🦌

【Microsoft Ignite 2024】Oracle Database@Azureのアップデート

2024/11/27に公開

はじめに

Oracle Dababaseは、代表的な商用データベースとして古くから日本の基幹システムを支え、現在もオンプレミス環境で広く利用され続けていると思います。私も数年前までオンプレミス環境で構築や運用に携わってきておりましたが、Azureをメインに触るようになってすっかりキャッチアップができておりませんでした。
今月シカゴで開催された「Microsoft Ignite 2024」でOracle Database@Aureのアップデートがあり、自分の知識のアップデートを兼ね、簡単にまとめさせて頂こうと思います。

Oracle Database@Azureとは

Oracle Database@Azureは、Microsoft Azure上でOracle Databaseをフルマネージドサービスとして利用できるソリューションです。このサービスは、2023年9月に開始され、AzureのインフラストラクチャとOracleのデータベース技術を組み合わせることで、企業に高いスケーラビリティ、パフォーマンス、セキュリティを提供します。
https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/oracle/oracle-db/database-overview

今回のアップデート

1.Microsoft Purview との統合

Microsoft Purview とは、データガバナンスとコンプライアンスのための統合ソリューションです。データ資産をカタログ化し、データの発見を容易にしたり、データの流れを視覚化し、データの出所と使用方法を追跡出来たりします。
Purviewを活用することで、データの透明性を高め、リスクの軽減や規則遵守を確保できるようになります。
今回のアップデートでは、Microsoft Purviewが、Oracle Dababase@Azureをサポートするようになりました。
これにより、Oracleワークロード全体のデータの追跡や管理をMicrosoft Purviewで行えるようになり、データガバナンスやコンプライアンス機能の向上が見込まれます。
https://learn.microsoft.com/ja-jp/purview/purview

2.Microsoft Fabricとの統合の強化

Microsoft Fabricとは、データ統合と分析のための統合プラットフォームです。
今回のアップデートでは、Fabricとのデータ連携の機能が強化されました。
Open Mirroring(Oracle GoldenGateが提供する機能の一つでデータベースのミラーリングを行う。現在パブリック・プレビュー段階)を利用することで、継続的なデータ同期を行うことができ、Microsoft Fablic内でデータを分析することができるようになります。
https://learn.microsoft.com/ja-jp/fabric/get-started/microsoft-fabric-overview

3.新しいリージョンで利用が可能になった

利用できるリージョンに新たに、ブラジル南部とイタリア北部が加わりました。これにより Oracle Dababase@Azureは、オーストラリア東部、ブラジル南部、カナダ中部、米国東部、フランス中部、ドイツ西部中部、イタリア北部、英国南部、米国西部(DR)の9つのリージョンで利用できるようになりました。
気になる日本リージョンですが、Microsoftは2025年末までにさらに24地域での提供を予定しており、対象リージョンに東日本リージョンが含まれています。

4.ネットワークの強化

Oracle Database@Azureは、既にAzure仮想ネットワーク内にデプロイし、サブネットの委任も行うことができます。今回のアップデートでは、ユーザー定義ルール(UDR)が利用可能になりました。
これにより、Azure Firewallやネットワーク仮想アプライアンス (NVA)へルーティングできるようになり、ネットワークトラフィックを精査し、セキュリティを強化することができます。
https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/virtual-network/virtual-networks-udr-overview

まとめ

Azureをメインに触るようになってからは、Oracleに触れる機会がなかったのですが、今回のキャッチアップで久しぶりにOracleの「今」を知ることができました。
昨年から開始された新しいサービスなだけに、リージョンの拡大や、Azureネイティブサービスとの連携など目覚ましいものがありますね。
企業がクラウド利用に踏み切れない壁の一つに、セキュリティやコンプライアンスの懸念があるかと思いますが、Microsoft Purviewとの統合は一つの安心材料になるのではないかと思いました。
日本リージョンが利用できるようになれば、規制や性能面からもさらに利用しやすくなるのではないでしょうか。
今後は実際にデプロイしてみるなどして、キャッチアップを続けていきたいと思います。

参考:

ヘッドウォータース

Discussion