Microsoft Azure の AI エンジニア向け資格 AI-900 と AI-102 を取得しました
資格取得日
- AI-900: 2024/06/10
- AI-102: 2024/06/24
概要
会社の方針でAzureを推進しており、エンジニアに資格取得が求められているため受験しました。難しかったのは資格概要のページにたどり着いて申し込みを完了することでした。また学習ガイドを見ることで必要な知識を俯瞰できるのですが、そのページにたどり着くのも少し難しいです。資格試験の勉強を通して、Microsoft Learnをサーフして欲しい情報のドキュメントを探すのに慣れたのが資格受験で一番の収穫だったと思います。本記事では公式のラーニングコースとドキュメントだけで勉強して受験料以外の出費をケチった資格取得までのお話をします。
以下のページからラーニングコース(無料)、模擬試験(無料)、テストの申し込み(有料)ができます。
AI-900: Azure AI Fundamentals (初級)
AIソリューションを作成するためのAzureのソフトウェアとサービスの開発に関連する基本的なAIの概念の理解が求められます。
AI-102: Azure AI Engineer Associate (中級)
Azure AI サービス、Azure AI検索、Azure Open AIを使用してAzure AIソリューションを設計し実装できることが求められます。特に近年はRAG案件が活発なためか、3つを複合したシステム開発に必要な知識を問う問題が多いように感じました。
必要な知識
試験の内容は不定期的(?)に更新されているようなので、具体的な内容は後述の各学習ガイドのリンクから確認してください。今年初めて受けたので以前のことはわからないですが、最近は生成AI関連とその複合系サービスが一気に増えたので大幅に内容が変更されたのではないかと思います。この記事ではどのレベルの知識が問われるのかを軽くまとめます。
大前提として、AI自体の仕組みについての知識を全く必要としません。CVや自然言語に関するAzureのAIサービスについて学びますが、CNNやTransformerという単語どころかニューラルネットワークのニの字も出てきません。Azure上に既にあるブラックボックスのAIモデルに関して、どう使ってサービスを作るか・どう学習するかというような知識を問われます。
印象的な問題として「〇〇ができるAIサービスを最小の工数で作成するためのエンジニアの作業を、6つ程度の選択肢の中から3つ選んで並べる」のようなものがあり、選択肢の中に学習工程などがありますが、既にAzureにあるモデルでサービスが作れるので学習は不要です。というようにAzure便利だからAIのことよく分からなくても簡単にサービスの叩き台が作れます!というの知っているかどうかが問われます。Custom VisionやDocument Intelligenceなどではカスタムモデルを学習する問題も出ますが、これもNNの学習コードを書くのではなく、データを所定の場所に置いて実行するだけでいいです。
AI-900
責任あるAI、各サービス名称と含まれるモデルに関する知識。回帰・分類・クラスタリングの違いや、課題に対する特徴量(入力)とラベル(出力・正解)データの認識が出来ているか、のようなAIの基礎的な知識が問われます。合格点を取るだけであればAIについての最低限知識(G検定レベル)があれば、Azureの知識問題が解けなくても最低点には届く印象でした。
AI-102
AI-900よりも少し深いサービスに関する知識・課題解決能力を問われます。各サービスを呼び出すためのAPIの使用方法(curlによるリソース作成やサービスへのリクエスト送信、pythonもしくはC#によるAPIプログラムに関する穴埋め問題)、セキュリティ(ユーザー・ネットワークによる権限の管理、Azureサービス内のみからアクセス許可方法)、ケーススタディ(実際のプロジェクトの要件が提示され、要件に適切なサービスと仕様を選択していく問題)などがあります。
穴埋め問題はプログラムに関する知識があれば実際の命名を暗記していなくても解けるような内容でした。
合格するための勉強法
- それぞれの試験の準備(AI-900, AI-102)にあるコーストレーニングを使って勉強します。AI-900のコースで約12時間、AI-102のコースで約30時間ほどが想定されていますが、Azure文学()に慣れていない場合もう少し読むのに時間がかかると思います。
- 試験に向けた練習(プラクティス評価)で模擬試験を受けます。この試験で合格ライン(70%)が取れれば十分合格できます。また、回答解説で追加の勉強をすることができるのでこの時点で70%取れなくても大丈夫です(AI-102は全然勉強していなくて試験前日48%でした)。解説には関連ドキュメントとラーニングモジュールへのURLがあるので周辺知識の再確認が簡単にできて便利です。プラクティス評価は選択肢問題だけで、コード補完やケーススタディ問題は出ないのでAI-102を受験する場合はぶっつけ本番になりますが……まあ大丈夫でした。
ある程度AzureのAI関連サービスを触った経験があれば1は飛ばして、いきなりプラクティス評価を受けて間違えた問題の周辺知識を再確認するだけでも十分だと思います。
コーストレーニングのデモについて
感想
プロジェクトでAzure OpenAIやAzure Cognitive Searchを使用していたためその知識でなんとかAI-102も合格できたという感じでした。ただ合格ライン7割ってそんなんでいいの?という気持ちがちょっとあります。AI関連の資格は中級までで2つしかないのがちょっと寂しさを感じるのと、NNを含むAI自体の基礎知識という面ではG検定を勉強した方が学べると思います。
Microsoft Learnで勉強していて一番困ったのは、ただでさえAzure独自の用語を多用しているのに日本語ドキュメントの翻訳精度が良くなく非常に読みづらいことでした。英語がある程度得意な人は英語で勉強した方が良いと思います。
今回初めてAzure資格試験を受けて、大体同じスキームで他の資格も勉強すれば受験料以外の出費なしで十分合格できそうだなと思ったのでまたAI関連以外の資格取得も頑張っていきます。
追記
実はテスト中にMicrosoft Learnを開けるようになっている(受験時知らなかった)らしいので、さらに真面目に勉強する必要がなくなっているかもしれません。テストセンターで受けたときそんなこと言われなかったので全然知らなかった……。
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