Microsoft GraphRAGのグローバル検索/ローカル検索を試す
はじめに
GraphRAGという従来のRAGシステムが抱える問題を一部解決するRAGがあります。
ざっくり概要を言うと、ナレッジグラフからコミュニティと呼ばれる要約のインデックスを作成し、クエリ時にコミュニティ全体でスコアを出してインデックス全体に対する質問に回答できるグローバル検索と、エンティティ周辺の情報情報も加味した回答ができるローカル検索が可能なRAGです。
HUNTER×HUNTERについての質問で、グローバル検索とローカル検索の違いをみたいと思います。
デモ環境構築
GraphRAGを試すには、Libraryを利用する方法と
Acceleratorにより、ほぼ設定ファイルの記載だけでBicepでAzure環境構築をしつつ、データパイプラインの実行もできる方法があります。
今回はAcceleratorで試そうと思います。
ちなみに、こんな感じのアーキテクチャになり、結構リッチです。
データ
HUNTER x HUNTERのwikipediaのページを下記の4つのキーワードで検索し、テキスト化しました。
[
"HUNTER×HUNTER",
"グリードアイランド",
"幻影旅団",
"HUNTER×HUNTERの登場人物",
]
検索結果
グローバル検索(コミュニティレベル1)
ゴンの師匠は誰?
ゴンの師匠について
ゴンの師匠は複数おり、それぞれが彼の成長に重要な役割を果たしました。以下に主要な師匠たちを紹介します。
ウイング
ウイングはシンゲン流拳法の達人であり、プロのハンターでもあります。彼はゴンとキルアに天上天下で念能力の基礎を教えました [Data: Reports (44, 19, 41, +more)]。ウイングの指導はゴンの初期の成長に重要な影響を与えました。
カイト
カイトはゴンとキルアと共にキメラアントと戦った師匠です。彼はネフェルピトーによって殺され、その後アリとして生まれ変わりました [Data: Reports (20)]。カイトの教えはゴンにとって非常に重要でした。
モラウ
モラウはプロハンターであり、ゴンにオーラ操作の基本訓練(シュダイギョウ)を含むネンの技術を教えました [Data: Reports (22, +more)]。彼の指導はゴンの能力を大きく向上させました。
ビスケット・クルーガー(ビスケ)
ビスケット・クルーガー、通称ビスケは、ゴンとキルアに念能力の訓練を行いました [Data: Reports (19, 41, +more)]。彼女はゴンの成長と成功に重要な役割を果たしました。
パーム・シベリア
パーム・シベリアもゴンの訓練に関与しており、彼女の指導はゴンの成長に寄与しました [Data: Reports (19)]。
結論
ゴンの成長には多くの師匠たちの指導が不可欠でした。ウイング、カイト、モラウ、ビスケ、そしてパーム・シベリアの教えが、彼のハンターとしての能力を大きく向上させました。これらの師匠たちの多様な教えが、ゴンの多面的な成長を支えました。
ウイングの説明はおかしい気がしますが、ゴンの師匠として「ウイング」「カイト」「ビスケ」と異なる話の師匠格を抽出していて、「モラウ」の説明はよく分かりませんが、「パーム」を抽出しているのは結構すごいなと思いました。
キメラアントの王の名前は?
キメラアントの王の名前
キメラアントの王の名前はメルエムです。彼はキメラアントの王として、コミュニティの中心的な存在であり、彼の行動や決定は多くの他の存在に影響を与えました [Data: Reports (114)].
メルエムのリーダーシップは、キメラアントの社会構造やその運命に大きな影響を与えました。彼の決定は、しばしば他のキャラクターや出来事に直接的な影響を及ぼし、物語の進行において重要な役割を果たしました。
このように、メルエムはキメラアントの王として非常に重要な存在であり、その名前は物語の中で頻繁に言及されます。
正しい回答。
王位継承編の王子達の人間関係をまとめて
王位継承編の王子達の人間関係
王位継承編における王子達の人間関係は非常に複雑で、多くの対立や同盟が存在します。以下に主要な王子達の関係性をまとめます。
ベンジャミン=ホイコーロ(第一王子)
ベンジャミンは強力な軍事力を持ち、他の王子達を全て排除して権力を握ることを目指しています。彼の政治目標は軍事拡張と世界支配です [Data: Reports (88)]。彼は私設軍を持ち、15人の正式な兵士が彼の戦略的行動を支えています [Data: Reports (90)]。また、彼はサレサレ=ホイコーロの暗殺を指示するなど、戦略的な行動を取っています [Data: Reports (95)]。
ツェリードニヒ=ホイコーロ(第四王子)
ツェリードニヒは私設軍を持ち、15人の兵士を指揮しています。その中にはハンター協会の仮会員や従者も含まれています [Data: Reports (88)]。彼はベンジャミンとの関係が特に悪く、ベンジャミンを殺すことを宣言しています [Data: Reports (88)]。また、彼の陣営内では暗殺未遂事件が発生しており、内部の対立も存在します [Data: Reports (88)]。
カチョウ=ホイコーロ(第十王子)
カチョウはフウゲツ=ホイコーロと共に逃亡を試みましたが、手のような念に襲われて死亡しました [Data: Reports (86)]。彼女の死後、フウゲツを守るために念獣「2人セゾン(君がいない)」が発動しました [Data: Reports (86)]。
フウゲツ=ホイコーロ(第十一王子)
フウゲツは王位継承戦に参加する意図はなく、神秘的な魔法能力を持っています。彼女は司法局に拘束された後、多くの悪霊に取り囲まれています [Data: Reports (87)]。また、彼女は「シークレットドア」という魔法のワーム型守護霊獣を持っており、1日1回の空間移動が可能です [Data: Reports (87)]。
チョウライ=ホイコーロ(第三王子)
チョウライはワブル王子と停戦協定を結び、クラピカから情報を収集しようとしています。彼のマフィアファミリーとの関係、特にシュウ=ウ一家との関係は彼の影響力を示しています [Data: Reports (91)]。
ワブル=ホイコーロ(第十四王子)
ワブルはクラピカに守られており、彼の安全が重要視されています [Data: Reports (140, 178, 856, 858, 859)]。彼の母親であるオイト王妃は、ハルケンブルグとの同盟を通じて自身とワブルの安全を確保しようとしています [Data: Reports (1046, 1963, 1964, 1965)]。
カミーラ=ホイコーロ(第二王子)
カミーラはその美貌と傲慢な性格で知られ、彼女の陣営はBW号の1002号室に位置しています [Data: Reports (88)]。
ハルケンブルグ=ホイコーロ(第九王子)
ハルケンブルグは複雑な交渉と戦略を駆使して自身の安全を確保しようとしています。彼はクラピカと契約を結び、護衛サービスを受けています [Data: Reports (93)]。
モモゼ=ホイコーロ(第十二王子)
モモゼは継承戦の初日にタフディーに絞殺されました。この事件は継承戦のダイナミクスに大きな影響を与えました [Data: Reports (80)]。
その他の関係
- 王妃たち: 王妃たちも継承戦に深く関与しており、それぞれの王子たちの行動や戦略に影響を与えています。例えば、ドゥアズル王妃はカミーラ、ツベッパ、ルズールス、ハルケンブルグの母親であり、彼女の情報交換は重要な役割を果たしています [Data: Reports (82)]。
- クラピカ: クラピカは複数の王子たちの護衛を務めており、彼の役割は継承戦の安全保障において重要です [Data: Reports (163); Entities (31, 147, 152); Relationships (178, 243, 245, 191, 180, +more)]。
これらの関係性は、王位継承戦の複雑さと緊張感を反映しています。各王子の行動や戦略は、彼らの生存と権力獲得に直結しており、今後の展開に大きな影響を与えるでしょう。
内容が合っているか判定できないですが、広く浅く王子たちの説明をしてくれています。
ローカル検索(コミュニティレベル1)
ゴンの師匠は誰?
ゴンの師匠はカイトです。カイトはゴンが幼い頃にキツネグマから救った人物であり、ゴンにとって重要な存在です [Data: Relationships (135)]. カイトはジン・フリークスの弟子でもあり、ジンから「気狂いピエロ(クレイジースロット)」という能力を教わっています [Data: Entities (29)].
カイトの指導はゴンの成長に大きな影響を与えました。彼はゴンにハンターとしての基本的なスキルや知識を教え、ゴンがハンター試験を受けるきっかけを作りました。また、カイトの存在はゴンが父親であるジン・フリークスを探す旅の中で重要な役割を果たします [Data: Relationships (135)].
ゴンの成長と冒険の中で、カイトの教えは常に彼の行動の指針となり、彼のハンターとしての道を切り開く助けとなりました。
間違ってはいないですが、カイトとその周辺の情報のみの回答になっています。
ジンとの関係なども正しく認識できていそうです。
王位継承編の王子達の人間関係をまとめて
王位継承編の王子達の人間関係
王位継承編では、カキン帝国の王位を巡る複雑な人間関係が描かれています。14人の王子たちとその母親である8人の王妃たちが、王位を巡る戦いに参加しています。以下に、主要な王子たちとその関係性についてまとめます。
第14王子ワブルとその陣営
第14王子ワブルは、最も若い王子であり、オイト王妃の子です。ワブルの陣営には、オイト王妃、クラピカ、バビマイナ、ヒュリコフなどが含まれています。ワブルはクラピカと契約しており、クラピカはワブルの護衛を務めています [Data: Entities (1168); Relationships (1862, 1971, 2044, 2009)]。オイト王妃は、念能力を使用することができ、その能力はバビマイナによって発見されました [Data: Entities (1055); Relationships (266, 1861, 1971, 1970, 1972)]。
第5王子ツベッパとその関係
第5王子ツベッパは、ドゥアズル王妃の第二子であり、カキンの国王制に対して批判的な立場を取っています。彼は、ベンジャミン、カミーラ、チョウライが王位に即くことを阻止するという政治目標を持っています。ツベッパはワブル王子と休戦協定を結び、クラピカを仲間に取り込みたいと考えています [Data: Entities (1019)]。
第9王子ハルケンブルグとその理想
第9王子ハルケンブルグは、ドゥアズル王妃の第四子であり、清廉な理想主義者です。彼はカキンの王族政治を変えることを志しており、国内外から多くの支援者を集めています。ハルケンブルグは、継承戦への不参加を表明し、妹モモゼの死を悲しんで父王に継承戦中止を要請しました [Data: Entities (1022)]。
第3王子チョウライとその陣営
第3王子チョウライは、トウチョウレイ王妃の子であり、彼の陣営には15名の私設兵、3名の従者、2名のスパイが含まれています。チョウライの私設兵であるサカタは、ワブル王子の元に出向し、クラピカを監視しています [Data: Entities (1000); Relationships (1109)]。
第8王子サレサレの運命
第8王子サレサレは、スィンコスィンコ王妃の子であり、享楽的な性格の遊び人です。彼はベンジャミン王子に派遣されたリハンの「異邦人」に守護霊獣を喰われ、その後ウショウヒによって暗殺されました [Data: Entities (1021)]。
王妃たちの影響力
8人の王妃たちは、それぞれ異なる影響力を持ち、王子たちの運命に大きな影響を与えています。例えば、ウンマ王妃はベンジャミンとツェリードニヒの母であり、彼ら以外の王子たちにスパイを付けています [Data: Entities (1068); Relationships (1895, 1980, 1960, 1973, 2004, 1964, 1991, 1995, 2001)]。
結論
王位継承編では、王子たちと王妃たちの複雑な人間関係が描かれています。各王子はそれぞれ異なる目標や戦略を持ち、王位を巡る戦いに挑んでいます。彼らの関係性は、継承戦の行方を大きく左右する要素となっています。
グローバル検索の結果より、言及する王子の人数は少ないですが、xx王妃の子や属性情報など、グローバル検索より細かいキャラクター設定を理解していそうです。
作成されたグラフを見てみる
Acceleratorを実行するとsummarized_graph.graphmlなどのファイルができるので、
Gephiというグラフ可視化ツールで見てみます。
何も考えずに出すと、こんな感じになります。
パラメータを変えて、フィルターをかけるとなんとなく関係が見えます。
Wikipediaのテキストなので、漫画の内容以外の情報も入っているみたいです。
アルファベット表記とカタカナ表記が混在したりしていそう。
グラフを見ても正しいのかよく分かりませんが、カイトとジンとゴンの関係がグラフ化されているので、正しく関係性を回答できていそうだと思いました。
まとめ
グローバル検索、ローカル検索共に期待通りかそれ以上の結果を返してくれました。
ただ、インデックスを作成するたびに、wikipediaのデータを変えなくとも、グラフ抽出かコミュニティ更新で変更が入り、結果が変わる気がしています。
再現性のなるべく高いグラフ作成、更新方法を探したいです。
Discussion