【Azure AI Agent Service】- Fabricがナレッジに追加できるようになった件
執筆日:2025/5/8
ついに…
Azure AI Agent Service の「ナレッジソース」に、Microsoft Fabricが対応しましたー。
今後もナレッジの種類は増えていくと思われますが、まずは 2025年5月8日時点での主なナレッジソース4つ を対象に、
それぞれの特徴と棲み分けについて整理してみました。
現在対応しているナレッジソース(2025/5/8時点)
- Grounding with Bing Search
- ファイル検索(PDF/Wordなど)
- Azure AI Search
- Microsoft Fabric(NEW!)
各ナレッジソースの特徴
① Grounding with Bing Search
-
何ができる?
LLMが答える際に、Bing経由でリアルタイムなWeb検索を自動実行。
得られた情報を要約して回答に組み込む。 -
ユースケース例
「今の株価は?」「最近のトレンドは?」など、最新情報が必要な質問。
② ファイル検索
-
何ができる?
自社のドキュメント(PDF, Wordなど)をアップロードして、それを元にした回答ができる。
自動的にベクトルインデックスが生成され、意味検索が可能に。 -
ユースケース例
社内の規定マニュアルやFAQ、技術資料など、静的なナレッジを活用したQA。 -
注意点
更新反映は手動(再アップロード)。
③ Azure AI Search
-
何ができる?
自社で作成した検索インデックスを利用し、キーワード検索とベクター検索を組み合わせたハイブリッド検索により、高精度な情報抽出が可能。 -
ユースケース例
数万~数百万件規模のナレッジ検索。
社内の全社横断的なドキュメントベースQAなど。 -
注意点
インデックスの構築・保守にある程度の設計スキルが必要。
柔軟な更新制御ができる一方、最初の導入が重め。
④ Microsoft Fabric(NEW)
-
何ができる?
Microsoft Fabric の OneLake 上にある構造化データ(例:売上データ)に自然言語で質問ができる。
Fabric の「データエージェント」が裏で SQL を生成し、値を取得して回答。 -
ユースケース例
「今月の売上は?」「エリア別の在庫数は?」など、BI的な問いに対してチャットで回答。
棲み分けチャート(ざっくり)
ナレッジソース | 主な用途 | 適したユースケース例 | データ更新 | 導入ハードル |
---|---|---|---|---|
Bing Search | 外部のリアルタイム情報取得 | ニュース・天気・製品情報など | ◎ 常に最新 | ◎ すぐ使える |
ファイル検索 | 社内ドキュメントの意味検索 | FAQ・マニュアル・ナレッジ | △(手動) | ◎ すぐ使える |
Azure AI Search | 大量ナレッジの構造化検索 | 全社ポータル・社内検索・業務用DBからの参照 | ◯(柔軟) | △ 導入要計画 |
Microsoft Fabric | 社内データ分析・BI的な問合せ対応 | 売上・在庫などの対話型データ分析 | ◯(都度取得) | △ 導入準備必要 |
気になってる点:Fabricのアクセス制御ってどうなる?
Fabric の OneLake では、行レベル/列レベルのセキュリティが設定可能です。
つまり、ユーザーごとにアクセスできるデータが違うように設定できるということ。
これって、Azure AI Agent側からFabricを叩いたときに、ユーザーごとに返る回答が変わるってこと?
この点を実際に試してみようと思います。
Discussion