime(23, 59, 59);

        // ロジック上の期限（後で上書きする可能性あり）
        $expiresAt = $endOfWeek->copy();

        // デバッグ用途：?debug_cookie_minutes=10 などで期限を短くできる
        if (app()->environment('local')) {
            $debugMinutes = request()->query('debug_cookie_minutes');

            if (is_numeric($debugMinutes)) {
            $debugMinutes = max(3, (int) $debugMinutes); // 最低3分くらいは確保
                $expiresAt = $now->copy()->addMinutes($debugMinutes);
            }
        }

        // クッキーに保存する値を JSON にまとめる
        $cookieValue = json_encode([
            'itemcd'     => $itemcd,
            'expires_at' => $expiresAt->toIso8601String(), // サーバ側ロジック
                                                                    用の期限
        ]);

        // ブラウザ側の Expires も expiresAt に揃える
        $symfonyCookie = new SymfonyCookie(
            $cookieName,
            $cookieValue,
            $expiresAt, // ← 絶対時刻で有効期限を指定
            '/',
            null,
            false,      // 本番では true（Secure）を推奨
            false,
            false,
            'Lax'
        );

        Cookie::queue($symfonyCookie);

        // ログ（開発時のデバッグ用）
        if (app()->environment('local')) {
            $realNow = Carbon::now('Asia/Tokyo');
            Log::debug('[CookieDebug] last_result_itemcd set/update', [
                'debug_now'  => $now->toDateTimeString(),     // 擬似現在日時
                'expires_at' => $expiresAt->toDateTimeString(), // ロジック上の
                                                                          期限
                'real_now'   => $realNow->toDateTimeString(),   // 実サーバ時間
                'itemcd'     => $itemcd,
            ]);
        }
    }
}
ポイントは：
クッキーの中身をただの文字列ではなく JSON にしていること
JSON の中に expires_at を入れておくことで、後述する「読み出し＆削除判定」で使い回せること
ブラウザの Expires と、アプリ側の expires_at を同じ値で揃えていること

 3. クッキーを読むときに Cookie::forget() で明示的に削除する保存したクッキーを読むとき、

ただ Cookie::get() で値を取るだけでなく、「期限切れなら削除」も同時に行います。
public static function getLastResultItemFromCookie(): ?string
{
    $cookieName = 'last_result_itemcd';

    if (!Cookie::has($cookieName)) {
        return null;
    }

    $raw = Cookie::get($cookieName);
    if (empty($raw)) {
        return null;
    }

    $data = json_decode($raw, true);
    if (!is_array($data)) {
        return null;
    }

    $itemcd       = $data['itemcd']     ?? null;
    $expiresAtStr = $data['expires_at'] ?? null;

    if ($itemcd === null || $expiresAtStr === null) {
        return null;
    }

    $now        = DateTimeComponent::getCurrentDateTime();      // 擬似現在日時
    $expiresAt  = Carbon::parse($expiresAtStr, 'Asia/Tokyo');

    // 期限切れ判定：now > expires_at の場合は削除
    if ($now->greaterThan($expiresAt)) {
        Cookie::queue(Cookie::forget($cookieName));

        if (app()->environment('local')) {
            Log::debug('[CookieDebug] last_result_itemcd expired -> forget queued', [
                'now'        => $now->toDateTimeString(),
                'expires_at' => $expiresAt->toDateTimeString(),
                'itemcd'     => $itemcd,
            ]);
        }

        return null;
    }

    // 期限内なら itemcd を返す
    return $itemcd;
}
ここでのポイントは 2 つです。
クッキーの JSON に含めた expires_at と、擬似現在日時 getCurrentDateTime() を比較していること
期限切れなら Cookie::queue(Cookie::forget($cookieName)) を呼んで、アプリ側のロジックとして削除を指示していること
こうしておくと、
ブラウザ側の Expires
アプリ側のロジック（擬似 now と expires_at）
の両面から、「いつ消えるべきだったか」を再現・検証できます。

 4. 擬似日時を使ったテスト手順
 4-1. クッキー発行の確認開発環境で以下のような URL を叩く

例:
http://localhost/xxx?date=2025-11-21 10:00:00&debug_cookie_minutes=5
該当画面で queueLastResultItemCookie('sample001') が呼ばれるようにしておく
Chrome DevTools → Application → Cookies で

last_result_itemcd が作成されていること
Value に {"itemcd":"sample001","expires_at":"..."}
Expires が expires_at と近い値になっていること

を確認

 4-2. 期限内アクセスの確認?date=2025-11-21 10:03:00
のように、expires_at より前の擬似日時でアクセスします。

getLastResultItemFromCookie() は sample001 を返す
ログにも「expired → forget」のメッセージは出ない
クッキーは残ったまま

 4-3. 期限切れアクセスの確認?date=2025-11-21 10:07:00
のように、「expires_at を明らかに過ぎた擬似日時」でアクセスします。

now > expires_at なので、Cookie::queue(Cookie::forget(...)) が実行される
ログに expired -> forget queued が出る
次のリロード以降、クッキーがブラウザから消える
OS の時計を変えたり、わざわざ数日待ったりしなくても、

URL パラメータだけで「有効期限内 / 有効期限外」を再現できるのがこの構成のメリットです。

 まとめ現在日時は Carbon::now() ではなく「擬似現在日時ヘルパー」に集約する

→ ?date= で時間を自由に動かせる
クッキーには
表示に使う値（今回は itemcd）
有効期限の情報（expires_at）

を JSON で一緒に保存する
読み出し時には expires_at と擬似現在日時を比較し、

有効期限を過ぎていたら Cookie::queue(Cookie::forget()) で明示的に削除する
開発環境では ?debug_cookie_minutes を用意して、有効期限までの残り時間自体も短くできるようにすると、

保存 → 期限内アクセス → 期限切れアクセス → 削除確認 までを一気にテストしやすくなる
このパターンは「バナー表示制御」「お知らせの既読情報」「おすすめの一時保存」など、

期限付きでクッキーに残したい情報全般にそのまま応用できるので、

1つ仕組みを作っておくとかなり便利です

背景

1. 擬似現在日時を返すヘルパーを用意する

2. クッキーに「値 + 有効期限」を JSON で保存する

3. クッキーを読むときに Cookie::forget() で明示的に削除する

4. 擬似日時を使ったテスト手順

4-1. クッキー発行の確認

4-2. 期限内アクセスの確認

4-3. 期限切れアクセスの確認

まとめ

Discussion

3. クッキーを読むときに `Cookie::forget()` で明示的に削除する