IoTシステム技術検定[基礎]を受験しました!
はじめに
2024年3月にIoTシステム技術検定[基礎]というIoT向けの検定試験を受験し、合格しました!
IoTシステム技術検定とはどんな検定試験なのか、試験の内容や勉強方法、どんな人に向いているのかをまとめました。
受験しようと思った理由
IoTを体系的に学んだり、知識レベルを計るにはどんな試験があるだろうかと調査してみました。
IoTは様々な分野の技術を用いているので、例えば組み込み、クラウド、セキュリティといった分野があり、それぞれIPAの資格試験や各クラウドベンダーが実施している試験というものは結構ありますが、IoTという分野で分類できるものは数が少なく、調査した中では以下のものが見つかりました。
- IoTシステム技術検定
- IoT検定
IoTシステム技術検定はIoTでも技術領域を広く取り扱う資格試験で、IoT検定はIoTでもビジネス領域を広く取り扱う資格試験のようです。
自分としては技術領域に興味があったので、今回はIoTシステム技術検定の受験を目標としました。
IoTシステム技術検定とは
IoTシステム技術検定とはMCPC(モバイルコンピューティング推進コンソーシアム)が、IoT技術者育成を目的とした検定です。
今回はその基礎レベルを受験しました。
IoTシステム技術検定の体系
この検定は「基礎」、「中級」、「上級」の3段階に分かれています
- 基礎
- IoTに関する基礎知識を持っている(IoTアドバイザー)
- 試験:CBT方式:40問/60分
- 中級
- IoTシステム構築に取り組むための基本技術を持っている(IoTエキスパート)
- 試験:CBT方式:80問/90分
- 上級
- 高度なIoTシステムの構築技術や実践的な専門技術を持っている(IoTプロフェッショナル)
- 試験: 1.5日の専門技術講習の受講/論述式試験:180分(定員制)
上級の試験だけ、基礎・中級の試験と異なり、指定会場にて講義を受け、論述式試験(小論文)の試験となっています。
自身の知識レベル
学生の時からロボットなどの組み込み・電子回路を作ったり、
過去の職場でも組み込みソフトウェア開発や、個人でもマイコンを使った電子工作の経験が少しあります。電子工作では無線モジュール(ZigBee/LTE-Cat.M1/NB-IoT)を使ったことがあり、使用するにあたり無線モジュールの種類、利用上の注意などは自分で調査・学習をしていたこともあり、マイコンや無線に関する基礎知識については元々持ち合わせていました。
出題範囲のカテゴリ
出題カテゴリは以下の通りです。
今回受験した際に出題されたポイント(キーワード)を記載します。
IoTシステム構成と構成技術
IoTシステムアーキテクチャ/IoTサービスプラットフォーム
- IoTシステムの構成/仕組み
- クラウド/エッジ
センサ/アクチュエータ技術と通信方式
IoTデバイス/ネットワーク/LPWA/プロトコル
- ArduinoのI/O(A/D変換)について
- MEMSの特徴
- 画像センサの構成について
- WiFi(ISMバンド)の特徴
IoTデータ活用技術(AI)
ビッグデータ分析技術/活用事例
- BI(BusinessIntelligence)
- PPDAC/イシューツリー
- 基本統計量の意味(平均、分散、標準偏差など)
- 相関/回帰
- 機械学習(実用例、学習の手法)
- 深層学習
IoT情報セキュリティ対策技術
脅威と脆弱性/セキュリティ対策技術/情報セキュリティの標準と法制度
- 情報セキュリティ3要件(気密性、完全性、可用性)
- ネットワークセキュリティ対策
- ゼロトラスト
- IoT特有のデバイスセキュリティ対策
- 著作権/プライバシー
- 匿名化技術
- 暗号化技術
IoTシステムのプロトタイピング技術
プロトタイピング活用
- アジャイル
- 概念実証(PoC)
(情報の粒度が揃っていなくてすみません・・・)
学習方法
参考書
参考書はMCPCのIoTシステム技術検定のHPで案内されている公式テキストのみになります。
Amazonからの購入だと書籍だけでなくKindle版も購入できます。(自分は書籍で購入しました)
学習時間
トータルの学習時間ですが7時間程度になります。
内訳は、2~3週間かけて1日あたり10~30分ぐらいの勉強時間を設けました。
まず、1周目は最初のページから最後のページまで一通り読みます。
読み進めながら、既に知っている内容と知らない内容に分けられるので、知らない内容の箇所には付箋を貼りつつ、2周目以降は付箋の個所を重点的に読むようにしました。
特に計算問題はないので、基本は知識を詰め込む事に集中すればOKです。
試験
基礎レベルの試験は以下のようになっています。
- 試験時間(問題数):60分(60問)
- 出題形式:4者択一
主な試験内容
主な出題形式
- 穴埋め問題(4択の中から適切な組み合わせのものを選ぶ)
- 合っている説明を4択のなかから1つ選択
- 間違っている説明を4択の中から1つ選択
基本的には上記のような出題形式になります。
受験してみての感想
試験自体は20分ぐらいで一通り回答が終わりました。
他のCBT方式のテストと同様に、問題をブックマークできるので、あとで見返したい問題についてはブックマークしておくと後で見直す時に便利です。
試験中に全然わからない問題に遭遇しまして、とあるIEEEの規格番号について答える問題で「IEEE 802.xxは何の規格か4択から答えよ」みたいな問題がありました。番号と規格を全部覚えてはいなかったので、まさか規格番号で出題されるとは思っていませんでした・・・
試験自体はIoTを基礎から体系的に学び、自分の知識レベルを計ることができる数少ない検定試験だと思います。
購入した参考書も、よくある試験対策本のようなものではなく、教科書に近い感じなので、試験後も活用できる内容なので手元に置いておくのも良いかと思います。
他の技術全般にも言えますが、IoTで使われる技術は日進月歩と言える勢いで進化しているので、ただ、この試験に合格したからといって、ずっと同じ知識だけで通用する訳ではないと思います。
常にIoTの知識を広め、深めていく事が大事だと思うので、このIoTシステム技術検定の受験を足掛かりにしてみるのも良いかと思いました。
是非、興味のある方は受験してみてください!
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