🐙

A0ポスターなんて作ることは無いだろうと思っていたけれど、作らなければならなくなったときに読むブログ

に公開

5月に開催された人工知能学会でポスター発表しました。人工知能学会の報告については別に記事を書くつもりです。
その学会のポスター発表用のPDFをA0縦サイズで、powerpointで作成していました。
このブログは作業の共有および備忘録です。
大学生・院生の他、会社の人など、これから学会発表でA0ポスターを作る人へ向けて書いていますので、参考にしてください。

昔はポスター発表といってもA4かA3を何枚も貼り付けている人が多かったんですが、
最近はA0サイズのきれいなポスターを使って発表している人が多いです。

ということで、A0ポスターを印刷しなければならないが、大学ではないのでA0プリンターもないし、貸してもらえそうな伝手もないという場合、ポスター印刷業者に依頼することになると思いますが、ポスター印刷は案外簡単にできてしまいます。

fig

Mission1.PDFを作成せよ

まず、ポスター発表の要求仕様を確認しましょう。つまり縦なのか横なのか、サイズはA0かもっと大きいのか。学会なら「発表者の方々へ」というページがあると思いますのでよく読みましょう。
たいてい印刷業者はPDFかIllustrator(.ai)で受付するので、PDFを作成していきます。
最初から文書のサイズをA0にしておく方がいいです。

共同著者がたくさんいる場合、何のソフトで作るかというのも悩みどころかもしれません。
私は著者が多い場合はスムーズに共同作業できるMicrosoftのPowerPointかGoogleのSlideで作ることが多いです。使い方の説明しなくてもいいです。いずれにせよ最終的にPDFにして印刷できるなら何でもいいのです。
一人で作るなら慣れたLatexInkscapeで書きます。
どうしてもTexがいいという場合はoverleafを使います。

Mission2.ポスター内容をつくれ

内容については申し込みする際に決まっていると思いますが、注意するとすれば説明しやすい流れを作るということです。
学会のポスター発表では少なくとも下の3点を繰り返し説明することになるので、それに沿った図を置いておくといいと思います。

  • この研究では何を想定し何を目的としているのか
  • 結果はどうなったのか
  • 全体のメッセージは何なのか

見え方が作成時と違うことが多いです。特にフォントやサイズ、太字イタリックが印象が違うことがあります。編集ソフトでは気付かなかったけど印刷してみたら文の途中でフォントが変わっていて見栄えが悪いとか(ということを発表の時に気付いたとかよくあります)。

ポスター内の画像は印刷時の解像度を考えつつ作りましょう。
特にポスター内の図はInkscapeやIllustratorなどでベクター画像で作成することをお勧めします。
私はInkscapeを使ってsvg形式で出力します。
jpg,pngなどのラスター画像はピクセル単位でデータを保存しているので、ピクセルが見えるレベルまで拡大してみると粗くなってしまいます。
PowerPointでは画像がラスター画像で保存されてPDF出力されるので、PDFの段階で元のベクター画像に置き換える必要があるかもしれません。
そういった意味では一人で作る場合は最初からInkscapeで作ってもいいかもしれません。

Mission3.PDF出力 PDFに変換する

WEBのPowerPointからPDFを作成すると画像が粗いのでPowerPointの元ファイルから直接PDF保存で出力します。

PDFにした場合はフォントの問題があります。
フォントは様々な種類がありますが、少しずつ違いがあります。
日本語なら無難に明朝体かゴシック体がいいと思いますが、○○明朝、○○ゴシックなど種類があります。
見る側の環境によってはフォントが無い場合別な見にくいフォントや□に変換されてしまうことがあります。本当に□□で□□□□□□□□です。
そういった問題を回避する方法としてフォントをライン化することができます。つまり図形化します。
フォントを埋め込むだけですむ場合もありますが、そこは業者によります。

ライン化はInkscapeというフリーソフトを使ってpdfを読み込んで、PDF出力する際に
「テキストのライン化」オプションを選択します。バージョンが変わると表示がかわりますが、何かしらオプションで操作できるはず。

Mission4.業者にPDFデータ送付せよ

業者によりますが表面を光沢にするかマット(非光沢)にするか、厚手にするかどうか、材質は紙か布かなど選べます。

どういう基準で選べばいいのか迷うかもしれませんが、ポスターなんて第1印象で選んでOK。
私の場合は、グラフや写真があって高品質感を出したいなら光沢にします。
でも光の反射具合では見にくくなることがあるので、普段はマットか半光沢とかにしますね。
材質として紙以外にも布を選べる場合は、折り目がつくにくいので畳んでスーツケースに入れて運ぶこともできるようです。

価格は業者によって様々です。とはいえざっと見た感じA0ポスターなら3000円~10000円くらいかなと思います。
高いけど各地に支店があって受け取りに便利とか、安いけれど3日かかるとか。状況に応じて選べばいいと思います。

Mission5. 現地へ

現地へポスターを運ぶ際にはポスターケースに入れるといいです。
丸めて持ち歩くのもできないわけではないですが、電車など移動中汚れたり傷がついたり、雨でぬれたりなど起こり得ます。
ポスターケースは100円ショップでも見かけます(紙製)。
プラスティックのケースは文具屋とかで売ってます。サイズが小さいもの用のものもあるので確認しましょう。

ポスターを貼るとお客さんが見に来ますので、前に立って説明しましょう。
名刺やQRコードが置かれている場合があります。

発表する際にデモを見せるためPC片手に説明してくれる人もいます。
ポスター発表のメリットは時間が十分にあることや、質問しやすい雰囲気なことだと思います。

After 後始末は忘れるな

貼りっぱなしは迷惑がかかるので
終わったらケースに入れて持ち帰ります。

ポスター発表も実績のうちです。ポスターはダウンロードできるようにすると親切です。
お疲れさまでした。

Optional:上級者向け

学会やイベントが遠隔地で開催される場合、
ポスターを持ち歩くのは手間です。
飛行機に乗る場合など、手荷物か預けるかなど迷います。
なので、業者によっては支店が現地にある場合現地で受け取りが可能です。
現地で受け取ってポスター貼り付けて、終わったら廃棄している人もいるそうです。

ヘッドウォータース

Discussion