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LCMについて調べてみました!

2025/01/28に公開

はじめに

こんにちは!株式会社ヘッドウォータースの新卒1年目の矢野と申します。
最近、Meta社が発表した新しいAIモデル「LCM(Large Concept Model)」をご存じですか?
この革新的な技術は、AIの言語処理能力を飛躍的に向上させる可能性を秘めています。

本記事では、LCMの概要や特徴、従来のモデルとの違い、そして実際の応用例について詳しく解説します。これからLCMを活用してみようと考えている方や、具体的な利用シーンを知りたい方に向けて、わかりやすくまとめていきます!


大規模概念モデル(LCM)とは?

Meta社が2024年12月に発表した大規模概念モデル(LCM: Large Concept Model) は、従来の大規模言語モデル(LLM)とは異なり、文章を単語やトークンの連続としてではなく、「概念」 として捉える新しい自然言語処理のアーキテクチャです。

詳細はこちら: Meta公式発表

そもそもトークンとは?

自然言語処理におけるトークンとは、文章やテキストを構成する最小の単位を指します。
多くの場合、個々の単語がトークンと見なされますが、句読点や数字なども含まれることがあります。このプロセスをトークン化と呼び、テキストを個々のトークンに分解することで、AIモデルがテキストの構造と意味を理解しやすくなります。
詳しくはこちら: Kazuuu Laboratory

LCMの特徴

LCMは、文全体やアイデアのまとまりを指す「概念」を単位として扱い、次に来る概念を予測します。このアプローチにより、文章全体の構造やアイデアの流れを把握しやすくなり、長文生成や要約タスクにおいて優れた性能を発揮します。

従来のLLMとの違い

従来のLLMは、文章をトークンに分割し、次に来るトークンを予測することで文章を生成していました。一方、LCMは文やアイデアといった「概念」を単位として扱い、次に来る概念を予測します。このアプローチにより、文章全体の構造やアイデアの流れを把握しやすくなり、長文生成や要約タスクにおいて優れた性能を発揮します。

LCMのアーキテクチャ

LCMは、既存の文埋め込み空間であるSONARを活用しています。
SONARは、最大200の言語とテキスト、音声モダリティをサポートする多言語・マルチモーダルな埋め込み空間です。
具体的なプロセスは以下のとおりです:

  1. エンコーディング:入力されたテキストや音声を文レベルで区切り、SONARエンコーダーを用いて多言語ベクトルに変換します。
  2. 概念予測:LCMが連続ベクトル列を入力として受け取り、次の概念を予測します。
  3. デコーディング:予測された概念ベクトルをSONARデコーダーで再びテキストや音声に変換し、出力します。

今後の展望

LCMはまだ開発段階にあり、概念の定義や粒度の最適化、埋め込み空間の選択と設計など、さらなる研究が必要です。しかし、その革新的なアプローチは、自然言語処理の分野に新たな可能性をもたらすと期待されています。


参考リンク

ヘッドウォータース

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