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マルチAIエージェントって必要なの?

に公開

と思っていました。

マルチAIエージェントでできることを調べてみると、業務やデータ分析、問い合わせ対応の自動化という言葉が出てきます。
このタスクを見た時にマルチAIエージェントのアーキテクチャとの整合がとれませんでした。


マルチAIエージェントのアーキテクチャ

というのも、先に挙げたタスクを行う上でLLM(とその周辺システム)に求めるものは、

  • 多くのデータ量を処理できること。
  • 外部システムへのアクセス権限を持つこと。
  • タスクの完了条件を適切に判断できること。

のあたりかなと思うのですが、ここからアーキテクチャが紐づかないと。。

例えば、最近のLLMは大量のコンテキストが入れられます。Llama 4 Scoutなどは1000万トークンを入れられます。さらにRAGやナレッジDBなどを組み合わせられれば、シングルのエージェントで十分な量のデータ量を処理できそうに思えます。

https://ai.meta.com/blog/llama-4-multimodal-intelligence/

また、「外部システムへのアクセス権限」や「タスクの完了条件の判断」についても本当にマルチエージェントが必要なのか?と感じていました。敢えて言えば、アクセス権限をエージェントごとに分割すると管理しやすいかもとも思いますが、これもクリティカルな気がしませんでした。また、タスクの完了条件の判断が得意なエージェントを用意すれば、マルチにするメリットもあるような気もしますが、LLM自体が汎用的に賢い現状において今ひとつしっくりしません。

マルチAIエージェント必要かも?

先日、社内の会話を経て必要かもと思うようになりました。

必要な理由としては、コンテキスト汚染を防ぐためと理解しました。Verticalアーキテクチャは上位エージェントはタスクプランニングや下位エージェントによるタスク実行結果の評価などのみに自らのコンテキストを割くことによって、全体の首尾一貫性を担保するために必要そうかなと。Horizontalアーキテクチャは首尾一貫性に加えて、タスクプランニング・タスク実行結果自体の品質を向上させるのに必要という解釈です。

会社と一緒ですね。
経営者がシステムの実装までやっていると、会社の中期経営計画を実行するための思考コンテキストが汚染されかねません。これを防ぐためのVerticalアーキテクチャなのかなと。また、プロジェクトを進行する場合にはPMとTLで方向性を調整したりすると思いますが、これは2つの異なる事前学習済LLMによるHorizontalアーキテクチャなのかなと思いました。

システムの設計的にも、
現状人間向けに設計されているシステムの実装ってコンテキスト汚染を防ぐために様々な工夫が施されているけど、これってエージェンティックワールドになってもあまり変わらないのかなと思いした。オブジェクト指向のカプセル化ってAIにも必要そうじゃん、と。

最後に

イーロン・マスクやジェンスン・ファンはあの規模の企業なのにも関わらず現場に降りてエンジニアと意見交換をするらしいですが、コンテキストサイズとコンテキスト汚染耐性が異常なのかなと思いました。言わば、コンテキスト汚染のないLlama 4 Scoutというか。。マルチエージェントアーキテクチャの枠組みで見ても超人的なんだなと思いました。

また、AIエージェントが理想とするバックエンド設計ってあまり変わらないじゃないかなと思いました。フロントエンドは変わりそうですがね。

ヘッドウォータース

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