【Azure基礎講座】第0回 そもそもクラウドって何?
初めに
今回から何回シリーズになるかはわかりませんが、自分の復習がてらAzureの基礎知識について、なんとなく分かった気になれるように解説していこうと思います。
そもそもクラウドって何?
Azureについて語る前に、そもそもクラウドとは何でしょうか。
クラウドとは、ユーザがインフラ環境やアプリケーションを持たずにインターネットを介して必要な時にサービスを利用できる形態のことを示します。
クラウド型のプラットフォームサービスとして提供されているクラウドには、大きく分けて2つの形態があります。
- クラウドの形態
- パブリッククラウド
- プライベートクラウド
また、クラウドで提供されるサービスにも、3つの種類があります。
このサービスの種類によって、設計や構築の範囲が大きく変わってきます。
- クラウドのサービス種類
- IaaS
- PaaS
- SaaS
パブリッククラウドって何?
パブリッククラウドとは、他のユーザとクラウド環境のリソースを共有で利用する形態を示します。
使った分だけ、必要な分だけを契約し、支払います。
その為、利用料が安くなる傾向があります。
また、共有環境なので利用者ごとにカスタマイズすることが難しい場合があります。
プライベートクラウドって何?
プライベートクラウドとは、クラウド環境全体を占有し、他のユーザとは共有せずに利用する形態を示します。
環境ごと借りるため、利用料が割高になることがあります。
ただし、利用者だけの環境のため、セキュリティが高いです。
また、カスタマイズ性が高くなります。
パブリッククラウドとプライベートクラウドの違い
IaaSって何?
IaaSとは、ハードウェアやネットワークなどの物理的なインフラストラクチャ部分をクラウド事業者が請け負い、サービスとして利用者に提供します。
仮想OS部分から利用者がカスタマイズすることが出来るため、かなり自由度が高い一方、インフラの専門的な知識が必要となってきます。
実機の手配や設置場所の確保が不要となるため、初期費用の軽減や利用拡張性の考慮が不要になります。
IaaSは、Infrastructure as a Serviceの略称でいあーすやあいあーすと読みます。(なお、弊社内ではいあーす呼びが多いです。)
代表的なものとしては、下記のようなものがあります。
- Azure Virtual Machines
- Azure Virtual Network
- Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)
- Amazon Virtual Private Cloud(VPC)
- Google Compute Engine
- Google Virtual Private Cloud
PaaSって何?
PaaSとは、IaaSとは異なり、仮想OSやミドルウェア部分までをクラウド事業者が請け負い、サービスとして利用者に提供します。
上に載せるアプリケーションは自由にカスタマイズできますが、利用できる開発言語やバージョンが制限されることが多いです。
リソースによっては、コンテナイメージを載せることが出来るため、開発言語やバージョンの依存を回避することが可能です。
インフラの専門的な知識が不要となるため、アプリケーション開発者だけでも気軽に利用しやすく、開発期間や工数の削減になる場合がありあます。
より安全に利用できるシステムにするためには、インフラ全般の専門的な知識は不要でも高度なセキュリティ知識が必要となるため、インフラエンジニアによって、構成や設定を設計することが多くなります。
PaaSは、Platform as a Serviceの略称でぱーすやぱーずと読みます。(なお、弊社内ではぱーす呼びが多いです。)
代表的なものとしては、下記のようなものがあります。
- Azure App Service
- Azure Functions
- Azure Logic Apps
- AWS Lambda
- AWS Fargate
- Google App Engine
- Google Cloud Functions
SaaSって何?
SaaSとは、IaaSやPaaSとは異なり、アプリケーション部分までをクラウド事業者が請け負い、サービスとして利用者に提供します。
利用者は利用したい機能をすぐに利用できることが特徴です。
SaaSは、Software as a Serviceの略称でさーすやさーずと読みます。(なお、弊社内ではさーす呼びが多いです。)
代表的なものとしては、下記のようなものがあります。
- Microsoft 365
- Google Workspace
3大クラウドって何?
パブリッククラウドを扱うクラウド事業者は、複数あります。
その内、世界シェア6割以上を占めるといわれているのが、3大クラウドになります。
- Azure (Microsoft)
- Amazon Web Services (Amazon)
- Google cloud platform (Google)
上記以外にも有名なものとして、Oracle CloudやTencent Cloud、Alibaba Cloud等があります。
各社で特徴があります。
Azureって何?
Azureは、Microsoft社が運営するパブリッククラウドです。
Azureには、下記の特徴があります。
- Windowsユーザには使い慣れたインターフェイスである
- Microsoft製品との親和性が高い
- WindowsOSの延命処置がある
- 企業内のユーザ管理でよく利用されるActive Directoryとの相性が非常に良いため、SSO利用がしやすい
- オンプレミス環境との連携に優れている
- IoTやAI、データ分析が得意
- セキュリティレベルが高い
- リージョン数が多く、冗長構成時などに選択肢が豊富
- サービス数が多く、選択肢が豊富
- 金融、航空等の各業界に特化している
- 準拠法がデフォルトで日本になっている
- 日本円で支払いが可能
- Microsoftのサポート以外にもパートナー企業によるサポートが可能
一方で下記のようなデメリットを持っています。
- AWSの仮想マシンと比べて、起動スピードが遅い
- ドキュメントや事例がAWSほど多くない
- 支払いが為替レートに左右されることがある
Amazon Web Servicesって何?
Amazon Web Servicesは、Amazon.com社が運営するパブリッククラウドです。
Amazon Web Servicesは、AWSと呼ばれています。
AWSには、下記の特徴があります。
- 日本トップシェアのため、ドキュメントが非常に豊富
- コンピューティングサービスのパフォーマンスが非常に優れている
- リージョン数が多く、冗長構成時などに選択肢が豊富
- サービス数が多く、選択肢が豊富
- ベンダーロックされておらず、連携できる製品が多い
一方で下記のようなデメリットを持っています。
- 準拠法がデフォルトはアメリカとなっており、変更する必要がある
- 一部は、変更してもアメリカでの適用になる可能性がある
- デフォルトの支払いがアメリカドルとなっている
- 見積りもアメリカドルでの見積りとなり、コストがわかりにくい
- 支払い自体は日本円でもできるが、為替レートは決算タイミングの為替レートとなる
- Azureに比べてカスタマイズ性が低め
Google cloud platformって何?
Google cloud platformは、Google社が運営するパブリッククラウドです。
Google cloud platformは、GCPと呼ばれています。
GCPには、下記の特徴があります。
- Google製品との親和性が高い
- ビックデータ解析が得意
- GUIがとてもシンプルで見やすい
一方で下記のようなデメリットを持っています。
- 準拠法がデフォルトはアメリカとなっており、変更が出来ない
- 公的機関については、書面でのやり取りで日本に変更することが可能
- デフォルトの支払いがアメリカドルとなっている
- 見積りもアメリカドルでの見積りとなり、コストがわかりにくい
- 代理店経由の場合、日本円での請求ができることがある
- AWSやAzureと異なり、シェアが低く、ドキュメントがかなり少ない
今回はここまで!
次回から、本格的にAzure基礎について解説していきます。
Discussion
非常に丁寧で分かりやすい!
わかりやすいです!これは新人でも活用できますね!