イベント参加レポート 〜 市谷さん「組織アジャイルのはじめかた」講演より〜
2025年5月24日、ソニー本社で開催された「シンアジャイベント:みんなで考えるキャズムは越えられるのか!」に参加してきました。
このイベントは、アジャイルな組織づくりについて、みんなで本気で語り合う場でした。テーマはズバリ「キャズムは越えられるのか!」。ご存知の方も多いかもしれませんが、キャズムは “新しいものが広く受け入れられるまでの大きな溝” みたいな意味です。
この記事では、当日登壇された市谷聡啓さん(株式会社レッドジャーニー)の講演「組織アジャイルのはじめかた」から、特に印象に残った3つのポイントを深堀りしていきたいと思います。
1. はじめてみるもののタスクマネジメントの域を出ない
スクラムを始めたのに、結局"タスクマネジメント"で終わっちゃうこと、ありませんか?
「よし、新しいプロジェクトではスクラムに取り組むぞ!」と意気込んだものの、気づけばTo Doリストの作成と消化に終始してしまっている...そんな経験、きっと多くの方がお持ちなのではないでしょうか。
なぜ"タスクマネジメント"止まりになるのか?
目標設定が曖昧
新しいことに挑戦する際、つい「まずはやれることから」と手を付け始めてしまいがちです。でも、これって実は大きな落とし穴かもしれません。
"やることリスト"化してしまう理由
- 具体的な行動に落とし込むことで安心感を得られる
- 進捗が可視化しやすい
- 達成感を得やすい
タスクマネジメントを超えるには?
目的や意義を明確にする
「なぜこれをやるのか?」という問いを常に持ち続けることが大切です。
"なぜやるのか"を問い直す
- このタスクは本当に必要か?
- この行動は目的や目標(ビジョン、プロダクトゴール)に近づいているか?
実践例・失敗談
私もスクラムを始めた当初はタスク消化だけで満足していることがありました。「今日も10個のタスクを完了した!」と達成感に浸っていた時期があります。でも、それって本当に意味のある行動だったのか...と今では思います。
まとめ
みなさんは、タスク管理の先に何を見据えていますか?
単なるタスク消化ではなく、本当に目指すべきゴールに向かって進んでいるのか、定期的にむきなおってみることをお勧めします。
2. 二正面作戦はやらない
"二正面作戦"って、つい手を出しがちじゃないですか?
「これもできるし、あれもできる」と、つい複数の目標に同時に取り組んでしまいがちです。でも、これって実は大きな落とし穴かもしれません。
なぜ二正面作戦は危険なのか?
リソース分散の罠
- 時間が分散される
- 集中力が低下する
- 質が下がる
集中力の低下
複数の目標に同時に取り組むことで、それぞれの目標に対する集中力が低下してしまいます。
"やらない"ための工夫
優先順位のつけ方
- 最も重要な目標(軸)を1つ選ぶ
- その目標に必要な行動を明確にする
- 他の目標は一旦保留にする
"やらないことリスト"のすすめ
- 今はやらないことを明確にする
- 後回しにすることを決める
- 断る勇気を持つ(外部要因でやらなければいけないこともありますが・・・)
実践例・気づき
あれもこれもやろうとして、結局どっちも中途半端になってしまった...そんな経験、ありませんか?
私も以前は「これもできるし、あれもできる」と意気込んで、複数のプロジェクトに同時に取り組んでいました。でも、結果としてどれも期待以上の成果が出せなかったんです。
まとめ
あなたやチームは今、二正面作戦になっていませんか?
一度立ち止まって、本当に集中すべき目標は何なのか、じっくり考えてみることをお勧めします。
3. チームの熱量、燃料は何か?
チームの"熱量"って、どこから生まれるんでしょう?
「あのチームはいつも活気があるなぁ」とか「うちのチームは最近元気がないなぁ」なんて感じること、ありませんか?
熱量の源泉を探る
目標の共有
- チーム全体で同じ目標に向かっている
- 目標の意義が明確
- 目標達成のイメージが共有されている
メンバー同士の信頼
- お互いを理解し合っている
- 助け合える関係性
- 失敗を許容できる環境
"小さな成功体験"の積み重ね
- 日々の達成感
- 進捗の可視化
- フィードバックの循環
熱量を維持・高めるには?
フィードバックの重要性
- 定期的なふりかえり
- 建設的な意見交換
- 成功体験の共有
"燃料切れ"を防ぐ工夫
- 適度な休憩
- メンバーの体調管理
- モチベーション維持の仕組み
実践例・観察
盛り上がってるチームと、そうでないチームの違いって何だと思いますか?
私の経験では、成功しているチームには必ず「共通の目標」と「信頼関係」があります。そして、小さな成功を積み重ねながら、チーム全体で成長していく”雰囲気”があるんです。
まとめ
あなたのチームの"燃料"は何ですか?
一度、チームの熱量の源泉について、メンバーと話し合ってみることをお勧めします。
市谷さんもお話されていた、チームでドラッカー風エクササイズC面に取り組むのもよさそうです。
きっと新しい発見があるはずです。
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