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UDIDとは?スマホの一意識別番号とその役割をわかりやすく解説!

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UDID は、「Unique Device Identifier(ユニークデバイス識別子)」の略称で、Apple 製の iOS デバイス( iPhone や iPad など)に固有の識別番号を指します。この番号は、各デバイスごとに一意であり、世界中で同じ番号を持つデバイスは存在しません。UDID は、デバイスを識別するための一種の「 ID カード」のような役割を果たしており、iOS デバイスのソフトウェア開発者やサービス提供者がデバイスを認識し、追跡や管理を行うために利用されています。

UDID の具体的な用途

UDID は、以下のようなシナリオで利用されることがありました。

  1. アプリケーションのテスト:
    開発者は、アプリを正式にリリースする前に、限られたデバイスでテストを行います。UDID は、テストに参加するユーザーのデバイスを特定し、そのデバイスだけにアプリをインストールするために使われていました。これにより、開発中のアプリを公開せずにテストできます。

  2. アプリの認証とデバイス認識:
    一部のアプリやサービスは、ユーザーのデバイスを特定して、特定のデバイスだけに許可を与える仕組みを導入していました。例えば、特定のデバイスのみがアクセス可能なコンテンツや機能を提供する場合などです。

  3. データ収集やターゲティング広告:
    広告会社やマーケティング担当者は、UDID を使ってユーザーの行動を追跡し、デバイスごとの広告ターゲティングを行うことが可能でした。これにより、デバイスごとのユーザー体験をカスタマイズしたり、特定のデバイスユーザー向けに広告を配信することができました。

UDID のプライバシー問題と変更

かつて、UDID はアプリ開発者やマーケティング担当者にとって非常に便利なツールでしたが、プライバシーの懸念が問題になりました。UDID はデバイスに一意の番号であるため、ユーザーが自分のデバイスで何をしているかを追跡しやすく、これがプライバシーの侵害につながる可能性が指摘されました。

その結果、Apple は 2013 年以降、UDID の使用を段階的に制限し、アプリ開発者が UDID にアクセスすることを禁止しました。代わりに、「広告 ID 」や「ベンダー ID 」といった、ユーザーのプライバシーを保護しながらもデバイスの識別ができる仕組みを導入しました。

広告 ID とベンダー ID との違い

UDID に代わって登場した広告 ID とベンダー ID は、UDID とは異なる特徴を持っています。

  • 広告 ID(Identifier for Advertisers: IDFA):
    広告目的で使われる ID です。ユーザーが広告のターゲティングやトラッキングをオプトアウトすることが可能です。つまり、ユーザーが設定から広告IDの使用を拒否できる仕組みです。

  • ベンダー ID(Identifier for Vendors: IDFV):
    同じベンダーが提供するアプリ間でのみ共有されるIDです。例えば、同じ会社が開発した複数のアプリは同じ IDFV を使いますが、別の会社が提供するアプリでは異なる ID が使われます。これにより、ベンダー間でのユーザー追跡が制限されます。

NFC との関連性

UDID とは異なる技術ですが、NFC(Near Field Communication)もまた、デバイスの識別や認証に使われる技術の一つです。ここで、NFCについて簡単に説明し、その関連性を見ていきましょう。

NFC とは?

NFC は、「近距離無線通信」の技術で、デバイス同士が非常に近い距離(通常は数センチ以内)で通信を行うための仕組みです。NFC を利用することで、データのやり取りや認証が簡単に行えます。例えば、スマートフォンでのモバイル決済( Apple Pay など)や、交通機関の IC カードとして利用されています。

UDID と NFC の違い

  • UDID は、iOS デバイスを一意に識別するための番号であり、主にソフトウェア開発やデバイス管理のために使われます。
  • NFC は、短距離通信のための技術で、データの交換やデバイス間の認証に使われます。

NFC は、物理的にデバイスが接近している必要があるため、セキュリティ上のメリットがあります。例えば、NFC を使った決済では、デバイス同士が数センチ以内で通信を行うため、不正にデータが盗まれるリスクが低いです。

NFC と UDID の併用例

NFC と UDID が直接連携することはありませんが、NFC を使って認証や決済を行う際に、デバイスの識別が必要になる場合があります。このとき、デバイスの識別に UDID や広告 ID、ベンダー ID が使われることがあります。

例えば、NFC を使ったモバイル決済の際、NFC でカードリーダーとの通信が行われますが、同時にデバイスの ID がサービス側に送信されることで、どのデバイスで支払いが行われたかを識別することができます。このように、NFC 技術とデバイス ID( UDID など)の併用は、スマートフォンを利用した様々なサービスで役立ちます。

まとめ

  • UDID は、iOS デバイスに固有の識別番号であり、かつてはアプリ開発やマーケティングで使われていましたが、プライバシーの懸念から現在は制限されています。
  • UDID に代わり、広告 ID( IDFA )やベンダー ID( IDFV )が導入され、プライバシー保護を重視した識別が行われています。
  • NFC は近距離無線通信技術であり、主にモバイル決済や認証に利用されます。NFC とデバイス ID( UDID や広告 ID など)は、スマートフォンを使ったサービスで併用されることがあります。

このように、UDID や NFC は、スマートフォンが多様なサービスに対応するための重要な技術です。それぞれの役割や使い方を理解することで、技術の仕組みやユーザーの利便性を深く知ることができます。

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