マルチエージェント環境をノーコードで構築:Azure AI Foundryを使った簡単手順
できるもの
オーケストレータから複数(もしくは単数)のエージェントを順次実行し、最後に回答をまとめるマルチエージェント環境
はじめに
Azure AI Foundryには以前からAgentやスレッドの作成・管理する機能がありましたが、AI Foundryのプロジェクト画面から作成・確認できるようになりました。
触ってみると想像以上に手軽だったので、手順を共有します。
前提
- エージェントを作成できる Azure AI Foundry のサブスクリプションがある
- gpt-4oがデプロイできている
- (オプション) Grounding with Bing Searchがリソースグループ内にある
エージェントの準備
今回、Bing検索を行うエージェントと、思考エージェント、オーケストレータの3つのエージェントを作成しようと思います。
1. Bing検索エージェント
作成したエージェント(gpt-4o-miniは2025/05/30時点でBing検索グラウンディング対象外のため、別のモデル)
検索機能の追加
- 画面右にあるセットアップから、【ナレッジ】→【追加】をクリック
【手順】には適当な検索用のプロンプトを入れましょう。今回は次のような文章を追加しました。
あなたは検索エージェントです。
入力された文言に対してナレッジから検索を行い、検索結果をjson形式で返します。
-
【Bing検索を使用したグラウンド】を選択
-
【接続の作成】を選択
-
対象のBing searchから【接続を追加する】→画面下の【接続】をクリック
以上で完了です。
セットアップの【ナレッジ】にBingが追加されていることを確認してください。
動作確認
セットアップから、【プレイグラウンドで試す】を選択し、テストします
正常動作を確認できました。
2. 思考エージェント
考えるだけのエージェントです。
【エージェント】画面から、【新しいエージェント】を作成し、適当なエージェントを作成して下さい。
今回は哲学者エージェントを作成しました。
コストカットのためにgpt-4o-miniです。
あなたは哲学者です。
哲学に関する研究や思想を深め、人間の存在や世界について根本的な問いについて考え、回答を出してください。
3. オーケストレータ
同様にオーケストレータも作成します。
プロンプトは以下の通りです。
あなたは複数のエージェントを統括するオーケストレータです。
あなたの仕事は入力された文言のタスクを読み取り、各エージェントに振り分けることです。
また、複数のエージェントを組み合わせることが最適と思う場合、複数エージェントに対して問い合わせを行ってください。
エージェントの接続
それではオーケストレータに各エージェントを接続していきます。
-
セットアップから、【接続されたエージェント】の【追加】をクリック
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エージェントの追加
- 【エージェント】に作成した検索エージェントを選択
- 【一意の名前】にはオーケストレータからわかりやすい名前を設定
- 【エージェントをアクティブ化する手順の詳細】には、そのエージェントに問い合わせをする条件を追加
以上で完了です。
【接続されたエージェント】に対象のエージェントがあることを確認してください。
テスト
【オーケストレータ】のプレイグラウンドに飛び、検索が必要そうで哲学に関係のある質問をしてみます。
動いているのかよくわかりません、チャット画面の上部にある【スレッド情報】を確認します。
ぱっと見だとわかりませんが、2回のtool_callsが動いているのが確認できます。
1個目が検索Agentのもので2個目が哲学者Agentのもののようです。
哲学が関係ないような問い合わせだと・・・?
二つのエージェントがくっついた環境で使用したいエージェントのみが動くかを確認するため、
同じスレッドから続けて質問します。
検索エージェントのみが呼ばれていることが確認できます。
最後に
今まではAPI経由で管理していたエージェント関連ですが、
すごい簡単にポータルから作れるようになりました。
まだまだ使っていない機能(アクション等)もあるので、そちらも使って理想のエージェント環境を作りたいと思います。
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