Raspberry Pi AI Hat+ (AI Kitの後継機) が出てました
はじめに
2024年の6月ごろにRaspberry Pi AI Kitが出て「ついにRaspberry PiでもエッジAIを使える!」と私の中で話題になっていましたが、それから4か月後にまさかの後継機、AI Hat+が出てました。何が違うのかを調べました。
Raspberry Pi AI KitとAI Hat+の違い
見た目
AI Kit
引用元:https://www.raspberrypi.com/documentation/accessories/ai-kit.html#ai-kit
AI Hat+
引用元:https://www.raspberrypi.com/documentation/accessories/ai-hat-plus.html
比較表
AI Kit | AI Hat+ (13TOPS) | AI Hat+ (26TOPS) | |
---|---|---|---|
AIモジュール | Hailo-8L | Hailo-8L | Hailo-8 |
最大TOPS | 13TOPS | 13TOPS | 26TOPS |
対象機種 | Raspberry Pi 5 | Raspberry Pi 5 | Raspberry Pi 5 |
M.2 HAT+にAIモジュールを取り付ける作業 | 必須 | 不要 | 不要 |
AIモジュールの取り外し | 可 | 不可 | 不可 |
税込価格 (スイッチサイエンス) | ¥13,640 | ¥14,410 | ¥21,890 |
※TOPS:テラオペレーション/秒の略
AI Hat+では2種類から選べる
まず注目を引くのは、AI Hat+では2種類から選べることでしょうか。AI Kitの方ではHailo-8Lを搭載した13TOPS版しか選択できませんでしたが、AI Hat+ではHailo-8Lを搭載した13TOPS版(廉価版)に加えて、Hailo-8を搭載した26TOPS版も選べるようになりました。
Hailo-8LとHailo-8を公式ドキュメントの情報を基に比較すると以下のようになります。
Hailo-8L | Hailo-8 | |
---|---|---|
最大TOPS | 13TOPS | 26TOPS |
使用可能なAIフレームワーク | TensorFlow、TensorFlow Lite、Keras、PyTorch、およびONNX | TensorFlow、TensorFlow Lite、Keras、PyTorch、およびONNX |
ホストアーキテクチャ | X86またはARMベース | X86またはARMベース |
対応OS | Linux、Windows | Linux、Windows |
搭載するAIモジュールの性能が上がればその分価格も上昇します。AI Kitおよび13TOPS版AI Hat は約1.4万円、26TOPS版は約2.1万円で、約7千円の差があります。
予算や取り組みたいことを総合的に加味して、どのバージョンにするかは選択したほうが良いかもしれません。
拡張し易さはAI Kitが、Raspberry Piへの取り付けやすさはAI Hat+がそれぞれ僅かに優れている?
AI KitはRaspberry Pi M.2 HAT+にHailo-8L AIモジュールをユーザー側で取り付ける必要があります。そのため、AI Hat+と比べてその取り付け部分は手間ですが、AIモジュールを取り外してHat+に対応する別のモジュール(例:NVMe SSDドライブ)を使用することができます。
実際にAI Kitをセットアップするうえで、AIモジュールをHat+に取り付けたことがありますが、作業自体は全く難しくなく、それ以外のセットアップ方法はAI KitとAI Hat+で変わらないため、取り付けやすさという観点から選ぶ必要はそこまでないかと思います。
AI KitとAI Hat+は現状どちらも購入することができる (2025/01/09現在)
AI KitとAI Hat+は基本的にそれぞれ購入可能となっています (※スイッチサイエンスではAI Kitの販売が終了しています) 。
また、Raspberry Pi財団公式でもAI Kitの生産は続いていると伝えられていますが、新規で購入する人は後継機のAI Hat+をお勧めしています。
The Raspberry Pi AI Kit is still in production, but new customers should instead purchase the Raspberry Pi AI HAT+.
https://www.raspberrypi.com/products/ai-kit/
最後に
Raspberry Pi AI Hat+ (AI Kitの後継機) について概要レベルでまとめてみました。
実際に性能面(ベンチマークや使用電力など)でどの程度差があるかまでは調査できていないため、近いうちに調査してみようと思います。
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