Google Colab で直接 PDF 変換する
Jupyter Notebook で書いたコードを PDF のレポートとして提出したいことがよくあると思います。
.ipynb
ファイルを PDF に変換するツールとして nbconvert が有名ですが、
実際に nbconvert を使ってファイルを PDF に変換する際には、pandoc と TeX 環境を別に用意する必要があり、それらが手元に無い場合、一からインストールするのがやや面倒です。
特に私は overleaf で TeX を書くようになってから、手元に TeX 環境を用意する必要が無くなっていたので、TeXLive などをアンインストールしていました。
今回は、Google Colaboratory で書いた .ipynb
ファイルを、そのまま Google Colaboratory 上で nbconvert を使って PDF 変換する方法を紹介します。この方法ではPC のローカル環境にインストールするものは一切ありません。
なお、nbconvert で日本語フォント対応をするのはさらに面倒なので、今から紹介するのは日本語を含まない .ipynb
向けのものです。あくまで簡易的な手法だと思ってください。
例として、変換したい .ipynb
ファイルが、Google Drive の「Colab Notebooks」ディレクトリ直下にある、hoge.ipynb
であるとします。
まず、hoge.ipynb
とは別に Google Colaboratory のファイルを新規に作ります。名前も場所もどこでもいいです。
このファイルに、PDF 変換のためのコードを書きます。なぜ hoge.ipynb
に直接書かないかというと、hoge.ipynb
にそのコードの出力が余計に混ざってしまうのが嫌だからです。
次に、そのファイルで以下のコードを打ち込んで実行します。
!apt-get install texlive texlive-xetex texlive-latex-extra pandoc
!pip install pypandoc
from google.colab import drive
drive.mount('/content/drive')
!cp drive/My\ Drive/Colab\ Notebooks/hoge.ipynb ./
!jupyter nbconvert --to PDF "hoge.ipynb"
まず
!apt-get install texlive texlive-xetex texlive-latex-extra pandoc
!pip install pypandoc
では TeX や pandoc をインストールします。時間はちょっとかかりますね。
次に
from google.colab import drive
drive.mount('/content/drive')
では、Google Drive 上のファイルと同期をとります。
これは認証が必要なので、「Go to this URL in a browser」とともに出てきた URL をクリックして、
Google Drive File Stream の Google アカウントへのアクセスを許可し、出てきた認証コードを「Enter your authorization code:」のところに打ち込み、Enter を押します。
!cp drive/My\ Drive/Colab\ Notebooks/hoge.ipynb ./
!jupyter nbconvert --to PDF "hoge.ipynb"
ここは、変換したい .ipynb
ファイルの名前や Google Drive 上の位置に応じて適宜変えてください。
特にエラーが出ずに「[NbConvertApp] PDF successfully created」という出力になったら、そのまま Google Colaboratory の画面の左端の、ファイルのアイコンをクリックします。
すると、hoge.ipynb
とともに hoge.pdf
が一覧にあるのが確認できると思うので、これを右クリックしてダウンロードすればOKです。
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