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車載向けAI-SoCについて[o1調べ]

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はじめに

興味本位でo1に聞いたら、良い感じにまとめてくれていたのと、知らないことが多かったので残します。
最後のまとめも生成されたものですが、確かにと思う内容でした。

「自動車の中で使われているAIってどんなチップに載ってる?」

自動車の中で「AIを用いた処理(画像認識やセンサー融合、走行経路推定など)」を担うチップとしては、大きく分けて以下のようなものが使われています。特に高度運転支援(ADAS)や自動運転レベル3以上を視野に入れた車両では、専用または高性能SoC(System on a Chip)が搭載される例が増えています。


1. NVIDIA製 SoC(例:DRIVEシリーズ)

  • NVIDIA DRIVE PX, DRIVE Xavier, DRIVE Orinなどが有名
  • 自動車業界向けのGPUベースプラットフォームで、AI推論・学習・画像処理に強みを持つ
  • 世界的な自動車メーカーやティア1サプライヤー(部品大手)への採用事例が多い
  • 例:メルセデス・ベンツ、Volvo、トヨタの自動運転開発車両などで利用事例

特徴

  • GPU(CUDAコア)+CPU(ARMコアなど)+専用AIアクセラレータ(DLA: Deep Learning Acceleratorなど)を1チップに統合
  • 高い演算性能(数TOPS〜数百TOPS)を低消費電力で動かすため、自動車向けに最適化
  • リファレンス設計としてNVIDIAがソフトウェアスタック(開発環境やツールチェーン)も提供している

2. Intel Mobileye製チップ(EyeQシリーズ)

  • EyeQ4, EyeQ5, EyeQ6など、カメラベースのADAS/自動運転向けに特化したSoC
  • 非常に高い省電力性能と画像認識用の専用回路を組み込んでおり、多くの自動車メーカーで採用
  • 代表例:日産/ホンダ/フォード/GM/フォルクスワーゲンなど多数の車両で、車線逸脱防止や前方衝突警報などを実現

特徴

  • 画像認識や物体検出向けのハードウェアアクセラレータを内蔵
  • Mobileye独自のソフトウェアスタックがあり、組み込み先では基本的にMobileyeのアルゴリズムを利用
  • 消費電力を抑えながら1チップで必要な推論処理を可能にしており、前方カメラユニットに搭載されるケースが多い

3. Tesla独自開発チップ(FSD Computer / HW3)

  • テスラ社は従来NVIDIA製を採用していたが、近年は自社設計のFSDチップ(HW3)を車載
  • 2枚のFSD SoCを冗長構成で搭載し、完全自動運転を見据えた大規模ニューラルネットワーク推論を可能にしている
  • サムスン等のファウンドリで製造され、数十TOPS超の推論性能を持つ

特徴

  • 自動車専用設計であり、「自動運転NN推論」に特化したコプロセッサを複数搭載
  • 車内カメラ8台分の映像処理や超音波センサー情報をリアルタイムに統合
  • ソフトウェア(Autopilot/FSDソフト)とハードウェアを垂直統合するアプローチ

4. Qualcomm Snapdragon Ride

  • スマホ向けSoCで知られるQualcommが、自動車向けAI/ADASプラットフォームとして提供
  • Snapdragon Ride SoCSnapdragon Cockpit Platformなど、インフォテインメントからADASまで幅広くサポート
  • 多数のCPUコア+GPU+DSP+NPU(Neural Processing Unit)を組み合わせたアーキテクチャ

特徴

  • スマートフォン技術で培った省電力技術を車載向けに応用
  • 画像処理や音声認識などのAI処理をNPUで加速
  • 大手自動車メーカーやTier1との協業事例(BMWなど)が増加中

5. NXP, Renesas, Infineonなどの車載マイコン+AIアクセラレータ

(a) NXP Semiconductors

  • 従来から車載制御マイコン分野で大きなシェアを持つ(パワートレイン、ボディコントロールなど)
  • 近年はS32Gなど車載ゲートウェイ/ADAS向けプラットフォームにAIアクセラレータ(eIQなど)を搭載したSoCを展開
  • Linux/Autosar等をサポートし、エッジAI推論が可能

(b) Renesas Electronics (ルネサス)

  • 日本メーカーで車載マイコンやSoC「R-Carシリーズ」を展開
  • R-Car Vシリーズには画像処理や深層学習エンジンが統合されており、ADASの物体認識向けに使われる
  • 特徴:日本国内OEM(トヨタ, ホンダ, スズキなど)や車載部品大手との連携が強い

(c) Infineon (インフィニオン)

  • AURIXマイコンシリーズが有名で、パワートレインや安全制御に多用される
  • 近年はAurixと協調動作する形でAIアクセラレータを載せる構成も増え、レーダ処理・画像処理を担うSoCとの組合せでADASを構成

6. AMD (Xilinx) ベースのFPGA / SoC

  • XilinxのFPGAを組み込んだ形で、自動運転開発プラットフォームを提供する例もある
  • FPGA上の再構成可能ロジックでカスタムなAIアクセラレータを構築できるため、画像認識やセンサー融合を低レイテンシ&低電力で実行可能
  • AMDによるXilinx買収後は、車載向けFPGAソリューションがより統合化された製品として提供されつつある

7. まとめ

自動車におけるAIチップは、主に高度運転支援(ADAS)や自動運転(レベル2〜3〜4)の実現、あるいはインフォテインメントや音声認識などの「車内スマート機能」を支えるために利用されることが多いです。スマホやPC向けの汎用CPU/GPUとは異なり、

  1. 車載規格(温度範囲・振動・安全要件)の厳格な基準
  2. リアルタイム処理(ミリ秒単位の応答)と高信頼性
  3. エッジAI推論に特化した省電力設計

などを満たす必要があります。そのため、NVIDIA, Intel (Mobileye), Qualcomm, Tesla(自社開発SoC), NXP, Renesas, Infineonといった自動車向けに強い企業のSoCや専用チップが選ばれるのが一般的です。

また、近年は車載用コンピュータを統合化し、「車両統合ECU」や「Domain Controller」と呼ばれる高性能プラットフォーム上で複数のAI機能をまとめて処理する流れが進んでおり、その中心に上記のような高性能・高集積のAI向けチップが載る形が主流になりつつあります。

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