前書き：このシリーズについて
「文系・非エンジニアのための基礎理論」では、“知らなくても分かる”をコンセプトに、専門知識が無くても技術的な話をそこそこ深く理解できるような記事を作成していきます。
このシリーズでは以下のことをお約束します！
- 事前に押さえておくべき知識があれば冒頭でご紹介します
- 非日常的な英単語や専門用語、義務教育に登場しない数学記号は注釈無しに使いません
こんな方に是非！
- 会議などで技術的な話になるとついていけない
- 専門書を読むと英単語や専門用語や数式がハードルになる
- とにかく簡単に知りたいけど、あまり浅い理解では満足できない
この記事の要点
この記事ではAIがどのようなものであるかをざっくりと説明しています。
- AIは人間の知能を模倣して作られている
- 機械とAIでは得意なことが異なる
- AIの長所は柔軟性である
詳しい話１：AIってどんなもの？
AI(エーアイ)、ってよく聞くけど結局何なのでしょう？
これは一言で言えば「人間の知能を模倣して作られたもの」になります。
(Artificial Intelligenceの略だそうで、まんま「人工知能」などと訳されています。)
人間のように勉強して、物事を判断して、時には間違えることもあります。
AIが時に誤った判断をしてしまうのは困ったことですが、お手本となっている私たち人間にも失敗がある以上、それはある程度仕方がないことなのかもしれません。
ならばどうすれば間違いを減らせるか、どうすれば失敗をカバーできるかと考えるのが、人間同様、AIとの共存においても大切になってきます。(こうした工夫についてはまた別の記事で詳しく触れていきたいと思います)
では逆にAIが人間と違うところは何かと考え始めると、そもそも人間とは何か？という哲学的な問いに迷い込みそうになりますが、簡単に考えると人工的非生物であること、感情で動かないことなどが挙げられるでしょう。
人間が作らなければこの世に存在しなかった非生物ですし、人間が命じたことに対して「今日はやる気が出ないので嫌です」といった感情的抵抗はしません。
詳しい話２：機械とAIの違い
また、従来の機械とAIは、なんだか似たようなものに感じてしまいますが、実は全く違うものです。
イメージとしては、機械は指示に忠実で真面目な秀才、AIは途中式を書かない自由な天才といった感じで、機械の強みは確実性、AIの強みは柔軟性です。
具体例を見てみましょう。
「1×2＋3×4は？」という質問に対して、機械はしっかりと順序立てて計算を行い、14という解を導きました。何度聞いても答えは同じでしょうし、電卓と同じで所謂“凡ミス”をしないのが機械の強みです。
ですがAIの方は、1.4とやや間違えそうになりつつも暗算の要領で14という答えを出しました。この調子では100回聞くと1回くらいは1.4と答えてしまうかもしれません。
こうした例では機械の強みである確実性が光ります。
上記の例だけ見ると、なんだか機械の方が役に立つような気がしてしまいますが、そうとは限りません。
もう一つの具体例を見てみましょう。
「来週の天気は？」という質問に対して、機械は答えることができませんでした。「来週の天気」を予測するための明確な手順や計算式が無いからです。
ですが一方でAIは、気圧や海流などの要素を考慮して、なんとか答えを出しました。一見適当な答えですし、これが100％当たるとは限りませんが、概ね当たることが多いのがAIなのです。
AIにはこうした、緻密な説明が難しい問いかけにも何らかの答えを出してくれる柔軟性があります。
こうして見ると、機械とAIでは得意分野も違ってくるのがお分かりいただけるかと思います。
どちらも万能ではありませんが、それぞれの得意分野から人間をサポートしてくれる仲間なのです。
詳しい話３：AIを使うと何ができる？
ではAIはどのような場面で人間をサポートしてくれるのでしょうか？
これは今後の技術発展に伴い広がっていくと思われる部分ですが、現時点(2025年5月)では以下のような活用が進んでいます。
- データに基づく複雑で臨機応変な予測や判断(ex.自動運転システムや天気予報)
- 人の気持ちに寄り添った柔軟な応答(ex.カウンセリングやカスタマーセンターの自動応答)
まとめ：確認問題
この記事では、AIとはどういうものなのか、また機械とAIの違いについて触れてまいりました。
以下の問題に即答できる方は、この記事の内容はバッチリです。
Q1. AIは何を模倣して作られているでしょう？
A. 人間(人間の知能)
Q2. 機械の強みは？ ①確実性 ➁柔軟性
A. ①確実性
Q3. AIの強みは？ ①確実性 ➁柔軟性
A. ➁柔軟性
もっと知りたい方へ
じゃあそのAIってどうやって作るの？というAI開発の流れについて、以下の記事にて解説しております。
文系・非エンジニアのための基礎理論 |【ゼロから分かるAI入門】#1：AIの開発って何するの？
学習データがどうとか、モデルがどうとか、AIの詳しい話に相槌を打てる最初のステップになりますので、よろしければ是非！
Discussion