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Azure Media Serviceの廃止に伴い、代替となりうるサービス

2024/06/28に公開

はじめに

2024年6月30日にAzure Media Serviceという動画サービスが廃止になるにあたり、代替方法を思いつく限り上げてみました。また、思いついたメリットデメリットも共有します!!

代替方法①

AzureのStorage Accountにストリーミング動画を格納し、「静的なWebサイト」を有効化して、配信する方法

メリット

  • 設定自体は難易度は高くないこと。
  • Storage Accountの最大容量は500 TBであること。
  • HTMLファイル、CSSファイル、JavaScriptファイルの静的なコンテンツであれば、配信可能であること。(JavaScriptで動画の一時停止不可などの要件は満たせます)

デメリット

  • Storage Accountの正確な費用はデータ転送量や読み込み、書き込みの量に左右されるため、運用しないとわからないこと。

費用

  • Storage Accountのランニングコストは通信量に左右がされるので、通信量が多ければ多いほど金額は上がります。

参考URL

https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/storage/blobs/storage-blob-static-website
https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/storage/blobs/storage-blob-static-website-how-to?source=recommendations&tabs=azure-portal

その他

Content Delivery Network (CDN) を設定すると、Web サイトでの配信時間を大幅に短縮できます。 負荷分散処理もでき、動画配信は重くなるため、より迅速に動画配信する際はAzure CDNを使用することを推奨されている。

代替方法②

YouTubeを使用する方法

メリット

  • 動画があれば、直ぐにアップロードができること。

デメリット

商業利用の面で使用できないかもしれないこと。

代替方法③

MediaKind MK/IO を使用する方法

メリット

  • 2024年6月30日に廃止される動画配信サービス"Azure Media Services"の代替とされ、Azure Marketplaceで購入が出来て、"Azure Media Services"と費用の変動が大きくないこと。

デメリット

  • MediaKind MK/IO の機能やドキュメントの整備はまだ不足している感があること。日本語ドキュメントはないです。

費用

※円ドル変動あり。

  • 初期費用は無料。
    標準ビデオ ストリーミング ユニット (ビデオストリーミングで使用されるデータ量またはビデオコンテンツの品質を示す指標) : 1 時間あたり 0.08767 ドル (¥12.91)
    オンデマンド アセット エンコーディング (リアルタイムまたはほぼリアルタイムで適切なフォーマットやビットレートに変換するプロセス) : ビデオ出力 1 分あたり 0.02 ドル (¥2.95)
    コンテンツ保護 API: 100 個あたり 0.10 ドル (¥14.73) (アプリ側で実装になる)

参考URL

https://www.mk.io/

代替方法④

BlendVision One を使用する方法

メリット

  • 動画再生を許可するサイトのドメイン取得(例 www.blendvision)や特定のIPアドレスへの限定(今後リリース予定)が可能なこと。
  • 暗号化した動画ファイルを配信できるDRM機能があること。
  • スマートフォン・タブレット・PCなど、あらゆる種類のデバイスで動画の再生し、自動で再生画面のサイズを最適化ができること。
  • 見逃し・追っかけ再生、チャットやアンケート機能があること。
  • テスト検証を無料で試すことができる。(基本14日間だが、延ばすことも可能)

デメリット

  • 費用が高いこと。(月に¥50,000~¥200,000以上)
  • ナレッジがないのとBlendVision One とのやり取りを含めると用意に時間がかかることが想定されること。
  • APIを実装しないと、AzureのStorageと連携ができないこと。(AWS S3はAPIでなくても対応ができる)

費用

  • 初期費用は無料。
  • ライトプラン : ¥50,000/月、データ配信量1TB、ストレージ容量500GB、視聴者100人、60分のフルHD動画配信を月4回程度実施可能
  • ベーシックプラン : ¥100,000/月、データ配信量3TB、ストレージ容量1TB、視聴者200人、60分のフルHD動画配信を月6回程度実施可能
    プラスプラン : ¥200,000/月、データ配信量5TB、ストレージ容量3TB、視聴者300人、60分のフルHD動画配信を月8回程度実施可能
    ※プラスプランの上にエンタープライズプランがありますが、費用等は要問合せとなります。
  • 契約期間は基本1年間となり、1年分一括のお支払いとなります。超過料金が発生した場合は更にその分の費用が発生します。途中解約した場合の返金はない。

参考URL

https://blendvision.com/ja-jp/

個人的に思ったこと

Azureなどのクラウドで動画を配信するシステムを開発するといったことをすることは相性があまり良くないと思いました。動画配信したい場合はオンプレミスも考えた方がいいかもしれません。

ヘッドウォータース

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